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医療情報

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2020年11月の記事一覧

生体弁AF患者にリバーロキサバン非劣勢

生体弁AF患者にリバーロキサバン非劣勢

非弁膜症性心房細動に対するDOACはコンセンサスが得られています。

人工弁患者にもDOACを使えれば良いですよね。

この研究では生体僧帽弁置換術後の心房細動患者に対するリバーロキサバンによる抗凝固療法の有効性、安全性が評価されました。

方法18歳以上の僧帽弁置換術後で心房細動または心房粗動を有し、抗凝固療法を受けている患者を対象としました。

リバーロキサバン(20 mg 1 日 1 回)群

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MRI非対応心臓デバイスのMRI検査

MRI非対応心臓デバイスのMRI検査

アメリカではペースメーカーや植込み型除細動器などの植込み型心臓デバイスを使用している患者が200万人を超えています。

MRI検査は診断や治療方針の決定に重要な検査となっていますが、強力な磁場を用いた検査であるため、植込み型心臓デバイスの過剰な熱の発生やデバイスの不具合が懸念されていました。

そのためMRI対応の心臓デバイスが発売され、現在は多く使用されるようになっています。

この研究ではMR

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高齢者の脂質低下療法

高齢者の脂質低下療法

高齢者におけるLDLコレステロール低下治療の臨床的有用性については、依然として議論されています。

この研究では高齢者におけるLDLコレステロール低下治療のエビデンスをまとめることを目的としました。

 

方法このシステマティックレビューおよびメタアナリシスでは、2015年3月1日から2020年8月14日までの間に発表された論文をMEDLINEおよびEmbaseで検索しました。

2018年米国

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飲酒は心房細動のリスク

飲酒は心房細動のリスク

心房細動は読売ジャイアンツの長嶋監督や、サッカー日本代表監督のオシム監督も罹患され、脳梗塞や心不全などのリスクがある疾患です。

アルコール過剰摂取は心房細動リスクの増加と関連していることが以前の研究で示されています。

しかし軽度から中等度のアルコール摂取と心房細動の関係を示した研究は少ないです。

この研究では、アルコール摂取と心房細動との関連を調査した研究のメタアナリシスを実施し、軽度から中

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FFR-CTによる無症候性DM患者の冠動脈虚血評価

FFR-CTによる無症候性DM患者の冠動脈虚血評価

この研究では2型糖尿病と新規診断を受けてから1年未満の無症候性患者において、冠動脈CT(CTA)を用いたFFR-CTで、冠動脈疾患の発生を判定しました。

血管径 ≧1.8mmの冠動脈において最小遠位FFR-CT値(d-FFRCT)を測定しました。

FFR-CTで有意な生理的狭窄と判断する閾値は d-FFRCT ≦0.75とされました。

プラーク総量(TPV)と石灰化プラーク(CP)、非石灰化

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FFR vs OCT

FFR vs OCT

この研究では、血管造影で中間的な冠動脈病変(AICL: angiographically intermediate coronary lesions)を有する患者を対象に、OCTガイドとFFRガイドでの治療を比較しました。



方法AICLを有する患者をFFR群とOCT群に無作為に割り付けました。
FFR群ではFFRが0.80以下の場合にPCIを実施しました。
OCT群では、狭窄率が75%以上

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新型コロナへのレムデシビルの効果

新型コロナへのレムデシビルの効果

Covid-19の治療のためにいくつかの治療薬が評価されていますが、有効性が示されている抗ウイルス薬はまだありません。

この研究ではCovid-19 で入院し、下気道感染を認めた成人を対象に、レムデシビル静注の二重盲検無作為化プラセボ試験を実施しました。

対象者は、レムデシビル(1日目200mgローディング用量を投与し、その後100mgを1日1回、最大9日間投与)またはプラセボを10日間投与す

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SGLT2阻害薬の下肢切断65歳以上の心血管疾患患者でリスク

SGLT2阻害薬の下肢切断65歳以上の心血管疾患患者でリスク

SGLT2阻害薬は、血漿中のグルコースが近位尿細管で再吸収されるのを阻害し、グルコース排泄することで血漿中のグルコースを減少させます。

しかし、SGLT2阻害薬は下肢切断や糖尿病性ケトアシドーシス、尿路感染症などの重要な有害事象のリスクの増加に関連することが指摘されています。

これまでの観察研究でカナグリフロジンによる下肢切断率の上昇は認められませんでした。

年齢と心血管疾患は成人糖尿病患者

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SGLT2阻害薬はDPP-4阻害薬よりMACE低下

SGLT2阻害薬はDPP-4阻害薬よりMACE低下

これまでSGLT2阻害剤は、2型糖尿病と心血管疾患がある患者で主要心血管イベント(MACE)の発生率を低下させることが示されています。

この研究では、2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬とDPP-4阻害薬の比較により、MACE、その構成要素、全死因死亡、心不全のリスクを比較しました。

SGLT2阻害薬の新規使用者209,867人とDPP-4阻害薬の新規使用者209,867人を傾向スコアでマッ

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高齢者への低用量エドキサバンの有効性

高齢者への低用量エドキサバンの有効性

低用量のエドキサバンは出血イベントを著明に増悪せず塞栓症を有意に抑制した

超高齢者の心房細動患者における脳卒中予防のための適切な経口抗凝固薬治療の実施は、出血の懸念から困難であると考えられるケースがあります。

標準用量の経口抗凝固薬投与が適切でないと考えられる、非弁膜症性心房細動の日本人超高齢患者において、1日15mgのエドキサバンは、脳卒中または全身性塞栓症の予防効果がプラセボより優れていま

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AFの早期リズムコントロール心血管合併症減少

AFの早期リズムコントロール心血管合併症減少

心房細動への早期のリズムコントロールで心血管合併症リスク減少

心房細動の管理が改善されてきていますが、心血管合併症のリスクは依然として高いです。

早期のリズムコントロールでこのリスクを軽減できるかどうかは不明です。

国際共同研究で、初期の心房細動(登録の1年前までに診断)と心血管系疾患を有する患者を対象に、早期のリズムコントロールと通常治療のどちらかに無作為に割り付けました。

早期リズムコ

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