なぜ[Chat-GPT]は社内活用できないのか①個人用Chat-GPTと企業用Chat-GPT
企業にChat-GPTが導入され始めたのが今年の春頃。半年が経過して、今では、総相当数の企業がChat-GPTを導入しています。
「ウチの社でも使っている」という読者も多いと思います。「でも意外に使えない」「どう使えばいいかわからない」という正直な感想を持つ人もいるかもしれません。
それはあなたのせいではなく、理由があります。
個人用Chat-GPTと企業用Chat-GPT
さて、そもそもの話からはじめます。
Chat-GPTは、大きく分けて2つあります。個人向けと企業向けです。
通常、企業では、OpenAIのChat-GPTではなく、Microsoftの提供するChat-GPTを使います。
この理由は、OpenAI社の提供しているChat-GPTは、入力したデータ(例えば、あなたの会社の機密情報)を、Chat-GPTのさらなる学習用に使われる危険があるためです。
Microsoftは企業向けに、「入力データを学習に使わない」、など、企業にとって必要なセキュリティ対策が施されたサービスを持っています。正確には、「Microsoft Azure OpenAI Service」といいます。
このように、以前は、個人向けにはOpenAIのChat-GPTが、企業向けにはMicrosoft版のChat-GPT、という役割分担になっていました。
しかし、最近、OpenAIも、企業向けのChat-GPTサービスを開始したので、話がややこしくなっています。
Chat-GPTのビジネス利用の現状
現状、この「企業用Chat-GPT」は、かなりの企業で使われ始めていますが、ビジネスでどの程度活用されているのでしょうか。
僕は、企業向けChat-GPTを提供しているMicrosoft社、Chat-GPTを企業に導入支援・教育しているコンサル会社、各社のCIOなど、様々な方面から話を伺いました。
聞いてみると、導入するほぼすべての企業が、同じような状況だといいます。それは、「最初の2か月ぐらいは結構使われたが、その後下火になり、今では、一部の社員しか使っていない状態」です。
最初は、多くの社員がChat-GPTにプロンプトを打ち込んで楽しみます。
「XXについて教えて」、「この文章を要約して」…など。Chat-GPTはそれに答えてくれるので、楽しい、となります。
でも、ある程度使ってみると、「ところで、もっと実務で活用するにはどうすればいいの?」となります。
情報システム部門は頑張るが、やがて使われなくなる
各企業の情報システム部門は、Chat-GPT活用のための講習会を開催し、Chat-GPTに対するプロンプト(命令)入力のコツを教えてたり、入力する文章のひな型を社内に配布して、利用を促しています。
しかし、そんな情報システム部門の努力もむなしく、導入して数カ月たつと、Chat-GPTを使っているのは、ほんの一部の社員のみ、となってしまうのが現状です。
あれだけ騒がれたのに、あんなにすごいのに、なぜ仕事に活用されないのでしょうか?
Chat-GPTを業務に使うのは、実は結構難しいのです。
Chat-GPTを業務に使う難しさー「AI中山」の経験から
僕の経験から、少しだけヒントを記します。
僕は、すでに書いているように、自分の分身AI=「AI中山」を開発して、Chat-GPTを使って仕事をしています。
あえて、面白おかしく体験談を書いてますので、さぞ簡単に作り、使っているのだろうと思われているようです。笑
しかし実は、実務に耐えゆるレベルに「AI中山」を仕立てるのに、実に半年かかりました。
その間、Pythonというプログラム言語で7万行のプログラムを作成しました。これは、企業の簡単な基幹システムの開発ボリュームぐらいあります。
つまりそのくらいのことをしないと、Chat-GPTを使ってスムーズに仕事をするのは難しい。
なぜ難しいのか? 何が難しいのか? その解決策は?
次回から、それについて述べていきます。
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