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いぬのはなし その2
わたしは寝ている。その左脚に手とあごを乗せてくるいきものがいる。あごも手もちいさく、あたたかい。
ずっとそのままでいていいよ、と思うと、スクッと立ってすこし離れたところでまるくなる。
フンーっと、おおきくため息をつく。今日いちにちに満足したかのようにも思えるが、それはこちらの都合のよい解釈かもしれない。
とかなんとか思っていると、またスススと移動して、ほんのすこしだけ触れた状態で寝はじめた。ググぅと、眠るまえに思わずもれ出る音を出し、今日の入眠ポジションを決める。
すこしだけ触れている。触れているところだけがほのあたたかい。これがとってもちょうどよく、かつ充分で、必要な幸せである。
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