【アイデア】AIで,家紋ならぬ[自分紋]
突然ですが、自分とはどんな存在なのだろう?と思ったことはありませんか? 僕はあります。
「AI中山」は「僕そのもの」となる
というのも、僕はこの1年ほど、自分の分身であり、自分の仕事を分担してこなしてくれる「AI中山」を作ってきました。
「AI中山」に、僕に関すること、例えば、ZOOMでの会議で話したこと、こうして書いているnoteの記事、Xでの発言、Facebookの自分のタイムライン、など、自分に関することを日々学習させています。
こうした情報の蓄積で「AI中山」は僕に近づいているわけですが、このまま作業を続けると、どうなるなるのだろう?と。
つまり「AI中山」に僕のことを学習させ続けて、かつ、AIが今後進歩していくと、「AI中山」は僕そのものの「思考体系」を持ち、「AI中山」は「僕そのもの」となるのではないか、と思うのです。
「AI中山」は僕の死後も存在
究極的には、僕がこの世からいなくなっても「AI中山」は存続します。
「AI中山」が稼働してさえいれば、僕は誰とも永遠に「会話」できるし、会話を通じて、その先の人生と共に成長し、デジタルとしての人生を続けていけるのではないか、とさえ思います。
こうした話、SFやアニメでお馴染みですが、生成系AIが急速に発展していく中、現実味を帯び始めていると思います。
形あるモノとして遺すには
そして「AI中山」を、どういう形にして残せばいいのだろう?と。
形って何? ですが、「AI中山」は今はコンピュータ上のシステムとして存在しています。つまりプログラム+データです。
でも、これって、僕というアイデンティテイを表現するのには捉えにくいので、何か「形あるモノ」にできないかな、と思っていました。
家紋との出会い
先日、家紋のアートデザインをされている「家紋 京源」の波戸場さんとお会いしました。
家紋の起源は平安時代
家紋は、日本独自の文化であり、その起源は平安時代に遡ります。
当初は貴族や武士が自身の身分権力を象徴するために使用されました。
江戸時代に入ると、商人や農民などにも広まり、家紋が家族のアイデンティティを示す重要な要素となり、結婚式や葬儀などでも使用されるようになりました。
家紋には様々な種類があり、自然界の植物や動物、抽象的な幾何学模様などが用いられていて、その家の歴史や価値観を反映しています。
5万以上の家紋が存在
家紋は5万以上存在しています。そして「家紋帳」というものが存在し、そこには家紋のデザインが、その意味するところの説明文と共に整理保存されています。
これは、日本文化の重要な一部として尊重されてもいます。
「家紋 京源」さんは、日本古来の家紋をベースにアートデザインを作成されています。
その作品は、あのフェラーリのローマのロゴデザインに使われたりもしています。
「AIで家紋を作れるのでは」
お話しをする中で、あることを思いつきました。僕が自分自身の「AI中山」を、何か「形あるモノ」にできないかなと考えていたことと、急に結びついたのです。
「家紋 京源」さんは、新しい家紋をオーダーメードで作成されてもいます。その際には、発注者のお名前だけでなく、お住まいのこと、ライフスタイル、趣味、人生などを質問するといいます。それによって、意味ある家紋をモチーフに、斬新なデザインを生み出されているのです。
僕はそれを伺ったときに、「これってAIでもできるな」と思ったのです。
「AIで家紋を作る」のアイデア
つまりこうです。
このようにすれば、理論的には、5万件の家紋データを元に、その方に合った家紋を作り出すことができます。
作り出した家紋には、家紋オリジナルの意味性が組み込まれていて、論拠に沿った新しい「家紋」ができます。
もちろん、デザイン手法にはいろいろなやり方があるので、そこは知恵を振り絞って、システム化しなければなりません。しかし、そこさえクリアできれば、今の生成系AI技術でも、理論上はできます。
これができれば、もっと簡単に「家紋」が作れるようになり、ひいては日本の家紋文化を世界に広げることができるかもしれない…。
そんな話を波戸場さんとして、盛り上がりました。
自分自身を表す「自紋」への拡張
それだけではありません。それを超えて、さらに世界が広がります。
それは、例えば僕が、「AI中山」を「形あるモノ」として遺すというように、自分自身を表す方法としても使えるはずです。
家でなく、個人を象徴する「自紋」
今は、ほぼすべての人が、履歴書、メール、SNSによるライフログといった、その方の人生や考えを表現したテキストがあります。
それをデータ化しておけば、将来、「家」でなく「自分自身」を表す紋章としての「自紋」を作ることは可能になります。
QRコードのような「自紋」へ進化
さらには、「自紋」をただの画像データではなく、透かし技術を用いて、QRコードのような、その画像を作る元になったデータを保管し、取り出すことができるようにすることも可能です。
つまり、その「自紋」の画像を読み込むだけで、その人のことが理解できるようになります。
自分の意思で「自紋」を作り遺す
日本人の多くは、死後、仏教による「戒名」を付けてもらうことが多いと思います。
それを待たずしても、日本古来の家紋の意味を引く形で作られた「自紋」を生前に、自分の意思で作る。
その画像をスマホで読み込むと、その人の人生の要約をChat-GPTがしてくれて、詳細の情報もいつでも取り出せる。
その人の生前は、随時情報更新され、死後は情報更新されない、というその違いだけです。
これって、すごいことだと思いませんか?
AIには無限の可能性がある
「AI中山」を作ることによって、僕には色々な発見がありました。
それは、単にAIに仕事をさせることだけではありません。また「AIを使って何ができるか」と考えるだけでもありません。
AI技術で社会の概念を変革できないか、や、今回の記事のような、自分自身のAI化とは何かを考える時間が持てました。
そういう時間を費やしたゆえ、家紋のお話を伺ったときに家紋とAI、ひいては自分自身を家紋をベースに画像化して、味気ない数字データではなく、「自紋」画像のように、意味ある「形」あるものに変えていく、という発想に行きつきました。
人間は、AIデジタル化の中で永遠化
いつか、そうしたことに取組むことで、日本の伝承文化が保全でき、そのすばらしさを、日本や世界に伝えることができ、また自分自身が、自分の象徴としての画像「自紋」と通じて、未来永劫残すことができる……。
そんな夢みたいなことが、生成系AIの発展と共に、現実になると思います。人間は、AIデジタル化の中で永遠化することでしょう。
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