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300円雑記【水のような言葉】

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#子育て

息子よ、ホウキで空を飛べ【エッセイ】

息子よ、ホウキで空を飛べ【エッセイ】

幼いこどもがそのちっちゃな背中を丸めてうなだれている姿、それは人の心を締めつける。それが自分の息子となればなおさらのことなのだが、その傷心の理由は実に様々である。

この日、彼はホウキにまたがり空を飛ぶ練習に取り組んでいたのだが、やがてホウキなんかで空は飛べないことに気付いてしまい、地べたに座り込んでしまった。ご覧の有様である。

ついには傍にあったアスファルトの粒を指につまみ、投げるでもなくその

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青い水筒と階段【エッセイ】

青い水筒と階段【エッセイ】

ウチの娘は絵を描くのが大好き。そしてその絵はいつも素直でストレート。娘は目に映ったそのままの世界を懸命に表現する。安物の色ペンでホワイトボードに描かれた絵は一見画質は粗くても実に緻密な作りになっている。

粗いのに緻密。

これをどう伝えたら良いだろうか。
無理やり喩えるなら昔のビデオゲームのドット絵のは様な世界がそこに存在するのである。

粗い粒の一つ一つに意味がある。
まるで生きているのである

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視力検査が理解できない3歳半の子供の為に動画をつくったんだ

視力検査が理解できない3歳半の子供の為に動画をつくったんだ

ウチのかわいい息子の話なんですが言葉の発達がちょっと遅くてですね、三歳半の検診で視力検査に引っ掛かってしまいました。

言葉が視力に何の関係あるのかと訝しむ方もいらっしゃるかと思うんですが、それがですね、目が見えている見えていない以前に視力検査の内容があまり理解できていないんですね。右も左も多分よく分かっていないし、あのCの文字(ランドルト環)を見せて、『開いている向きはどっち?』と聞いてもいまい

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そこに太陽が二つあったから【エッセイ】

そこに太陽が二つあったから【エッセイ】

幼稚園児たちの絵画展がいま開催されている。実はそこに娘の絵が飾られてるということなので一時間ほどの距離にある文化会館まで車を走らせた。

ドライブ中、娘の顔は少し誇らしげだった。
何せ自分の絵が選ばれたのである。5歳半の女の子とはいえ意気揚々にもなる。

ばあちゃんを含め、家族でぞろぞろと会場入りする。3歳半の息子も一緒だ。
毎年のことだが沢山の絵が飾られていて、こどもの作品とはいえ圧倒される。県

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絵本を閉じた息子と発達相談【エッセイ】

絵本を閉じた息子と発達相談【エッセイ】

言葉の発達が遅いかもしれない。妻からそう心配されることの多い3歳半の息子。実は絵本が大好きである。よく床の上でペタンと座り絵本のページをぺらぺらとめくって笑っている。その姿はとても楽しそうだ。

でも彼はほとんど喋らない。いや絵本を見ながらその中のセリフっぽいことを口に出すことはあるのだが、言葉のキャッチボールがどうも上手くできない。
全く出来ないというわけではないのだが、そのリアクションの回数が

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スンスン、、と涙の声が聴こえる【日記】

スンスン、、と涙の声が聴こえる【日記】

寒いね。部屋の中でも厚着しないと凍えちゃうんじゃないかと思うほど寒い。

そんな朝でも3歳半の息子は元気だ。オムツを脱いだ姿で仁王立ちしていたりする。寒くないのかな?後ろから見るとお尻は丸出しだし、前から見るともちろんもろちんである。

詳しくは説明しないが『もろちん』とはちんちんが丸見えということである。そんな姿はみっともないので教育しなければならない。
「ちんちんが見えてるからパンツをはきなさ

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5歳の娘が漫画を描いた【日記】

5歳の娘が漫画を描いた【日記】

純粋さはとっても単純であわや真理に近しい存在だとあらためて思い知らされた。

ホワイトボードに日々描かれる娘のイラスト。彼女は5歳になるが、昨晩はストーリーを付けてお話してくれた。おぼつかないながらもそれは立派な人生譚だった。
ちょっと紹介しようと思う。

◇◇◇

私が生まれる前にパパとママが結婚した。

一緒に暮らして、、

私が産まれた。きっとこんな感じで抱かれてたんだ。

今は幼稚園だけど

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その天国にお友達はいるかい?【日記】

その天国にお友達はいるかい?【日記】

昨晩のこと、5歳の娘が突然「天国に行きたいなぁ」と言った。こちらはもちろん驚いたが娘がどういった意味合いで発したのかは分からない。
幼稚園で知ったのか、絵本で知ったのかもわからない。

天国は死を連想させる言葉である。
小さな身体から発せられたその幼い声はあまりにも現実味を帯びなかった。

縁起でもないからやめなさいと言おうとしたが、なぜかその言葉は口をついて出てこなかった。理由はわからないが、娘

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時計の読み方をこどもに教える方法

時計の読み方をこどもに教える方法

「なんで3のとこに針があるのに15分なの?」
こどもにこう質問されてどう答えようかと悩む大人は多いんじゃないかな?
我が家もそうだ。五歳の娘の質問はいつだって純粋でまっすぐ。

だから何とかして答えてあげたい。親心である。

アナログ式のチクタク動く時計。
限られたスペースに時針・分針・秒針の三つの針がある。それどころか1から12までの数字までふってある。でも1から60までの数字は描かれていない。

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子供だましに引っかかるのは子供ではなく大人である

子供だましに引っかかるのは子供ではなく大人である

なんだか理屈はよくわからないのだが子供たちはなんとなく本質的なところを突いてくる。
こちらが手を抜いたら一発で見抜いてくるのである。

大人が本気かどうかをつぶさに見ているのかもしれないとも思う。

先日5歳の娘が私達の絵を描いてくれた。
私だけたくさん汗をかいている。

今までは眼鏡をかけている姿しか描かなかった。
でも今回の絵には眼鏡ではなく汗が描かれている。
心当たりはある。

先日ドールハ

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