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小説「転生彼女の付き合い方」
【あらすじ】
凰寺信永(おうじのぶなが)はなるべく平穏無事な人生を歩みたいと願う高校生だ。
その彼の前にある日、謎の光の球が現れ、そこから金髪の女性が全裸で落ちてくる。彼女は彼を見て「やっと会えた……マイロード」という謎の言葉を残し、意識を失った。
仕方なく彼女を家に連れて帰り介抱する信永だったが、謎の女に襲われる。
転生とは? 異世界とは? 平穏無事が取り得だった彼の日常が様々な危機に侵される。やがて信永は自身に隠された秘密を知るのだが。
ボーイ・ミーツ・ガール異世界転生現代ファンタジーが、ここにある。
【備考】
・本作は第28回スニーカー小説大賞応募作品です。
・コンテスト期間終了後、非公開になる場合があります。
【作品データ】
総文字数:約10万字
公開日:2022.9.30
更新日:2022.10.1
【リンク】
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【作品冒頭】
人生で一度くらいなら、曲がり角で走ってきたセーラー服の少女とぶつかり、運命の出会いというものをしても構わない。
そんな風に考えていたことを俺が後悔したのは、実に六月四日という雨の降る土曜の朝のことだった。
眼鏡を掛け、まだ眠気の残る目を何度か瞬かせながら路地を歩いていた。朝から小雨がぱらついていて、一応折り畳み式の傘を鞄に突っ込んで家を出てきたのだけれど、もう少し雨勢が強まらないと傘の出番にはしてやりたくないな、という気持ちで、一週間ほど前にカットしてもらった髪に当たる雨粒を気にしながらの、登校だった。
俺は路地を曲がりたくて曲がった訳じゃないし、寧ろ高校の校門は歩いていた通路をまっすぐ五百メートルほど進んだところの大通りを渡った先にある。曲がる道理はどこにもない。そのはずだった。
けれど俺は思わずそれを見てしまった。
――光。
狭い路地の奥で、ちょうど一メートルほどの高さだろうか。そこに光の球体が眩しさと共に浮かんでいた。
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