なぜ副業専用アカウントでnoteをやっているのか
プロフィール文
副業として、本業の会社の許可を取り、通訳、翻訳、多拠点居住アドバイザー、グルメ研究のお仕事をしています。 マレーシアのMM2H、エストニアのe-Residency保持者。国連英検B級、仏検3級、中検4級、インドネシア語検定D級。ウェブ解析士。GAIQ、Google広告(検索広告)認定資格取得。
1.「多拠点居住」の模索とマレーシアのMM2H
以前から、「多拠点居住」という生き方を模索していました。
最近、とかく日本はぎすぎすしているように感じます。ちょっとした発言がネットで炎上するし、地下鉄に乗っていたりプラットフォームを歩いたりしているだけでも、無言でこちらを押しのけてきたりわざわざぶつかってきたりする人がいるし。
株価のわりには生活が豊かになった実感はないし、経済格差は広まっているように感じます。子育てに苦労している20、30代は多いし、「君たちの世代は、70歳まで働け」というような声もどこからか聞こえてきて、本当に年金が受け取れる日が来るのだろうか、と思うこともあります。
そんな中で思ったのは、「もう少し、精神的にゆとりを持って生きていける国があるのであれば、日本にこだわらずに移住する選択肢を持っても良いのではないだろうか」ということです。
私は大学時代、東南アジア、とりわけマレーシアやシンガポールの歴史を専攻していました。
ゼミを母体とする調査実習もあり、1998年、99年と連続してマレーシアに行きました。
その際、通訳をしてくれた村上春樹好きの現地の大学生と仲良くなり、マレーシアという国にシンパシーを抱きました。人々は優しいし、物価が安い上、食べ物もとても美味しい。「日本を見習おう」といういわゆる「ルックイースト政策」が展開され、経済発展もじわじわと進んでいました。
その後、就職して仕事が忙しくなり、なかなか渡航することはできなくなりましたが、引き続きマレーシアへの関心は持ち続けていました。
そんなある時。
マレーシアにはMM2H(Malaysia My 2nd Home)というロングステイビザがあり、仕事をリタイアした少なくない数の日本人たちが移住している、ということを知りました。
「まずはリサーチをしてみるか」とMM2H取得のサポートをしてくれる代理店に行くと、どうやら定年退職前でもMM2Hは取得できるそうです。
必要な条件をクリアしていき、必要とされる書類も一つずつ集め、2018年の11月についにMM2Hのビザを取得しました。
2.副業申請
このロングステイビザの制度、実は現地では基本、労働者としては働けないことになっています(政府の許可を得れば、50歳以上なら週20時間までなら可能)。
どの国もロングステイビザの制度は、世界各国の富裕層に投資や居住時の生活費などでお金を落としてもらいたい、という事情が背景にあるため、ある意味、「マレーシアからお金を取っていく」立場とも言える労働者になり、自国の労働者と利害関係が生じることは避けたいでしょうから、仕方ない決まりと言えます。
私はせっかくこのビザを取る以上、人生のどこかのタイミングでマレーシアの方に人生の軸足を移し、マレーシアと日本を含めた多拠点居住をしたいと思っています。
ただそうなると、現在所属している会社に「年の半分以上はマレーシアにいますが、リモートで仕事をやりますね」と言って、認められる可能性は低いと言わざるを得ません。
だとすると、どこかのタイミングで今の会社を辞め、別の仕事をしないといけないでしょう。
今現在、やっている仕事に一定のやりがいはあるし、物価が日本より相対的に安いマレーシアに移住するとしても、もうちょっと貯金はしておきたい。そうなると、もうしばらくは今の会社に勤めながら、少しずつ準備を進めるのが現実的な気がします。
そんな中知ったのは、今の会社は別に、副業は禁止してはいない、ということでした。
担当部署によると、職務上知り得た秘密を使わず、本業とかち合う業務をせず、かつ、勤務時間外にやるのであれば、申請が通れば副業は可能だ、ということでした。
学生時代から色々と語学はやってきたので、それを活かした通訳・翻訳業務や、趣味的にリサーチしてきた多拠点居住業務、そして食べ歩きが好きなことを活かしたグルメ研究業務ならば、本業とはかち合わないだろう、と考えて、正式に申請。すると、その日のうちにすんなり通った、という次第でした。
余談ですが、「副業をしたい」と考えている皆さんがいらっしゃれば、会社の人事部に相談してみると良いかもしれません。意外と、「副業は特に禁止していません」という会社も少なくないのでは、と思います。
