船に乗ったら世界が変わった話【5】
小笠原の感動的な登舷礼を終えて、私たちは正真正銘の8日間の幽閉生活に入った。この間、電波も通じぬ、太平洋のど真ん中でただ日々を過ごした。だが、退屈した記憶はないのである。ほんのり大変なことがいくらかは起こったのだが。
まず、ウチの班でもきっての船酔いっ子の腎臓がとうとうぴくりとも言わなくなってしまった。高度な脱水でおしっこが出なくなってしまったのである。2回船内で点滴をし、なんとか食い繋いでいたが、「これホンマに次の寄港地まで辿り着けるんだろうか……。病院から透析ようのダイ