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Vol. 183 一族の要(かなめ)を失った話
実は今年に入ってから伯父を亡くした。
母の長兄に当たる人だ。
時はまだ「まん坊」の最中だったため通夜にも参列できず大変残念に思う。何故ならこの伯父は
本家の主
として君臨し一族をまとめ上げた人だったから。
母方の実家はとても団結力が強く何かと集合する家だった。田植え・稲刈り・お茶摘みといった農作業はもちろんのこと、私たち子供世代が小さかった頃は毎年夏休みの度、全員本家に集まり泊まり込みで8月の1ヶ月を過ごすのが慣わしだった。
5人兄妹+その配偶者+子供たちなので恐らく30人位いたと思う。子供にとっては正にパラダイス。リアル版「ぼくのなつやすみ」の様なあの日々はかけがえのない宝となっている。
伯父は本当に立派な人だった。
歴史ある旧家を継ぎ広大な家と田畑を守った。
警察幹部としての本業を持ちながら管理するのは大変なことだっただろう。帰省し挨拶に行くといつも畑にいた。晩年は警察関係の功績が認められ勲章も賜った。内外共に本当に立派な人だったと思う。
そんな伯父を亡くし今も一族は泣き暮らしている。伯父・伯母・従兄妹たちは夜になるとお互い電話をかけ「なんで死んだんだよぅ。もっと色々してあげたかったのに!」と号泣するそうな。これだけ偲ばれれば伯父も本望ではなかろうか。
私も大学から他県へ出てしまったため他の皆ほど密ではないが、やはり寂しい。厳しかったけどお茶目だった伯父のニヤリとした笑みが思い出される。GWに墓参りをしたら自ずと涙が溢れた。
【写真】菩提寺からの富士。
伯父さん。
貴方の背中は多分誰も超える事が出来ない。
それでも私達は生きてゆく。
どうぞ富士の彼方から見守ってください。
【猫ムスメより】
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