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FFR-CTによる無症候性DM患者の冠動脈虚血評価

この研究では2型糖尿病と新規診断を受けてから1年未満の無症候性患者において、冠動脈CT(CTA)を用いたFFR-CTで、冠動脈疾患の発生を判定しました。

血管径 ≧1.8mmの冠動脈において最小遠位FFR-CT値(d-FFRCT)を測定しました。

FFR-CTで有意な生理的狭窄と判断する閾値は d-FFRCT ≦0.75とされました。

プラーク総量(TPV)と石灰化プラーク(CP)、非石灰化プラーク(NCP)、低密度非石灰化プラーク(LD-NCP)の体積を評価しました。

 

結果

全76例、平均年齢 56歳、男性 49人(65%)を対象としました。

患者の57%にプラークが認められました。

d-FFRCTは12人(16%)の患者で≦0.75でした。

d-FFRCTの中央値(IQR)は0.84(0.79~0.87)でした。

d-FFRCT ≦0.75の患者におけるd-FFRCTの中央値は0.70(0.6~0.74)でした。

下記のようにd-FFRCT≦0.75 vs d-FFRCT>0.75の患者では、LD-NCPでのみ有意でしたが、すべてのプラーク成分でプラーク体積は高値でした。

d-FFRCT ≦0.75 vs >0.75
plaque volume (mm3)
・NCP 239.8 vs 3.3, p=0.055
・LD-NCP 36.0 vs 0.2, p=0.038
・CP 17.3 vs 0.6, p=0.162
・TPV 323.1 vs 6.1, p=0.057 

 

まとめ

2型糖尿病の新規診断を受けた無症候性の患者の6人に1人は、FFR-CTの評価で血行動態的に有意な冠動脈疾患を有していました。

FFR-CTにより血流障害を判定された病変では高いplaque volumeと関連していました。

Coronary flow impairment in asymptomatic patients with early stage type-2 diabetes: Detection by FFR CT. 


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