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選ばれるクラシック音楽演奏家になるためのセルフマーケティング講座第5回「②あなたの演奏価値を欲しているのはどんな人か?」ペルソナ設定で考えてみよう。

こんばんは。名古屋クラシック音楽堂(@nagoyaclassicca)です。新しく始めた連載シリーズ「選ばれるクラシック音楽家になるためのセルフマーケティング講座」の第5回目です。前回までにこんなことを書きました。

第0回:クラシック音楽の演奏家は、数百年前の音楽を現代に伝えるインフルエンサーでありアンバサダーだと思う。
第1回:ブランディングとは?マーケティングとは?PRとは?広告とは?
第2回:ブランディングの前にマーケティングをすべき理由
第3回:セルフマーケティングを始めるための3つのステップ
第4回:①あなたの演奏はどんな価値を持つのか?

そして今回第5回のテーマは、「②あなたの演奏価値を欲しているのはどんな人か?」考えてみよう。今回はペルソナ設定という手法についてご紹介します。

前回、次回とあわせて第3回の「セルフマーケティングを始めるための3つのステップ」のそれぞれのステップを掘り下げて実際に行動できるレベルでマーケティングスキルをご紹介していきたいと思います。

前回記事の復習「あなたの演奏価値を欲しているのはどんな人か?」

前回の記事で、この2個目のステップについて以下のように書きました。

そして、第2のステップ。あなたがご自分の演奏活動の価値を考えたところで、今度はその価値をどんなお客様に受け取っていただくか考えてみましょう。あなたの演奏活動の価値を受け取り、対価を払ってご来場くださるようなお客様像をペルソナといいます。

マーケティングだと、よく「ターゲット層」という言葉を聞きますか?例えば「独身の20~30代女性」「シニア世代の男性」というような超ザックリした顧客設定は、現代のマーケティング業界ではよほどのことがない限りされていないと思いますが…。

ペルソナはもっと突っ込んだお客様像を設定します。例えば、以下のような項目に沿って、自分がお迎えしたいお客様が、どんな人物で、どんな生活をしているか。またどんな時に幸福感や満足感を得ているかをヴァーチャルに設定します。

・名前(仮名を付けます)
・年齢
・性別
・在住地
・家族構成
・趣味
・買い物する場所(スーパー名や、ECサイト名 etc...)
・普段接している情報源(雑誌名、ウェブサイト名、使用しているSNSetc...)
・どんな価値基準に沿って行動するか

この作業は結構最初は難しいですが、まるで身近に実際に存在する友達くらいの解像度でこのペルソナ設定をすると、例えば何かの判断で迷った時に、このペルソナ像に設定した人物(ヴァーチャルですが…)ならどちらがいいかという判断基準を得ることができ、マーケティング的にもブレが少なくなります。

お客様とは?お金を払って演奏会に来てくれれば誰でもいいのか?

この質問について演奏家であるあなたはどう思いますか?

例えば、自分が主催なり、出演する演奏会。当然開催するからには満席になりお客様で客席が埋まるのが理想です。(もちろんコロナ禍ではキャパの50%くらいでしょうが…)

では、どんなお客様で満席にしたいですか?チケットノルマで無理やり買ってくれた「お付き合いで来たお客様」でしょうか?

それとも、あなたの演奏を心待ちにしていて、開催情報の告知と共に自発的にチケットを購入してくれたお客様でしょうか?

きっと後者でしょう?

では、あなたの演奏を心待ちにしてくださっているお客様とはどんな方でしょうか?そのお客様はなぜ、あなたの演奏を心待ちにしてくださっていたのでしょうか?

