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君野ユウ【エッセイスト】
2018年6月8日 22:47
学生時代、バイト先の先輩によくラーメンに誘われた。その時間は大抵午後の11時過ぎだった。パチンコで一儲けした先輩から「飯に行こう」と連絡が入る。午後11時まで空いている店、近所の店、その条件を満たしているのはラーメン店だった。近所には居酒屋もあったのだがいつも決まってラーメンだったのは先輩が無類のラーメン好きだったからだ。僕はと言えば実のところ、ラーメンはあまり好きではなかった。地元に
2018年5月4日 19:00
思えば、幼い頃は魚が好きではなかった。実家の敷地から数メートルのところに海はあったのにだ。いや、どちらかと言うと敷地から数メートルのところに海があるからかもしれない。ご飯は毎食のように魚料理が出された。それは焼きであったり、煮物であったり、時には造りであったり。今思えば贅沢とも思えるが、幼い頃の僕にはそれが贅沢とは思えなかった。僕は魚より肉のほうが好きだった。それには二つの
2018年4月6日 20:36
高校を卒業と同時に一人暮らしを始めたのにもかかわらず、料理には全く興味がなかった。自分で作るには店以上のものを作れる気はしないし、料理をするとなると少なからず時間を必要とする。そして一人で食事をするのが嫌だった。20歳の頃、一つ年上の好きな子ができた。その子に電話をしたくて、でもいきなり電話するのもなんだかなぁと思った。電話をするのには正当な理由が必要だ。僕は思いついた。
2018年3月26日 19:22
桜が咲き、柔らかな光に包まれる春うららにもかかわらず、今回はおでんについて。なぜ、この期に及んで冬に逆戻りするかのようなおでんかというと・・・それは今回の冬もおでんを食べなかったからである。おでんは冬の風物詩であるが、一人暮らしのためかなかなかおでんにありつけなくて悔やんでいたのが2016年の初頭である。そのため今年こそはと意気込んでいたのが2017年の暮れである。しかし、