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【日常生活】さわやかクレイジーな整体師から本当の明るさを教わる


01.腰痛のため整体へ

30代になると体の節々に不調が現れる。

20代のころは都市伝説並みに信じていなかったが、
これは割と本当の話である。

腰がバキバキだ。

こんな時はいつも早めに整体に行くことにしている。
以前になめてかかって悪化して、ぎっくり腰になり痛い目を見たからだ。

いつも通り電話して、予約する。
退職した身なので、予約時間がどこでもよいのは喜ばしい。
無事、今日診てもらえることになった。

02.さわやかクレイジーな整体師

近所なのでラフな格好+クロックスで向かい、予約時間5分前に自動ドアをくぐる。

「しゃっあせー」

野球部みたいな「いらっしゃいませ」が聞こえる。
慣れないなあといつも思うが、技術は確かなので信頼している。

診察券を渡して待っていると、いつもの整体師の彼が笑顔で迎えてくれた。

彼はイケメン20代で常にさわやかな笑顔であるが、とにかく圧がすごい。
そして距離が近い。
なんか純粋そうではあるが、表情に感情が現れず何を考えているかわからない。

私はそんな彼のことを「さわやかクレイジー」と勝手に名付けていた。

正直、自分とは相容れない。

この時まではそう思っていた。

03.整体師の笑顔に励まされる

ベッドに案内され、腰が痛いことを伝えて、体の状態を確認してもらう。
どうやら腿前の筋肉が硬くなっているらしい。

施術に入り、彼から雑談が始まる。

「最近、仕事の調子どうですか。」

何回か来ているので、私が建築士であることを彼は知っている。
隠しても仕方ないので、正直に答える。

「会社退職しました。」

彼の顔がこわばって、神妙な顔になりながら彼が声をかけてくれる。

「なにかあったんですか。」

土足でプライベートに踏み込んでくる彼のクレイジーさは嫌いじゃない。

「まあ色々と、、、」

玉虫色の回答で私が笑ってごまかす。

「僕も子供ができて、これからどうしようか悩んでて、、、お互い頑張りましょう!」

「おぅ、大変そう。」と言いそうになるのを私はぐっとこらえる。

彼が続ける。

「じゃあ今日は、NaKaTさんの腰が良くなるように精一杯頑張って治療しますね!」

屈託のない20代の彼の笑顔に30代のおっさんは励まされ、癒されるのだった。

04.自分の機嫌は自分で取る

私は彼を勘違いしていたのかもしれない。

彼は悩みがあっても表に出さず、仕事に徹していた。

自分の機嫌や感情をコントロールできない私とは違い、
彼は整体のプロとして笑顔を作っているように思われた。

私のさもしい想像を猛省し、「ごめんなさい」と心の中で謝る。
そして自分の機嫌は自分で取っている年下の彼を見直すのだった。

そうして施術が終わり、会計を済ませて再び自動ドアをくぐる。

「お大事にどうぞー。」

相変わらず野球部みたいなその声は、入店の時とは違う明るい励ましの響きで聞こえた。


05.おわりに

最後まで拙い文章を読んで頂きありがとうございます。
30代半ばでキャリアブレイクした建築士の記録を書いています。
読む人が前向きになってもらえるnoteを目指しています。

<#自己紹介>
【自己紹介】会社退職して時間ができたのでnoteを始めます

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【日常生活】退職者、保険証を受け取って、おばちゃんの暖かさに触れる
【日常生活】退職者、喫茶店の小さなやさしさに癒される
【日常生活】休職する時間は自分を取り戻す時間かもしれない

<#仕事Tips>
【仕事】美容師にモラトリアムに浸る暇はないことを教わる
【仕事】退職後のキャリアを決めるために決めたこと
【将来設計】30代の退職祝いをしてこれからのことを考えてみた
【仕事】適応障害で退職して気付いた"信頼"の大切さ

これからもゆるくお付き合い頂けますと幸いです。

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