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#恋

ガラクタの恋

ガラクタの恋

この平凡な日々の中で
ただ前を向いて歩く

そんな当たり前が
なんと困難なことだろう

僕は足を無くした子供みたいに
明日を夢見て泣きじゃくる

掌に納まるものなど何もなく
心はぽっかり空っぽだ

君の頬に触れたくて
伸ばした腕はガラクタで

からからと音を立てて
転がり落ちたのは両の目だ

真っ暗闇で彷徨う声は
誰の耳にも届きはしない

始まりがないものだから
終わりがなくて果て

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とある日常

想いは言葉にするまで伝わらない
伝える努力もしていないのに、気づいて欲しいなんておこがましいことだ。

けれど、言えるはずもないのだ。
今のこの関係を続けることが、僕の最優先事項。
選ぶ隙間などないのだ。

世間体とか、相手を困らせたくないとか。
理由なんて後付だ。

自分自身が傷つきたくないから。
この気持ちを伝えることで、不愉快をぶつけられたら。
僕はもう、生きてはいられないだろう。

今はま

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恋を詠う

恋を詠う

恋に憧れて恋の唄を歌う

何処にも居ない君のため
愛を説いて君を抱く

切なさは増すばかり
温かな肌を夢想する

あれはいつの事だろう
あれは何処であっただろう

君は確かに居たはずだった
あの日に歌ったあの唄を

何処にも居ない君に送る