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子供らしい子供時代が無かった人が取り組むべきこと
幼い頃に、子供らしい感情を抑え込まれること無く、素直に表現する事を許された人は、心の成長がスムーズです。
心は年齢なりに成長を遂げ、その後の人生に於いて、
幼児的な甘えの願望に執らわれる事も少ないですし、
親離れも総じて早く、確固たる【自分】を頼りにして人生を歩む心の構えを獲得します。
それは、軽やかな心持ちで人生を歩む為に、最も大切なものだと、つくづく思います。
子供らしい子供時代、が無かった人は、ほぼ間違い無く生きづらさを抱える事になってしまいます。
子供らしい子供時代が無かった人、とは親の顔色を伺い、親の心情を読み取り、親が求める、良い子、になってみせる必要があった人です。
親が求める良い子になって、毎日を暮らすのですから、自分の感情は全部置いてけぼりです。
本当の自分を殺して、親を生かします。
本来、幼い子供は、自分の感情、欲求、願望に素直です。
親の心情を読み取って叶えてあげる程の心の成熟などありませんし、無くて当然です。
親の望みに関係なく、泣きたければ泣くし、はしゃぎたければ、はしゃぎます。
それが、子供らしい、と言う事です。
親の顔色を見て、親の心情を読み取って、親の望む良い子になることは、
その幼い子供が、親の役割りを果たしている状態です。
親が幼い子供の様に、我が儘を通し、子供が親の様に、我が儘を受け止めるという、親子の逆転が起きています。
だからその子に、子供らしい子供時代、は無いのです。
子供らしい子供時代が無かった、と言う事は、
子供らしく我が儘を言う事が出来なかった、と言う事です。
泣きたい、はしゃぎたい、怒りたい、拗ねたい、それらの感情を、
全部諦めて、全部心の奥に閉じ込めます。
感情は感じ尽くす事でしか消化する事が出来ません。
生きづらさは、幼少期に心の奥に閉じ込めたっきりの、未消化の感情、が主成分と言えます。
やがて大人になって、自分が抱える生きづらさに気がついて、
その生きづらさを手放す決意を固め、
心にまつわる様々な知識をインプットします。
心理学、宗教、哲学、自己啓発、スピリチュアル等々、
医療機関を受診し、カウンセリングを受け、セミナーやワークショップにも足を運びます。
生きづらさを手放したい一心です。
真剣なのです。
その真剣さ故に、迷ってしまいます。
子供らしい子供時代を過ごし、心に確かな【自分】という意識を持ち、軽やかな心持ちで人生を歩んでいる人であっても、生きる限り、悩みもあります。
そんな人が、悩みという影を振り払い、よりよく生きたいと願って、心のこと、を考える時と、
子供らしい子供時代が無く、子供らしい感情の全てを抑え込んで生きた末に、生きづらさを抱えるに至った人が、その生きづらさを手放そうとする時は、
なすべきことも、考え方も、取り組むことも、自ずと違って来ます。
たとえば、「自分軸で生きよ」という言葉に出会ったとします。
子供らしい子供時代が有った人は、「そうだな、どうも周りに気を取られて、自分がブレていたな」と気づくキッカケになるかも知れません。
しかし、子供らしい子供時代が無かった人は、もともと心に【自分】が育っていません。
だから、自分軸で、と言われてもモヤッとした感覚にとらわれます。
たとえば、「欲を捨てなさい」という教えに出会ったとします。
子供らしい子供時代を過ごした人は、幼児的な欲を消化していますから、「そうだな、欲張っちゃイカンな、今の自分は我が儘だな」と自分の強欲を戒める事に繋がるかも知れません。
一方、子供らしく在ることを禁じられて生きた人は、
子供が持って当たり前の欲を全部心の奥に閉じ込め、押さえ込んで生きて来たのです。
心の、我慢の壺、は溢れんばかりにいっぱいいっぱいです。
もうこれ以上、我慢することが出来ないから、生きづらいのです。
便宜上、子供らしい子供時代の有る無しで二つに分けましたが、
心のこと、は人其々です。
十人居れば十通りです。
ある人には薬になる言葉や教えや、考え方が、
ある人には毒にすらなる、と感じています。
特に、生きづらさを手放すと決意を固めた人が、
何を差し置いても、先ず取り組むべきは、
「自分軸で生きる」でも、
「欲を捨てる」でも無く、
心に、確かな【自分】という意識、を育てること、
そして、未消化の感情を拾い上げ、感じ尽くすこと、
だと確信しています。
幼い日の自分の、
満たされなかった感情を、
わかってあげられるのは、
他でも無い、
自分自身だけ、なのです。
読んで頂いてありがとうございます。
感謝致します。
伴走者ノゾム
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