夜来県１【短編小説】サクッとショートショート！

皆さんは夜来県（やらいけん）をご存知でしょうか？

私の所有している、真日本地図という書物には、夜来県にまつわる信じられない事柄が幾つも記載されています。

真日本地図には夜来県の具体的な場所も記載されています。

その場所とは、群馬県と栃木県の間にあるようなのです。

しかも夜来県の面積は、鳥取県の3507km²より大きく、約4000km²はあるとされています。

はっきりとした面積がわからないのは、夜来県の土地は時期により拡大縮小を繰り返し、正確な面積が求められないからのようです。

これを聞いただけで、この夜来県がいかに異質な土地かはおわかりでしょう。

あと、皆さんがこの話を聞いて、一番の疑問な点とすれば、群馬県と栃木県の間に約4000km²の広大な土地が無いのはお気づきでしょう。

群馬県と栃木県は、都道府県の人気ランキングでは低い順位のため、皆さんは正確な場所がわからない人がいるかも知れないので、おおまかな説明をいたします。

この2つの県は関東地方にあります。

東京よりも北に位置し、北関東の地域と呼ばれています。

両県とも海はありません。

その群馬県と栃木県の間に、夜来県が存在しているというのです。

私は群馬県在住なので、隣県の栃木県には何度も観光などで行ったことがあります。

しかし、その道中に夜来県など存在しないのです。

そうなのです。

夜来県は存在しない県なのです。

では、この真日本地図では、夜来県が群馬県と栃木県の間にあり、しかも土地の面積が約4000km²もあるかというと、特殊な現象が関係しているからのようです。

真日本地図では、夜来県の発見の経緯も記載されています。

それは1970年の7月の出来事から始まります―――。

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