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読書感想文

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原稿用紙には収まりきらない思いをただひたすらに綴りたい。
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騎士団長殺し第一部顕れるイデア編・上巻

騎士団長殺し第一部顕れるイデア編・上巻

村上春樹氏著作、「騎士団長殺し・上巻」を読み終わったので、感想を綴っていこうと思う。

これ買ったのは多分去年?今年ではない気がする。
下手したら一昨年かも。
というのも、この本を家で見つけたのがつい最近。
少々埃をかぶっていた背表紙を見て、あぁきっとせっかく買ったのに、読もうと思ってそのまま本棚に仕舞い込んでいたのを、いつの間にか忘れてしまっていたんだな、と過去の自分に呆れ笑う。

もしかしたら

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変な絵

変な絵

webライター兼ホラー作家の雨穴氏著作、「変な絵」を読了したので、感想を綴っていこうと思う。

雨穴氏の前作である「変な家」も以前読んでいて、感想を載せているので、時間が許せばそちらも是非読んで欲しい。

「変な家」の読書感想文↓

「変な家」から雨穴氏の文字でのホラーワールドにも病みつきになった私は、今作もU-NEXT内で購入し、一気に物語を進めていった。

相変わらず大胆な雨穴ワールドにどっぷ

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変な家

変な家

ホラーライターの雨穴氏著作「変な家」を読了したので、感想を綴っていこうと思う。

と言いつつ、この本を読み終わったのは去年の冬くらいの話で(それと2作目になる「変な絵」も同時期に読み終わってる)今回感想文を記事にするにあたって思い返すために、2回目の読書に挑んだというわけ。

そもそも私は雨穴氏をYouTubeの動画でその存在を知った。
ちょうど「差出人不明の仕送り」の動画が出たころだったと思う。

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10代から身につけたいギリギリな自分を助ける方法

10代から身につけたいギリギリな自分を助ける方法

井上祐紀氏著作、「10代から身につけたいギリギリな自分を助ける方法」を読了したので、感想を綴っていこうと思う。

精神科医である井上先生の著作を読むのは、これが2作目。
1作目と同様、上司が貸してくれて、1作目と同様めちゃくちゃ面白いし、勉強になった。

以前読んだ先生の著作の感想↓

どちらも読みやすかったのだけど、前回の著作は題名にもある通り「休み」に特化した内容であったのに対し、今回の著作は

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臆病な僕らは今日も震えて

臆病な僕らは今日も震えて

汐見夏衛氏著作、「臆病な僕らは今日も震えて」を読了したので、感想を綴っていこうと思う。

この作品は、去年?か一昨年あたりに有隣堂に立ち寄った時に購入したもの。
表紙の絵になんだか惹かれて、手に取り、あらすじを読んでみるとなんだか面白そうだったので購入してみた。

それなのに、なぜにこんな時を経て読み終わったのかと言えば、いうまでもなく本棚の肥やしになっていた。

次々本を買う私の悪い癖(とは思っ

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きりこについて

きりこについて

西加奈子氏著作、「きりこについて」を読了したので、感想を綴っていこうと思う。

この本を知ったきっかけとしては、なんと言っても松村北斗。
彼が読み返す作品の一つに今作を挙げていることを知り、本屋さんで見つけた時に買ってみた。(他にも松村北斗きっかけで買ってみた本がたくさんあるので、のちのち読んで感想文載せていくつもり)

