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不思議な話★合縁奇縁シリーズ①旅先での不思議な出会い。5年前、な・な・ナント!!!

ある夏の不思議な出会いをたどると…
     縁に気づくのも才能?  そんな話が満載のPAGE

 あれは勤め始めて2年目の夏。大学のサークル仲間の女子3人で、尾瀬にハイキングに行った時のこと。夜行バスで早朝到着し、水芭蕉はもう咲いていない畦道をひたすら歩き、なまった体をひきずりつつ何とか山小屋にたどり着いた。

 初めての山小屋宿泊体験を満喫!夜は夏にお決まりの怖い話(あそこに幽霊が出るらしい等々)をする他の宿泊客たちの話で盛り上がった。
 
 山小屋で1泊し帰る日の朝、3人でバス停へ向かおうとしていた時、山小屋のおかみさんから声をかけられた。「この子も同じ鳩待峠に向かうから、一緒に行ったら?」
 
 年下風のがっちりした体型の青年と、歩きながら何とはなしに身の上話。「どこから来たの?」【●●市】「えぅ、私と同じだ、何か繋がりがある?」
「えっ、高校は?」【●●高校】「え~私と同じだ!でも会ったことないよね」
「何年生まれ?」【昭和●●年】「私より三つ下の学年だね。だから知ってるわけないか。」
「何部だったの?」【(体育会系)●●●部】「えっ!!! 私と同じ……
後輩だぁ!でも知らないなあ」

「そういえば、大学1年の時、後輩に頼まれて夏合宿の指導に行ったなぁ。参加してた?」
【参加してました!】「3年生の●●君や○○先輩も来てた?」
【はい、来てくれてました!】

 ナント彼とは5年前に出会っていたのだ。3学年違うから、学生生活は共に過ごしていないけど、まぎれもなく部活の後輩。それが尾瀬という旅先で出会うとは何たる偶然。
 
 不思議な出会いは何か意味があったのだと思うけど、その時は何も考えようとしなかった。
 
 自宅に帰って昔のアルバムを開いたら、まだ体が小さく痩せてた高校1年の彼が、丸坊主姿でみんなと写る写真を見つけた。
 
 今年に入り昔の手紙を見返していたら、尾瀬での写真を送ったお礼の手紙が、数十年たっても自宅に残っていた。
彼はパイロットになる夢を追う学生で、自宅を遠く離れて頑張っていた。夢は叶ったのかな?その後の消息はわからず。
 
 今年の年明けから、高校時代の友人にまつわる不思議なことが沢山あり、(その話はまたそのうちに)高校時代のことを思い出したくなって、数十年ぶりに昔の手紙や日記を紐解いた。
 見られることもなく捨てられるはずだった断捨離の対象物
 
 すると、懐かしくて甘酸っぱい、数えきれない思い出がよみがえり…
人間は忘却する生き物なのだと実感し、出会えた宝物たちに感謝して心が震えた。今の私の心に、高校2年からの私が宿って消えない。
 
 人と人との不思議な繋がり、出会っていても縁に気づかない人は多いかも。
あの人たちの消息は皆知らない。愛おしい偶然の出会いに驚く話は、 
                           まだまだ続く…


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