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選ばれるクラシック音楽家になるためのセルフマーケティング講座 第1回【ブランディングとは?マーケティングとは?PRとは?広告とは?】

こんばんは。名古屋クラシック音楽堂(@nagoyaclassicca)です。ついに始まりました!名古屋クラシック音楽堂による「選ばれるクラシック音楽家になるためのセルフマーケティング講座」

この講座は、先月Twitterで実施したアンケートで予想外に票を集めた「演奏家・音楽家のための集客&マーケティング術」に対する投票を受けて開設いたしました。

そして、先日このマーケティング術の第1回目の記事「クラシック音楽の演奏家は、数百年前の音楽を現代に伝えるインフルエンサーでありアンバサダーだと思う。」をnoteで書かせていただきました。

この記事は予想以上の反響をいただきました。それで、本格的に「演奏家・音楽家のための集客&マーケティング術」のnote記事を書こうと思い、どんな内容がクラシック音楽の演奏家の皆さんに役立つ連載になるのか改めて考えてみました。

最初は広告業界で一般的なマーケティング入門のようなテクニックやフレームワークをご紹介するつもりでしたが、よくよく考えると演奏家・音楽家の方に「マーケティングをお勉強していただく」ことが目的ではないんです。

「選ばれるクラシック音楽家になるためのセルフマーケティング講座」のビジョン

この講座名を決めるのにも悩みました。候補として以下のようなものも考えましたが、いまいちピンときませんでした。

・稼げるクラシック音楽家になるためのマーケティング術
・記憶に残るクラシック音楽家になるためのブランディング術
・集客できるクラシック音楽家になるためのセルフブランディング術

最終的に、手元にある大量のクラシック音楽コンサートのチラシを見てて思いついたんです。

「なぜ、こんなにたくさんのチラシの中から自分はあのコンサートを選んで行ったのか」

これを演奏家の皆様の立場から俯瞰してみると、

「なぜ、今日のコンサートに来てくださったお客様は、大量のコンサートから自分のコンサートを選んでくれたんだろう」となります。

つまり、そのお客様はなんらかのプロセスを経て、あなたのコンサートを選んで、スケジュールを空け、予約し、決済し、当日コンサートを楽しんだことになります。

なので「選んでばれる」という視点を重要なテーマに据えました。

必要なのは、広告? PR? ブランディング?マーケティング?

さて、例えば自分のコンサートを企画して、集客しなきゃ!ってなる場面は、演奏家なら誰しも経験することだと思います。

音楽事務所に所属してる方なら、事務所がほとんどのプロセスを代替してくれると思いますが自主企画だとやること多すぎますよね…

・コンサート会場の予約→日時決定
・キャパや会場コストからのチケット代決定
・プログラム選定
・チラシ・ポスター・チケット作成
・当日スタッフの手配
・集客・集客・集客!!
・SNSでフォロワー増やして拡散
・共演者やスタッフとの打ち合わせ・リハーサル
・演奏の練習、当日のMCの原稿

たぶん、初めて経験する自主企画コンサートはやることが多すぎてめげそうです。集客に関していえば、チラシやポスターを頑張って作って配ったらOK♪とはさすがに思わないかもしれませんが、チケットが売れるかどうか、当日お客様が来てくれるか不安ですよね。

そこで、今日は集客に必要なキーワードとして、混同しやすい「広告」「PR」「マーケティング」「ブランディング」について紹介したいと思います。それぞれの項目には業界でスペシャリストがいて、様々な手法やテクニック・ノウハウがあるので今日はごくごく簡単にご紹介します。

広告とは?

集客しなきゃって思ったときに、大きな広告費を持たない限り、新聞広告やネット広告は打たないと思いますが、まず思い浮かぶのが「チラシを作って配る」だと思います。通常ルートだと、知り合いに直接配ったり、関係する演奏団体の演奏会のチラシに挟み込みとか、地域のフリーペーパーに広告枠を買ったり、チラシの挟み込みを依頼したり。

PRとは?

PRってPublic Relationsの略で、超ざっくり言うとお金を使わず告知する方法です。ざっくり過ぎて語弊があるのは承知ですが、例えば、プレスリリースを打って、新聞記事に取り上げてもらったり、音楽専門誌やウェブメディアから取材を受けたり。広告と違ってお金はかかりませんが、取り上げてもらうにはやるべきことや知っておくべきテクニックも多いですし、必ず取材されるとも限りません。

マーケティングとは?

この言葉を一言で説明するのは超難しいんですが、またまた語弊を招くのを覚悟して、超ざっくり言うと「①お客様が必要とする商品・サービスを作り、②その情報を確実に届け、③価値を実感して満足いただく」プロセスと言えます。

お客様が望まないコンサートはそもそも企画しても意味ないし、「このコンサートいきたい!」と思うお客様に開催情報が届かなければ意味ないし、コンサートに来て下さったお客様が「来てよかった」と思わなければ意味がない。

結構シビアな世界です。こういうプロセスを逆算して組み立てていくのがマーケティングという手法で、これさえ押さえればOK!みたいな単純な話でもありません。

ブランディングとは?

ブランディングというのは、「○○といえば、あの人!あの商品!あのブランド!」みたいなお客様の連想を生んでもらうための信用貯蓄です。

「コーヒー飲むならスタバだよね」「本当のコーヒー好きならブルーボトルコーヒーでしょ!」「試験勉強するならコメダ珈琲が一番集中できる」「100円のセブンのコーヒーがコスパ最高」とか。同じコーヒーを選ぶのでもお客様は様々な理由でブランド選択をします。

クラシック音楽界隈で言えば、「ベートーヴェンならあの指揮者でしょ!」とか「あの協奏曲のヴァイオリニストならあの人が好き♪」とか「あの演奏家のリサイタルっていつもMCが面白くて通っちゃう」とか

もちろんブランドは自然形成されるものではなく、その人なり会社なりが「自分はこういう存在でありたい」と考えてすべての行動に反映させる高等手段です。

そう、この連載のテーマ「選ばれる演奏家」になるためには、ご自分のブランドづくり、すなわちセルフブランディングが必要になってきます。

まとめ:なぜセルフマーケティングなのか?

実はマーケティングとブランディングは、非常に近しい関係です。どちらか一方だけでは成立しないし、どちらかに集約できるものでもありません。

一つ言えることは、「自分がどうありたいか」というブランディングがしっかりできないと、「いかに適切に届けるか」というマーケティングは成立しないということです。最終目的は「選ばれる演奏家」ですのでブランディングだけでも成立しません。

というわけで、「セルフブランディングを基盤とした個人でも行えるマーケティング」をテーマに選びました。

次回からは、「選ばれる演奏家」になるために必要なセルフマーケティングの具体的な順番にご紹介していきたいと思います。

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