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「下駄屋と銀幕の妖精オードリィ」昭和都市伝説

 「僕の昭和スケッチ」110枚目

110下駄屋

<画 ©2021もりおゆう 水彩 サイズF5>

ある日、テニス関係の年長の知人Aさんが私にこんなことを言いました。

「ゆうさん、昭和の頃に何故日本の下駄屋が次々と廃業していったか、その理由を知ってる?」

私が、さて何でしょう?、と答えると彼は、こう言いました。

「そりゃあ、勿論日本人が着物を着なくなっていったことが原因なのですが、やっぱりあの女優さんのおかげで一気に下駄が売れなくなったのですよ、、、。うちの実家は八王子で下駄屋をやっていたのですが、それで潰れた様なものです」
と。

聞くと、その女優とはかの銀幕の妖精「オードリィ・ヘプバーン」だと言うのです。

話は、かいつまんで言うとこう言うことでした。

後に映画史に残る名作と言われる「ローマの休日」が1953年に初上映されると、世界中の観客は見たこともないような美しいヒロインに魅了され、彼女は銀幕の妖精とまで評されます。そして、次々に発表される新作映画に登場するオードリィのファッションに女性達は魅了され、さまざまな流行を生んだのでした。

・びっくりする様なショートカット

・サブリナパンツ(8分丈の細身でピッタリとしたシルエットのパンツ)

・勿論、ジバンシー(高いので流行ったのはジバンシー風ファッション)

・フラットシューズ(バレエシューズ)

そして、もう一つが「ローマの休日」でヘプバーンが履いていた「サンダル」だったのです。

日本では、「つっかけ(草履)」はありましたが、まだサンダルという履物はなく、「あれは何?」という事になったと言う訳です。

そして、すぐに日本でもこのつま先部分の開いたバックレスのサンダル(今で言うミュール)が発売されると、爆発的な売れ行きとなり、、、その結果、、、

そうです、下駄が全く売れなくなってしまったのです(Aさん説)。

如何でしょうか、皆さん?
調べてみると、ヘプバーンが履いたことでサンダルが大流行したことは間違いのない事実でした。ちなみに、このサンダルはヘプバーンが履いたことからヘップサンダルと呼ばれる様になったと言うことです。(このヘップサンダルの語源については、履物業界では有名な伝説となっています)。

ただし、それが下駄屋さんの倒産とどれくらい関連性があるかは、神のみぞ知るという奴でしょうか、、、生家が下駄屋さんだったAさんの言うことですから、大いに信憑性があるのでは、、、!?😄

以上、本日はかつてジャパニーズファッションの定番だった「下駄」と銀幕の妖精「オードリィ・ヘプバーン」にまつわる記事をお届けしました。



(*)ローマの休日
アメリカ映画/1953年. 監督/ウィリアム・ワイラー
主演/オードリー・ヘプバーン グレゴリー・ペック. 
ちなみに、私はこの映画のファースト・ランは年齢的に見ておらず、初めて見たのが中学の頃のリバイバルだったと思います。
今でも、この映画は私にとって映画No.1の作品です。

<©2021もりおゆう この絵と文は著作権によって守られています>
(©2021 Yu Morio This picture and text are protected by copyright.)

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