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崖っぷちな遠距離恋愛日記

世の中には、変えられるものと変えられないものがある。

予測できるものと、予測できないものもある。

この1週間、わたしと恋人は「変えられなくて予測できないもの」に翻弄され尽くした。

それはまるで、突然大津波がやってきたかのようで、5年間せっせと育んだ愛を一瞬にして飲み込んでしまうくらいの威力だった。




時計の針を1ヶ月戻して書いていく。

11月のはじめ、ぼんやりと霧がかかっていた道に一筋の希望の光が見え始めた。

それは、ビザを持っている外国人の入国を許可するというニュースだった。

「やったー!!!」「ついに!!!」

わたしたちは、大喜びした。

やっと、遠距離恋愛にピリオドが打てる日が見えてきたのだ。

遠距離恋愛日記をご覧になった方は既に知っているかもしれないけど、1年前にわたしの恋人は東京の会社に内定を貰った。

これは「国際遠距離恋愛」を「近距離恋愛」にするという意味で、ものすごく大事な出来事だった。

わたしたちは国境が再開次第、すぐに一緒に住もう!と約束した。





…..しかし!

その日はなかなか来ない。


いまかいまかと待ち続け、気が付けば1年も経ってしまった。

だからこそ、11月初めのビザ持ちの海外の人が日本に入国できるというニュースはわたしたちにとってこの上なく嬉しいニュースだったのだ。

その嬉しい知らせの後、わたしたちはGoogleスプレッドシートに『同棲準備』というファイルを作って、色んな計画をした。

どこら辺に住もうか〜?なんてワクワクしながら電話でやりとりをした。

会社とのやりとりも順調で、このままだと来年の1月15日には会える見通しが立っていた。

日に日に、夢だった瞬間が現実味を帯びてきた。





恋人が来日したときに滞在するAirbnbの候補を決めて、「あと少しだね!いえーい!」と言って電話を切った日。

よりにもよって「その日」に状況が一変してしまった。

1つのニュースが一瞬で状況を180度変えてしまったのだ。




オミクロン株の広がりを防ぐために、11月30日から再び全世界からの入国を禁止します。



…….!!!


こうして間近に迫った感動の再会は、いとも簡単に消えてしまった。


こればかりは、しょうがない———

しょうがないけど….。




彼は大ショックを受けて

「もうしんどい、つらい。」

という言葉を残し、連絡が取れなくなってしまった。


遠距離恋愛をして5年。

会えなくなってもうすぐ2年。

やっと会えると思って全力で準備を頑張った1ヶ月後に

またいつ会えるのか分からなくなってしまった———。





もう一度、冒頭の言葉を繰り返す。

世の中には、変えられることと変えられないことがある。

予測できないものと予測できないものもある。

わたしたちは、またしても

「変えられなくて予測できないもの」

通行止めを食らってしまった。





どうしたらいいんだろう….。


わたしは日記を書いて自分の気持ちを整理することにした。

自分の心とおしゃべりするように、紙に今感じていることを書いて、書いて、書きまくってみた。


その結果

このまま一緒になるための準備を進めたいという結論に至った。

もちろん大変で、もちろんつらい。

でも。

たった1つのニュースで愛が終わってたまるか、と思った。

自分の気持ちを相手に伝えて、相手が考えを整理して答えがでるまでしばらく待とう。

彼は心が折れたと言っていたし、もう辛すぎて諦めようって言うかもしれない。


そのときは….。


ちゃんとその答えを受け入れて前へ進もう。

もしこのまま続けようと言ったら、次の作戦を一緒に考えよう。

いずれにせよ

どうなってもいいように心の準備をしておこうと思った。







5日後。

彼からメッセージが届いた。

その答えは…..


「やっぱり、これからも一緒にいたい。」



続けようという旨の、覚悟のメッセージだった。




こうして、わたしたちは諦めずに再び一緒に進むことを決めた。

そして、再び作戦を考えた。



【作戦】

最後のチャンスとして、12月31日まで待ってみる。それまでに来日できる見込みがつかなければ、日本で一緒に暮らすことをひとまず諦めて他の国に行く。







「変えられないものと予測できないもの」

人生ではそんな最悪なコンビが2人揃ってやってきて、ダブルパンチを喰らうことがある。

今回のソレは

コロナウイルスの変異種の登場と、それに伴う鎖国だった。

わたしには当然ながらウイルスを止める力はないし、国境を開く権利もない。

そこは、どうすることもできない。

じゃあ、そういう「どうしようもないとき」に出くわしたときって

どうしたらいいのだろうか?


それは…



「自分ができること」に注目すること



なんじゃないかと思う。


今回のことを例に挙げると

自分の気持ちを整理して、相手にまっすぐ伝えることはできる。

新しい作戦を考えることはできる。

とにかく

できるを1つでも見つけることだと思う。


ちなみに、今回わたしたちは別れることをせず再び一緒に頑張っていこうとなったけど

もし彼が「もう別れたい」と言ったならば、それはわたしには変えられないこととなる。

だから、もしそうなっていたとしたら

残念すぎるけれど

前へ進んで「彼と一緒になる以外で幸せになる方法」を探し始めたと思う。

それがわたしにできることだから。


今回のこの記事は、遠距離恋愛物語の中で起こった最大のピンチの1つとしてここに記録した。

「こんな出来事が最近起こって、辛かった」

という報告をしたかったのもあるし

「遠距離恋愛って、むずいなあ….」

という弱音を吐きたかったのもある。


でも、何より

変えられないことに絶望せず

いつなんどきも

「今、自分には何ができるか?」


って考えることが大事なんだということについて記録しておきたかった。


恋愛でも、恋愛以外でも、常にこの質問をし続けることが、次の展開にたどりつくための「橋」となるはずだ。

人生の中で「変えられなくて予測できないこと」が起こったとき

この質問をし続けることが、抜け道を見つけるための光になる。


そんなことを、忘れずにいたい。







話し合いの後。




これからも一緒にがんばろう、とはなったけど

いつも通りに楽しく会話することはむずかしかった。

ビデオ電話越しに流れる空気は重かった。

一方で、12月の街は赤と緑とキラキラに染まり始めている。

わたしは再び

今自分にできることはなんだと尋ねてみる。

そして、メッセージを一通送信した。


クリスマスプレゼントに、
手袋とカードを交換しない?



15秒くらい経って

うん、そうしようと返事がきた。



PS. ラジオなどで状況を心配してくださった方、お優しいメッセージを本当にありがとうございました!!とても励みになりました。

また、同じように国をまたいだ恋愛をしている方にとって、今は本当に大変な時期だと思います。

いつか、大好きな人に会える日が来ることを願ってます^^




【2023年8.1 追記】


つらかったあの日も

今は思い出になってる🌻


💌おしらせタイム


現在マガジンを月単位で発売しております!

6月のテーマはオリジナルな仕事の作り方

7月のテーマはご自愛について

8月は….

恋愛やパートナーにまつわるマガジンを書こう思います!

毎回テーマは違えど

軸は「読むたびに幸せになるエッセイ」です。

どうやったら今よりも幸せに近づくかな〜

ワクワクするかな〜

って思いながら

あれこれ実験して見つけた発見を

実験結果として大事にまとめて発信しています。


最近はもっと書きたい!もっと届けたい!って気持ちが大きくて

1つでも多くの誰かの日常を煌めかせる記事を書きたいって思っている。

ということでお楽しみにしてください🥰

いつも読んでくれてありがとうございます!

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