赤い石鹸2|(全2話)【短編小説】サクッとお暇にショートショート
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「あらまぁ~、青木さん。 そんなに赤く染まって、さぞかし痛いでしょ~」
なぜ、金沢さんが助けに来てくれたのかはわからないが、私は助かったと思った。
「か、金沢……さん、シャ、シャワーで……泡を流して……」
私は必死に金沢さんに懇願した。
すると金沢さんは不敵な笑みを浮かべ、私を見下すように見つめる。
「あなたねー。 心の中で散々、私の事をバカにしていたでしょう。 私はね、人に見下されるのが何より不愉快なの、わかる?」
ど、どういうことなの?
金沢さんは私の心の中がわかるの?
「あなた、どうして私があなたの心の中がわかるのかという事に驚いているわね。 そんなのは簡単なのよ。 このテレビショッピングで買った、補聴器を付けると私をバカにする他人の声が聞こえるのよ」
そ、そんな補聴器などあるはずがない、ましてそんな補聴器をテレビショッピングで売っているなんて信じられない。
「信じてられないって感じね。 でも、本当にことなのよー。 あなた、666チャンネルってご存知?」
そんなチャンネルなんて聞いたことがない。
いや、そんなチャンネルなんて存在するはずがない。
「あなた信じていないわね。 本当にあるのよ。 私が死にそうなくらい憎しみでもがき苦しむと、テレビのチャンネルが666になるのよ」
金沢さんは何を言っているの?
そんなバカげた事を言ってないで、早くシャワーで泡を流して……。
「そしてテレビショッピングが映るのよ。 司会やタレントはみんな悪魔なの。 信じられる?」
悪魔なんて信じられる訳ないでしょ。
このオバサンはイカれてる。
「そして悪魔達が商品を進めてくるの。 とても魅力的な商品をね。 この補聴器もそのテレビショッピングで買ったのよ。 それにあなたの家にも簡単に入れる万能な鍵も買ったわ」
そ、そんな嘘はどうてもいい……早く、泡を流して……。
「でもね。 その商品の値段が高いのよ……。 高いというか、払うのが難しいのよね。 なにせ値段が人間の命なのだもの。 だからね、私はあなたの命で支払おうと思うのよ」
私の命で支払う……何を訳のわからない事を言ってるの!?
「あなたね、自分の若さと美しさを自慢して嫌だったのよ。 しかも、心の中では私を散々バカにして、だから赤い石鹸をあなたにプレゼントしたの」
な、何? まさか今までの話は全て本当だというの……このままでは私は殺されるの!?
そ、そんなのは嫌!!
「ご……ごめん……なさい……。 た、たすけ……て……」
私は声が出せないくらい痛みで苦しかったが、必死で声を出し謝罪した。
「ごめんなさいね。 もう、遅いのよ。 あなたの薄汚れた心も体も、その赤い石鹸の泡が綺麗に洗って、最終的にはあなたはなくなるのよ。 汚いモノは綺麗にしないとね」
金沢さんがそう言い終えると、赤い石鹸の泡が私の覆い尽くした。
そして、体中からカミソリでなく、ナイフで体をえぐり取られるような痛みに襲われた。
「キャーーーーーーッ」
私の体が切り刻まれ小さくなっていく。
体は細切れになり、細胞の全ては切り刻まれ、そして私は消滅してしまった。
「はー、スッキリしたわ。 次は誰を殺そうかしら。 商品をたくさん買ったから、たくさん人を殺さないとね」
そういって金沢さんは私の部屋を後にした。
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