saquochang

1990年広島生まれ。CMプランナー、ディレクター、絵本編集者などを経て、いまは肩書の…

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1990年広島生まれ。CMプランナー、ディレクター、絵本編集者などを経て、いまは肩書のない時間を過ごしている。ここでは主に、駄文を記録していこうとおもう。

マガジン

  • 音になる前の文字列

    起きているあいだは常にしゃべりつづけている自分の脳みそを、音にする前に文字に起こしてみた記録。

  • スイス旅行記

    2023年、夫婦でスイス旅行に行った記録

最近の記事

2024年4月28日の不妊治療の怒り

今わたしは「パレスチナ あたたかい家」という展示会に向けて爆走している最中だが、それと同時並行で不妊治療も受けている。 今日の診察で思うところがあり、夫にこの文章を書くことの了承を得たので、わたしの怒りのエネルギーをキーボードに向かって打ち込むことにする。 そもそも、不妊治療をしていること(または妊活をしていること)を、なんとなく「隠す方が無難」という空気感にわたしは納得がいっていない。(自ら言わないでおくことを選択することは否定していない。それも一つです) なぜなら、むし

    • 2023年という1年間

      今年も残すところあと数時間となりました。 せっかくなので1年間を振り返ってみたいと思います。 思いつきで打ちます。 そういえば、1年前はまだ一応正社員でした。休職していたので働いてはないのだけど。 2月には正社員という働き方を諦めて派遣社員になったので、おそらく1年前にはすでに辞めるつもりだったのかな。 そこから、なんと、1年間働けたということになります。感慨深い。 鬱になってから約1年半くらいは労働をまともに続けられなかったので、すごい進歩。 なんとかなるものだなあと思

      • きもちのかたまりのはなし

        自分の中に気持ちがあることを感じる。 客観的にとかそういう距離を持って感じるというよりは、体の中に塊として存在しておりほんのりと“重さ”も感じる。 気持ちが他と交わらない物体として体内に存在する。 いま、わたしのなかに、怖い、が居ます。 いま、わたしのなかに、悲しい、が居ます。 いま、わたしのなかに、楽しい、が居ます。 それらの存在に気づくのが鬱になってからは早くなったように思う。 それに気づいたら無駄に膨らませることなく、その気持ちのサイズのまま、気が済むまで居てもら

        • しゃべると黙る

          親しいひとたちからすれば周知の事実だが、わたしはおしゃべりである。それも相当。 あたまの中が常にしゃべっているせいもあり、その一部が音として外に出てしまっただけで相当なおしゃべりになってしまう。 でも、そんなわたしにも黙るときがある。怒っているときは、黙る。腑に落ちなかったり、納得ができていないときも、黙る。 それは、「怒る」とか、「納得できない」という気持ちが自分にとって重要なものすぎて、それをすぐに的確に表現できることばが見つけられないからだと思う。 怒ったり、咀

        2024年4月28日の不妊治療の怒り

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        • 音になる前の文字列
          7本
        • スイス旅行記
          3本

        記事

          スイス旅行記 day2 チューリッヒ街歩き①

          スイス旅行2日目です。 この日の予定はざっくり以下の通り。 デザインミュージアムに行けるだけ行く FREITAG本店に行く チューリッヒの街を歩きながらショッピング 夕方にツェルマットへ移動 夫の旅の目的である「デザイン」に触れるべく、目星をつけた美術館を目指しつつ、とにかく歩いて街を見て回ろうという日です。 この旅は、毎日朝食付きのプランだったので、まずは朝ご飯から。 アレグラロッジの朝ごはんはこんな感じ。 このホテルは最終日にもう一度戻ってくるのですが、2日

          スイス旅行記 day2 チューリッヒ街歩き①

          スイス旅行記 day1 いよいよ出発!