サラバ!とか漁港の肉子ちゃんを読んでいた私は、西加奈子さんと言えば、かなりの

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月の満ち欠け

月の満ち欠け

佐藤正午氏著作、「月の満ち欠け」を読了したので、感想を綴っていこうと思う。

昨年大泉洋氏を主演に映画化された本作は、著者が直木賞を受賞した作品でもある。

映画の上映をきっかけに購入して、だから買ったの去年の12月だったけど、つい先日ようやく読み終わった。

最初に言っておくと、私はこの作品を読むにあたってかなり苦労した。
なかなか一筋縄ではいかない佐藤正午ワールドにまんまと嵌ったからだ。

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学校では教えてくれない自分を休ませる方法

学校では教えてくれない自分を休ませる方法

精神科医・井上祐紀氏著書「学校では教えてくれない自分を休ませる方法」を読了したので、その感想を綴っていこうと思う。

もちろん小説ではない。
これはいわゆる自己啓発本なのかな。

私が井上先生を知ったのは、先日参加した研修会でのこと。
福島にある、福島県立ふくしま医療センターこころの杜の副院長として、ご多忙の身である井上先生は残念ながらリモートでの参加であったけど、その優しくユーモアのある話ぶりと

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silent(ドラマシナリオブック)

silent(ドラマシナリオブック)

生方美久氏初連続ドラマ「silent」のシナリオブックを読了したので、感想を綴っていこうと思う。

silent公式サイト↓

去年Twitter世界トレンド1位にも輝いた大ブレイクドラマ「silent」のシナリオブック。
このドラマのおかげでめめにハマった母のために、このシナリオブックを購入した。

母に負けず劣らず、私もこのドラマにハマったので、脚本がどのように描かれてるのか気にはなっていて、

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母性

母性

湊かなえ氏著作「母性」を読了したので、感想を綴っていこうと思う。

この作品も、U-NEXTのブックコーナーで見つけて購入。
なんなら、「流浪の月」と同じ時に買ったような。

湊かなえ氏が「この作品を書けたら作家を辞めてもいい」と言い放つくらいの傑作はどんな内容なのか。
最初の1ページに進む。

あらすじ

底の見えない完璧さが見せる奇妙

この作品には2人の主人公がいる。
母親である「私」と、娘

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エゴイスト(本ver.)

エゴイスト(本ver.)

高山真氏著「エゴイスト」を読了したので、その感想を綴ろうと思う。

先日この「エゴイスト」を元に制作された映画を観に行ったのだけれど、観賞後真っ先に原作を読みたいと思った。

感想記事↓

映画館近くの書店にはなく、「これでダメならAmazonかなー」と、ダメ元で地元の本屋さんに電話したところ、「現物があります」とのことですぐに購入。

あらすじ

より浮き彫りになる主人公のエゴ

原作を読んでい

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流浪の月(本ver.)

流浪の月(本ver.)

凪良ゆう著の「流浪の月」を読了したので、ここに感想を書いていこうと思う。

私がこの作品に出会ったのはU-NEXTでのブックのコーナー。
あなたにおすすめと表示された幾多の本の中に羅列されていて、ふと目が合った。

表紙の甘いアイスクリームに惹かれたのかもしれない。

何となく見たことある題名だったし、確か映画化もされてたよな、とか思いながら作品の詳細ページに飛ぶ。
あと、数日後に消失してしまうポ

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ただしい人類滅亡計画

ただしい人類滅亡計画

品田遊著「ただしい人類滅亡計画」を読了したのでその感想を綴ろうと思う。

品田遊氏とこの本との出会い

その前に、この品田遊氏について少し触れておこう。

もともと、この著者のことは別の名前の方を先に知っていた。

ダ・ヴィンチ・恐山

それが彼のもう一つの名前

オモコロチャンネルや匿名ラジオなどのYouTube活動を始め、オモコロというWEBメディアでライターとしても活躍してる。

わたしがオ

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名称未設定ファイル

名称未設定ファイル

品田遊著「名称未設定ファイル」を読了したので、その感想を綴ろうと思う。

この作品は、全17篇の短編作品が収録されており、日常でよく見かけたネット社会の意地悪さや、デジタル技術がもたらす奇妙な未来について、作者が思うユーモアを加えながら描かれている。

どの作品も傑作で、故に全ての作品の感想を書いていきたいのだけど、それだと文字数が膨大になってしまい、この記事を出すのがいつになるのか分からなくなっ

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