ご機嫌な状態を継続する方法を考えると相手にも優しくなれる
“あなたのフライトはキャンセルされました”
昨日届いたSMS。エアカナダからだった。
遠距離恋愛は『次会う約束』で出来ている。なのに直近のチケット2つが水に流れてしまったなんて....。
最近の私たちは、今まで以上にテクノロジーに支えられていると言っても過言ではない。LINE、LINE電話、snapchatの3種の神器には感謝してもしきれない。
だけどちょっぴり悔しいことは、お互い外に出れない分、新鮮で楽しい話題を卸せないし、まあ必然的にコロナウイルスで持ちきりになる。
トロントはスーパー以外ほぼ外出できなくなった
アメリカの感染者数が中国を追い越した
オリンピック延期になったね
......
何だろう、この話題を繰り返す度にズーンっていう効果音がきこえてくる気がするんだけど。
在宅勤務を始めてもうすぐ1ヶ月経つ彼は、友達と遊ぶ機会もなくなり、大好きなジムも退会せざるを得なくなってしまった。
そして
日に日に笑い方を忘れている気がする。
そんな彼のテンションは棒グラフで表すと緩やかな右肩下がりという感じで、カレンダーの日付が変わる度に点の位置が下に落ちていく。
昨日の電話では
「はあ、監獄にいる気分」
と呟いていた。
ズーン
ズーン
ズーン
...........
効果音が次第に大きくなっていく。
コロナの感染力も相当だけど、気分の伝染力も最強だ。
楽観的な私は家にいながらも楽しいことはある!とか、今だからこそ出来ることを!って感じでそこまで落ち込んだりはしてなかったんだけど、だんだん自分の気分も落ちていることに気付く。
アエナイシ...
カイワモモリアガラナイ....。
撃沈である。
撃沈したので、私は気分転換に散歩に出かけることにした。
家の近くの広々とした公園。あそこなら人と接触することもない。
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ジャケットを羽織り、マフラーを巻いて外に出ると、そんなものはもう必要ないよってくらいポカポカしていた。
あの極寒の日々は夢だったのかもしれないとすら思ってしまう。
知らない間に春が到着していたんだなぁ....ってしみじみした公園までの道中。
それにしても青い空と太陽の下を歩くのがこんなにも気持ちいいなんて。
前を向いて歩いていると、不思議と気分も前向きになるし、理由は説明できないけど、人間って日の光を浴びることは必要だと思う。私、今散歩の恩恵受けてるよ...。
広い公園を一人占めしている気分。空気が澄んでいて気持ちいい。
私はベンチに座ることにした。
5分くらい目を閉じた。
何も考えずに、
すーっと息を吸って、吐いてを繰り返していた。
遠くから聞こえるバスケットボールがトン、トンと地面を跳ねる音とか、風で葉っぱがそよそよとなびく音が聞こえる。
ほんのりと香る木の実のような匂いも、好きだ。
五感で自然を満喫できた、贅沢な時間だった。
目をゆっくりと開けた頃にはブルーな気持ちはどこかに流れてしまって、今日の風みたいな穏やかな気分になった。
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snapchatを開くと、相変わらず彼は
『僕は今テンションが低いです。ご了承下さいませ。』
みたいな顔をしている。
でもそんな顔を見て、釣られてしまうことはもうなかった。
うん、うん、今は大変だよね。そんな気分にもなっちゃうよね、ゆっくり休んでねって(言ってないけど)そんな気持ちで接することができるようになった。
機嫌がいいと、相手に優しくできるんだなぁ。
パートナーなんだから、私のことを幸せにしてくれて当然でしょって思ってしまいがちだけど、パートナーだって人間。
沈む時もあれば、機嫌の悪い時だってある。
そんな時に、自分ができることは、
相手の機嫌を取りにいくっていうよりかは、自分のご機嫌を、自分で取ることなんだと思う。
どうやったらご機嫌を継続できるかなって
私は考えてるよ。
優しい言葉をかけて包んであげられる人になりたいから。
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