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夜来県2【短編小説】サクッとショートショート!

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都内から登山に来た20代の男女のグループ4人が、栃木県の山を登っていました。

登山と行っても標高の低い山で、どちらかというとピクニックに近い感じで、森林の中を歩いて楽しむ感じの登山でした。

そのためグループの4人とも登山の初心者で、服装も軽装でした。

登山を始めて2時間が経過したころ、どうやら道を間違え遭難してしまいました。

原因は興味半分に登山道から外れて、道のない方向へ進んでしまったからです。

その後、そのグループは元の登山道に戻ろうとしましたが、登山道が見つからず永遠と森の山を彷徨っていたらしいのです。

どこに進んでも同じような木々が連なるジャングルのような場所を、歩き続けていたそうです。

いつしか日も落ち、深夜になり、更に日が昇り一日が経ちました。

翌朝、グループの中の女性の両親が警察に捜索を依頼したのです。

最初は小規模の捜索から始まりました。

しかし、3日が経っても男女4人が発見できないため、大掛かりな捜索になりました。

ちょうど4人が遭難した場所が、群馬県と栃木県の間の場所だったため、両県の警察やボランティアも出動する大掛かりなモノになっていました。

しかし、遭難して7日が経過しても、4人の手がかりが見つかりませんでした。

徐々に捜索の動員も減り、1ヶ月が経過する頃には捜索が打ち切りになってしまいました。

しかし、4人の家族はそれでも諦めてはいませんでした。

なんとか時間を作り、そんなん現場をくまなく探し続けたのです。

そして遭難して2ヶ月が経った頃、最初に警察に捜索を依頼した父親が、滝壺付近で倒れる自分の娘を発見したのです。

その場所は遭難現場からそう遠くない場所で、警察や遭難した4人の家族も何度も確認した場所でした。

父親は倒れた娘に駆け寄ると、両手で抱え大きな声で娘の意識を確認しました。

大きく揺らしても娘は何の反応はありません。

しかも全身がびしょ濡れで、まるで滝壺に落ちて這い上がって来たかのようでした。

父親は泣きながら娘の名前を叫び続けたらしいです。

すると奇跡が起こったのか、娘は口から水を吐き、呼吸を始め意識を取り戻しました。

父親は感激のあまり、娘を強く抱きしめ、大粒の涙を流し喜びました。


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