          あれよあれよと時はすぎ、いよいよ出発の日。前日の夕方に犬を預けたので朝から犬いません。寂しい。 わたしたちが乗る飛行機はスイスインターナショナルエアラインズ(通称SWISS)。成田空港までは、バスタ新宿からリムジンバスで向かいました。 成田に着いてレンタルWi-Fiの受け取りと、多少持っていた方がいいだろうと思い、スイスフランの現金換金をしました。 いよいよチューリッヒへ!無事チェックインを済ませ、スーツケースを預けて、出発を待つのみ!なんと、フライト時間は14時間半の

          スイス旅行記 day1 いよいよ出発!

          スイス旅行記 day0 出発までのはなし

          9月中旬、夫婦初となる海外旅行に行ってきました。それなり(かなり)のお金を使ったし、とってもいい時間を過ごせたので、忘れないようにしたいと思いました。 旅行をしながら、自分の眼にうつるいろんなものに浸ったり、全く関係のないことを考えたり、たくさんの思いを抱いたので、ただただ感じたことを文字に残してみます。興味がある方は、お付き合いください。 どこ行く何する!? いつか海外旅行には行きたいねと話していて、この先のことをなんとなく見通すと、そろそろなんじゃないかということで、

          スイス旅行記 day0 出発までのはなし

          まいにちたのしい

          これは、大好きな絵本のタイトルであり、我が家の家訓でもある。わかりやすいので家訓ということばを使ったが、“感想”というほうが近いかもしれない。 「我が家の感想」って変だけど、それが近い。 思うたびに夫に繰り返し伝えていることがある。 いつ、どんなにむごい死にかたをしても、わたしはとっても幸せだから、安心してほしいと。 死にかたひとつで、それまで生きていた時間すべてが不幸になってしまうことなどない。 突然で、かなしくて、やりきれなくて、誰かを憎みたくなる死にかたをしても、わ

          まいにちたのしい

          ちいさく しぬ

          わたしはしんでいる。何度かしんでいる。 本当にしんでしまわないために、ちいさくちいさくしんでいる。 そのことに気づいたり気づかなかったりする。 くらい話ではなく、にんげんの話。 たぶんきっと、知らない誰かもそうしている。 本当にしぬのは、本当にしんでしまうときにとっておこうとおもう。 そうして生きることに折り合いをつけている。

          ちいさく しぬ

          えびのはなし

          わたしはえびが大好きだ。 飲食店に行き、「海老」の文字をみつければ、そのメニューは問答無用で注文する候補に上がるほど好きだ。 とはいっても、えびならなんでもかんでもよいわけではない。 火が通ったえびが好きだ。 生のものや、桜えびなどもあまり興味がない。むしろ生や甘えびは苦手だ。あと殻付きもあまり好きではない。 わかってきた。火が通っているむきえびが好きだ。 そんなに好きなので、家族や友人との食事の時にえび料理を頼めば、まず出てきたときに数を数える。 えびというの

          えびのはなし

          いぬのはなし その2

          わたしは寝ている。その左脚に手とあごを乗せてくるいきものがいる。あごも手もちいさく、あたたかい。 ずっとそのままでいていいよ、と思うと、スクッと立ってすこし離れたところでまるくなる。 フンーっと、おおきくため息をつく。今日いちにちに満足したかのようにも思えるが、それはこちらの都合のよい解釈かもしれない。 とかなんとか思っていると、またスススと移動して、ほんのすこしだけ触れた状態で寝はじめた。ググぅと、眠るまえに思わずもれ出る音を出し、今日の入眠ポジションを決める。 すこ

          いぬのはなし その2

          いぬのはなし その1

          いぬはかわいい。 驚くほどかわいい瞬間が毎日必ずあるすごい生き物だ。 今でこそ、生活の一部になり、なくてはならない存在だが、人生でいぬと暮らすのは初めてだったので、飼い始めた当初は、ほんとうにほんとうに大変な思いをした。 はじめて家にきたいぬは、ちいさくてふにゃふにゃでかたいところがひとつもなかった。 はじめの一ヶ月はお世話が大変すぎて、正直なところ、まだ早かったかもしれない、甘く見すぎていたかもしれないと後悔していた。諦めかけてもいた。挫けそうになった。 でも、目

          いぬのはなし その1