「私のメアリーカサット」 母と子の名画を残した印象派の女性画家
「絵の横道」20回目
下の3枚の絵をご覧下さい。
これは、僕の好きなメアリーカサットの3枚の油彩です。
<「麦藁帽子の子供」1886年 Wikipediaより転載>
こちらは、母親と娘のボート遊びの図です。
<「サマータイム」1894年頃 Wikipediaより転載>
どちらの絵からも慈愛のような優しさが伝わって来ます。
麦わら帽子の絵からは、筆触そのものからも少女を愛おしむメアリーカサットの陽だまりのような心が感じられますね。
<「船遊び」1894年頃 Wikipediaより転載 ナショナル・ギャラリー>
「船遊び」は、ブルーを多用してあるにも関わらず暖かな絵になっています。それは子供の着ているピンク色の服と抱いている母親の表情、そしてそれを中心に手前に伸びて来るボートのライトイエローから生まれているものです。殆ど完璧な作品で見事と言う他はありません。それに、子供の左足の小さなグレーの靴下をご覧下さい。なんて可愛らしいでしょう!
メアリーカサットはアメリカの裕福な家庭の生まれなのですが、両親の反対を押し切って絵を学ぶために1866年22歳でにフランスに渡り、そこで印象派と交流を持つ事により多くを学びます。
当時、ドガやピサロ等はまだ全く認められていない画家だっったのですが、彼らとの交流の中で彼女の才能は磨かれていき、上の絵のような傑作を世に送りました。
晩年は、不幸にして糖尿病、リウマチ、白内障などの病魔に次々と襲われ、苦難の中でメアリーは画業を続けますが、1914年以降は目が殆ど見えなくなり、ついに筆を置きます。
それでも、その後も人生に対するアグレッシブな姿勢は変わりなく続き、婦人参政権運動に身を投じ、1926年に他界しました。
さて、あなたは上の三枚の絵の内でしたらどれが一番お好みですか?
もし出来るなら、どれをお部屋に飾っておきたいと思われますか?
😊三枚全部なんて駄目ですよ!
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