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魂の話をしています。命に先立つ魂の話。 雪にゴミが混ざっている。ゴミ捨て場に雪が積も…
海良2 睫毛をかすめる風から温度を感じなくなり、次第に陽は短くなっていった。落葉樹は…
苦しんでいる人間がみな安らぎを求めているわけではない、いっときの救済は次の絶望へ至るま…
「どう思いますか」と言って遺書を手渡せば警官はざっと見るなり、独りよがりな印象を受けます…
夜中の2時過ぎに目を覚ましたとき、激しすぎる雨音に起こされたのかと勘違いをした。枕元の…
海良1 八時五分前に校舎へと滑り込んだわたしは、急ぐそぶりをなるべく見せないように階段…
三つ目の選択肢は考えるまでもなかった。舘林と合流することだ。理屈とか論理とか、そんなも…
落ち込む資格があるだろうか。悪いことがあったのではなくて、何もしなかった。現実から目を…
天寿を全うする事はないだろうと思っている。というより、死因が老衰でないとしても、それが…
昔住んでいた街には川が流れていた。用水路や暗渠のような目立たないものではなく、それなり…
ここに来たかったのか。わたしは、望んでいた? どこまでが自分の意志で、どこからが成り行…
登山口から離れるにつれて道幅は次第に広がっていく。未舗装の道にはタイヤ痕がいくつも残っ…
「海良って一人暮らしだっけ」 「今話すこと」 「見つかったら親に連絡されるぞ」 「別に」…
舘林の呼吸は落ち着いていた。Tシャツ、ジーンズ、スニーカー。自転車を漕いできたわたしで…
上り坂も下り坂もない道をおよそ一時間も走れば、登山口に着いた。登ってから一月も経たない…
何かをする必要がある。わたしはベッドから転がり出て、レインジャケットをTシャツの上に羽…