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世界一美人な歯医者のお姉さんから頂いた金言

大学4年生の時に、歯医者で歯科助手のバイトをしていたことがあります。
すごくすごく好きなバイト先だったので、今でも思い出すとホッコリします。

先生と、美人なお姉さんと、私。
週2日、その3人で働いていました。

人生で1番好きなバイト先でした。

どんな職場だったかというと

雨で患者さんの少ない日は、3人で外をボーッと眺めながら植物の話をしたり、患者さんと患者さんの間が空いている時は、お姉さんとストレッチしながら喋ったり。逆に忙しい日は、物凄い速さで治療の準備・片付けをしたり。
治療ごとに用意する物が決まっているので、ひとたび覚えてしまうと、それをスピーディにこなすのがゲームのようでめちゃくちゃ面白くて。

先生

先生は釣り好き、植物好き、おちゃめで頭の良い先生でした。
思慮深く、イタズラで、口数少なくちょうど良い距離感を崩さない。

憧れの大人って人生で何人か出会っていますが、先生は間違いなくその内の1人。
先生のような個人事業主になりたいものだと思いました。

予約に遅れそうになって走ってくる患者さんを窓から覗き見て「あいついつも走ってくるな。これから麻酔なのに走ったらやばいぞ〜。」と茶化したり。
治療の合間に急に暇が出来た時なんかには週末の鮎釣りのお話しを楽しそうにしてくれたり。他の医院の先生から「次の週末、釣り行こうよ。」と電話で誘われているところも、よく見かけました。あと、鮎についてお話を伺うと饒舌になるところが可愛らしい一面でした。
大学の授業が「歯医者のバイトの昼休憩の間」にあることを知って「渋谷さ〜ん、授業遅刻しちゃだめだぞ!早く行け!」とバイトを早く上がらせてくれたこともあったり、優しい先生でした。

美人な歯科助手のお姉さん

私と一緒のシフトだったのが美人で元CAのお姉さん。
お姉さんも私と同じ歯科助手として働いていました。

この方がとんでもなく美人。
普通の美人じゃなくて、街ですれ違ったら確実に振り返るような美人。
私、後にも先にも、あんなに美しいお顔を拝見したことがありません。

そして凄いのが、性格まで超美人なんです。

私が歯医者でバイトし始めた初日に「トイレ掃除は私がやっとくから、大丈夫!結婚したらいくらでもやることになるんだから、今はやらなくて良いよ!」と必ずお姉さんがトイレ掃除をしてくれました。
何度か「やはり私が」と伺っても、その度にこう仰るので、ついに私がトイレ掃除をすることは1度もありませんでした。

私がミスした時は「私から先生に言っておくね!大丈夫大丈夫、菜々子ちゃんはここで待ってて!」とカバーして下さって。
お姉さんは人から愛される方法を心得ていて、ビクビクせず爽やかにミスを伝えることができ、必要以上に恐縮しない素敵な方でした。

お姉さんは私が音大ジャズ科に通っていることをすごく応援してくれていて、会うたびに沢山質問をしてくれました。それが表面的な質問ではなくて、私のことを思いやった質問で、お姉さんは思慮深い方だなとずっと思っていました。私のライブを見に来て頂いたこともあったなあ。

「ねえ、音楽の練習とかって、Have to でやるの?それとも Want to でやってる?」と質問されたことがあって、それもすごく印象に残っています。
「私もDJを趣味で始めたんだ。」と言って、音楽のことをいつも熱心に私に聞いて下さる姿勢がとても可愛くて。

お姉さんは向上心の塊で、常に人からヒントを貰おうとしていて、それを心の底から嘘偽りなく実行しているので、どんな人も恋に落ちてしまうような方でした。

先生と美人なお姉さんと私、3人で働くのがすごくすごく楽しくて、高校の時から色々バイトはしてきたけど、バイトが楽しいと思えたのはそこが最初で最後でした。

お姉さんはハンサムでもあった

お姉さんはCAを退職した後、MBAを取得するために大学院で勉強していて、素敵な旦那さんと一軒家に住んでいる、とお話ししていました。
大学生の私に「大人になると、昼間お風呂にお湯ためて、その中でポテチを1袋食べ切ったりできるのよ。なんでも出来るの。」と教えてくれたこともありました。

「こんな美人な人がそんなギルティなことを?」と格好良く感じました。

お姉さんの金言

歯医者さんは昼休憩が長いので、朝から働いて、昼は2時間30分くらい休憩時間がありました。

休憩室にはソファが2つあるので、2人で喋りながらお弁当を食べたら、そこで1時間くらい仮眠を取るのが定例でした。

ある日の昼休み、いつも通り仮眠を取ろうと横になると、お姉さんが

菜々子ちゃん、あのね。
菜々子ちゃんは卒業したらフリーランスとして生きていくよね。
これから先、周りの人が沢山色んなこと言ってくると思う。
批判的なこととか、嫌味なことも沢山言われるかもしれない。
でもね、それは全部、皆んなが菜々子ちゃんのこと羨ましくて言ってるだけなの。だからぜーーーーんぶ知らんぷりして良いのよ。
あとね、あまり事情を知らない周りの人に何か聞かれても、本当のことなんて言っちゃだめ。全部嘘をつくの。馬鹿正直に答える必要なんかないのよ。
周りはとやかく言いたいだけなの、菜々子ちゃんの自由が羨ましいだけなのよ。

と淡々と語り、私に微笑んでから、ソファでスヤスヤと眠り始めました。

私もソファで横になって天井を見つめ、お姉さんに言われたことを必死に噛み砕きながら、感動で少し泣きそうになったことを覚えています。

素直で誠実で、自分のことを大事に扱う方法を知っている綺麗なお姉さんでした。

最近咲いた私の雲龍桜です。

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