あなたが持つ価値や演奏がお客様に刺さるからこそ、ファン形成ができる

その答えのヒントは、前回の記事①あなたの演奏はどんな価値を持つのか?にあります。

この記事の中で紹介した「自分にとってクラシック音楽における○○(強み)は何かを知る」というステップでの14個の質問に対するあなたの答えを改めて読み返してみてください。

この質問に対する答えが、例えばあなたの普段のSNSやブログでの発信や、メディアなどのインタビューで世の中にアウトプットされることは、演奏家としてのあなたをお客様が知るきっかけにもなります。そして演奏家としてのあなたにお客様が愛着や共感を持つきっかけにもなります。

もちろんあなたが演奏している姿、以前の演奏会やYoutube動画などで見てファンになる方もいるでしょう。

「あなたの演奏価値を欲しているのはどんな人か?」を知る方法~ペルソナ設定をしてみよう

いよいよ最終段階です。「あなたの演奏価値を欲しているのはどんな人か?」を知る方法です。

前回の記事の中でも紹介しましたが、ペルソナ設定とは「あなたの演奏活動の価値を受け取り、対価を払ってご来場くださるような理想的なお客様像」をあらかじめ設定することです。

繰り返しになりますが、絶対に「20代独身女性で普段あまりクラシック音楽を聴かない層」とか「団塊世代のクラシック音楽好き」とか曖昧な設定をしないこと。

今回のワークショップとして、あなたにとっての理想的なお客様像を想像しながら以下の項目を埋めてみてください。そして、埋める際に気を付けることは、ここで設定するペルソナとは、「仮想ではあっても、実際に存在しうる、ひとりの人間」であるということです。その人のライフスタイルを想像して徐々に解像度を上げていってください。

そして設定する理想的なお客様が見ているあなたは、必ずしも現状のままのあなたではないかもしれません。あなたが理想としているあなたも併せて想像しながら作業してみて下さい。

・名前(仮名を付けます)
・年齢
・性別
・在住地
・家族構成
・趣味
・買い物する場所(スーパー名や、ECサイト名 etc...)
・普段接している情報源(雑誌名、ウェブサイト名、使用しているSNSetc...)
・どんな価値基準に沿って行動するか
・どんな媒体で演奏会情報を得ているか
・好きな作曲家や曲はなにか?
・普段クラシック音楽を何で聴いているか(CD?サブスク?YouTube?etc)
・どのぐらいの頻度で演奏会に出かけているか
・好きな演奏家はいるか?
・あなたのことを知ったきっかけは?
・あなたの演奏を聴いたことはあるか?
・あなたの普段のアウトプットで何を気に入っているか?
・なぜあなたのファンになってくれたんでしょう?

設定したペルソナ像の活用方法

今回のワークショップで設定したペルソナ像の要素リストは、1枚の紙などにまとめて常に見返せる状態にしておいてください。

PDF保存して、スマホで観れる状態にしておくのもおすすめです。

そして、演奏会を一緒に運営してくれる仲間や、宣材写真を撮ってくれるカメラマン、演奏会チラシをデザインしてくれるデザイナーなどにも、前回の「自分にとってクラシック音楽における○○(強み)は何かを知る」というステップでの14個の質問の答えと共にシェアして、演奏会の準備をしてみてください。

きっとあなたが開きたい演奏会や、あなたの目指す姿、ターゲットとするお客様像などをよりリアルに感じて、理想的な演奏会の開催に向けて、協力してくれるでしょう。

そして、何かの選択に迷った時には、設定したペルソナ像のプロフィールを読み返して、「この人がお客様として来て下さるにはどちらを選択したほうがいいだろう?」というように理想的なペルソナ像から逆算して方針を決定していくことはとても合理的です。

さいごに

いかがでしたか?ペルソナ設定についてご理解いただけましたでしょうか?

本日はここまで!今日の記事で何か質問があれば、名古屋クラシック音楽堂のTwitterのDMまでお気軽にお問い合わせください。皆様からの質問やリクエストに応じて、さらに深堀りした記事を今後書いていこうと思います。

また「選ばれるクラシック音楽家になるためのセルフマーケティング講座」は、最初から順番に読んでいくとあなたのマーケティング知識が少しずつ確実に獲得できるように設計されていますので、ぜひ第0回からお読みください♪

第0回:クラシック音楽の演奏家は、数百年前の音楽を現代に伝えるインフルエンサーでありアンバサダーだと思う。
第1回:ブランディングとは?マーケティングとは?PRとは?広告とは?
第2回:ブランディングの前にマーケティングをすべき理由
第3回:セルフマーケティングを始めるための3つのステップ
第4回:①あなたの演奏はどんな価値を持つのか?

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