3.エストニアのe-Residency制度
話は前後しますが、実は、MM2Hのビザ取得に向けて準備を進めている間、ロシアの隣国、バルト三国の一つとして知られるエストニアのe-Residencyという制度への登録も認められました。
電子行政が盛んだ、として現在注目を集めるエストニアですが、この制度を利用すると、最短18分で会社を設立できるそうです。
エストニアはEU加盟国であるため、エストニアで会社を設立すれば、EUを股にかけたビジネスも展開できることになります。
私は現段階ではまだエストニアに会社を作ってはいませんが、副業が順調に育っていけば、「エストニアに会社を作っても良いかも」と思うところがあります。まだまだ漠然とした段階ではありますが、人生の選択肢を広げたことになるのかもしれません。
そして、このマレーシアのロングステイビザ「MM2H」と、「電子国民」「電子住民」と訳されるエストニアe-Residencyの制度については、それなりに興味を持つ人たちが増えてきてはいますが、いざ権利を取得しようとすると、「実際の流れってどんな感じなの?」「手続きって面倒くさいんじゃないの?」などと不安を感じる部分も少なくないかと思います。
そんな観点から、私が実際に経験したステップを簡潔に説明してみる「マッハ新書」を執筆するとともに、こちらの(5年前にアカウントは開設しながらも、ほとんど使っていなかった)noteでも諸々書き綴っていこう、と考えたのでした。
4.三浦市でのシェア別荘プロジェクト
多拠点居住を巡る模索は、マレーシアとエストニアだけにとどまりません。
前後して私が関わっているのは、マグロで有名な神奈川県三浦市でのシェア別荘プロジェクトです。
三浦市の先っぽ、三崎地区の海に面した築80年くらいの店舗兼住宅の住宅部分を家族5組で借りて、DIYをしながら週末など時間がある時に過ごす、ということをやっています。
私の本業の会社がある新橋付近から三崎まで、電車とバスを乗り継いで2時間くらい。仮に仕事が22時に終わっても、その夜のうちに公共交通機関でシェア別荘まで着きます。
夜はそこに寝て、朝は魚市場の食堂で新鮮な魚介類を楽しみ、バスも電車も始発駅なので座って東京に戻れる、という素晴らしい環境です。
色々と紆余曲折はあるものの、このプロジェクトを通じて何かできないか、模索しています。
5.そして新たなリサーチへ
実はマレーシアは2018年5月に政権交代したこともあり、MM2Hの制度に変更があるのでは、という話があります。MM2Hの制度を悪用して、土地を買いあさったり、(元々、自分で使うため、という想定だったので)自動車の輸入に税金が掛からないからとビジネスのために輸入する事例が目立ったり、という事情が背景としてあるそうです。
となると、10年期限のMM2Hの次回更新時には、条件が厳しくなっている可能性があります。となると、別の海外移住先も探しておいた方が良いのでは、と考えるところがあります。
一つの候補地はインドネシアのバリ島。
元々、大学でインドネシア語を第3外国語として学び、ある程度言葉ができます。インドネシア語とマレー語は似ていますし、気候も民族構成も近いと言えば近い。
バリ島には日本人移住者もそれなりにいるので、トラベロコという現地在住の日本人の方にガイドなどをお願いできるサービスを使い、2019年5月には色々とリサーチしてきました。
もう一つ考えているのはフィジー。
フィジーは英語圏であることから、友人が、日本の学生にフィジーに語学留学してもらう仕事をしています。
フィジーについては「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」という本も読んでみましたが、気候も人の気質も東南アジアに似ているし、いつか足を運んでリサーチしてみたい、と考えています。
先ほど紹介したマッハ新書もそうですが、これらのリサーチの結果も随時「視察レポート」という形でnoteに書き綴っていき、一人でも多くの同じような指向のある方々のお役に立ちたいな、と思っています。
波瀾万丈の物語風に書ければ、読む側も面白いのだと思いますが、実際に動き出す際に参考になることを一番に優先したいので、経験者目線の実務的な文章になってしまうだろうな、と思っています。
それでも、経験者の一人として語ることが、次に続こうとしている人たちにわずかばかりでも参考になれば幸いです。
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