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きもちのかたまりのはなし
自分の中に気持ちがあることを感じる。
客観的にとかそういう距離を持って感じるというよりは、体の中に塊として存在しておりほんのりと“重さ”も感じる。
気持ちが他と交わらない物体として体内に存在する。
いま、わたしのなかに、怖い、が居ます。
いま、わたしのなかに、悲しい、が居ます。
いま、わたしのなかに、楽しい、が居ます。
それらの存在に気づくのが鬱になってからは早くなったように思う。
それに気
ちいさく しぬ
わたしはしんでいる。何度かしんでいる。
本当にしんでしまわないために、ちいさくちいさくしんでいる。
そのことに気づいたり気づかなかったりする。
くらい話ではなく、にんげんの話。
たぶんきっと、知らない誰かもそうしている。
本当にしぬのは、本当にしんでしまうときにとっておこうとおもう。
そうして生きることに折り合いをつけている。
いぬのはなし その2
わたしは寝ている。その左脚に手とあごを乗せてくるいきものがいる。あごも手もちいさく、あたたかい。
ずっとそのままでいていいよ、と思うと、スクッと立ってすこし離れたところでまるくなる。
フンーっと、おおきくため息をつく。今日いちにちに満足したかのようにも思えるが、それはこちらの都合のよい解釈かもしれない。
とかなんとか思っていると、またスススと移動して、ほんのすこしだけ触れた状態で寝はじめた。グ
いぬのはなし その1
いぬはかわいい。
驚くほどかわいい瞬間が毎日必ずあるすごい生き物だ。
今でこそ、生活の一部になり、なくてはならない存在だが、人生でいぬと暮らすのは初めてだったので、飼い始めた当初は、ほんとうにほんとうに大変な思いをした。
はじめて家にきたいぬは、ちいさくてふにゃふにゃでかたいところがひとつもなかった。
はじめの一ヶ月はお世話が大変すぎて、正直なところ、まだ早かったかもしれない、甘く見すぎて