「昭和少年と空飛ぶ模型飛行機」
「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ202枚目
僕は、子供の頃に模型屋さんで「ゴム動力の模型飛行機」をよく買った。
組み立てるのは、さほど難しくはなく、小一時間もあれば出来上がる。
設計図通りに木とひごで骨組みを組み立て、翼の薄い紙を貼り、霧吹きをかける。そして、それが乾けば凛とした美しい翼を持った模型飛行機が完成だ。
値段も安く、一機15円から30円くらいだった。
この飛行機は動力源のゴムを長いものに変えると、実際かなり長い時間空を飛ぶ。
一度などは学校の校庭の端から飛ばした飛行機がグランドを超えて学校の外へ飛んで行って驚いたことがある。
結局それは、学校近くの民家の庭の木にぶら下がって壊れていた。
この飛行機は、独特の美しさを持っていた。
僕は、時々それを天井から数本の糸で揺れないように吊るして部屋に飾って眺めていた。
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