オート三輪、しばしば横転す/田舎の農道
「僕の昭和スケッチ」39枚目
<画/もりおゆう 原画/水彩 サイズF5>
オートバイとトラックのいいとこ取り、と言われたオート三輪。
あなたの街や村にも走っていませんでしたか?
安くて小回りがきいたオート三輪は戦前から1950年代に日本全国を走り回っていました。当時の日本では、まだまだすれ違い困難な未整備の狭い路や曲がりくねった路が珍しくなかったのです。そのため、オート三輪の機動性はなくてはならないもので、酒屋さんから農家まで非常に重宝された車だったのです。
だが、なにしろ三輪のため横転しやすいのが玉にキズ。
特に田んぼのあぜ道、カーブの多い林道などでは頻繁に欠点を露呈してしまうのでした。僕の在所の叔父さんも買ったばかりのオート三輪を田んぼに横転させてしまい大騒ぎになった事を覚えています。
オート三輪が走る街、農道、林道…
それは正に消えてしまった昭和日本ののどかな暮しのひとコマです。
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