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日本の源流を訪ねて|第2話 ドラマ「SHOGUN 将軍」と日本人の信念

「今「SHOGUN 将軍」っていう世界的に評価されてるドラマがあるらしいよ。見てみよう!」

つい先日のこと。妻の不意の一言で、僕は「SHOGUN 将軍」というドラマに出逢いました。

ハリウッドによる製作。俳優の真田広之さんが主演とプロデュースを務め、「日本の魂を描くこと」に、拘って創られた歴史大作だと言います。

これは期待が出来そうだと、すぐに観てみることにしました。
(※ドラマ「SHOGUN 将軍」は、ディズニープラスで独占配信のドラマです。)


「SHOGUN 将軍」|予告編


一言で言うと、

これがまあ、本当に素晴らしかったです。


「手に汗握る」「息を呑む感動」とは、まさにこのことだと思いました。

圧巻の映像美で魅せる俳優たちの迫真の演技、リアリティの在る時代の描写が、かつてのドラマに無い臨場感を生み、日本の歴史が持つ特有の重厚感の様なものが見事に表現された作品だと感じました。

「美は細部に宿る」

という言葉がありますが、それが体現されたドラマであり、映像の隅々に至るまで「日本の精神性や魂」を強く感じました。

途中目を背けたくなる様な残酷なシーンもありますが、単に「残酷」で終わるのではなくて、その奥から伝わってくるものの「凄み」が、この作品には在ります。

この時代を生きる人間だからこそ持っていた現代人には無い価値観、自らが「美」と信じる道を行く強い精神と精神力。言い換えるとそれは「信念」になるのかもしれませんが、「信念を持って生きることの大切さ」を、時代を超えて教えられた気がしました。


現代の世の中は、ドラマに在るような「戦国時代」ではありません。
各々の戦いはあれど、少なくても「暴力」で戦わなくてもよい時代です。

過去に「戦いの歴史」があったからこそ、人々はそこから「権力の為に戦うことの愚かさ」を学び、戦いの無い平和な世の中を創り上げて来ました。

それにより、確実に世の中が豊かに進化したとも言える一方、「戦国時代」の様な「強い信念」を持たずとも生きられる時代になったことは、想像するに容易いと思います。

ある意味では現代も大いに混沌としていますが、今の所この文章が読めている人に限っては、「明日の自分の命の心配をしなければならない」ということはないと思います。

毎日、明日生きるか死ぬかを迫られる時代ではないからこそ、生きる為の強い「信念」や「軸」が無くても生きていける。

しかしその「信念」や「軸」が「社会」として無い、定まっていない、感じられないということが、なんとも言えない「不安感」となって、世の中全体を包み込んでいる様に感じるのは僕だけでしょうか?


そういう意味では長い歴史の中で、「宗教や信仰」が果たして来た「役割」は非常に大きいと思っています。

それが多くの人や社会の「信念」や「軸」、「柱」の「役割」を果たしたと思うからです。

しかし宗教が生まれた時代と現代とでは、あまりに時代が変化したのに、「人の心の在り方」は大きな進歩を遂げたでしょうか?

それは宗教が更新されて新しいものが生まれればいいとか、逆に無くなればいいという様な話ではありません。

飽和的に「あらゆるもの」が在るはずの世界なのに、その恩恵を充分に受けられない人たちがいる社会を作り上げているという現実は、「人の心の在り方」が人類全体として、あまり進歩していないことを端的に表しているのではないでしょうか。

「軸」にしろ、何にしろ、全てを「外」に求めるのではなくて、「内」に価値や強さを見出せる様になること。

もっと言えば、何にも寄り掛からなくても済む様な「自分だけの信念」を持って生きている人というのがやっぱり強くて、それがこの混沌の時代を生き抜く鍵であり、人類全体の「心の在り方」の進歩に、必要不可欠な要素なのではないかと個人的には感じています。

そういう意味で「信念」について考えさせられるドラマ「SHOGUN 将軍」を観ることは、とても価値のあることだと思うのでおすすめ致します。


ドラマを観ながら想像を巡らせてみると、この作品で描かれた様な「戦乱の世」を生きた「僕のご先祖様」もいたはずで、当時どんな生き方をされていたのかとても気になりました。「戦乱の世」を生きた「あなたのご先祖様」もいたはずですよね。

どんなに厳しい世の中でも、ご先祖様たちが「生き抜いて来てくれた」からこそ、今僕やあなたがここに存在している。

それは紛れもない事実なわけですが、その事実を改めて噛み締めると、今生きているこの瞬間が「奇跡」でしかないのだと思わされます。


そういえば僕やあなたは、この世にいつどうやって誕生したのでしょうか。


僕もあなたも両親(2人)から生まれ、その両親はそれぞれのまた両親(4人)から生まれ、その両親は更にそれぞれのまた両親(8人)から生まれました。

これをずっと計算していって「10代」遡ると、この時点で「1024人」の直系のご先祖様がいることになります。

時代で言うと江戸時代中期ぐらいに、自分と同じ血族の人が1024人生きていたということになります。ちなみにこの1024人は10代遡った時の横一列の人数だけなので、縦にも累計すると、「2046人」のご先祖様がいることになります。


先祖の図(累計数)


そして「20代」遡ると、直系のご先祖様の数は「104万8576人」。自分の代までの合計人数(縦にも累計すると)はなんと「209万7150人」になります。
この途方もない数のご先祖様の内の「1人」でも欠けていたら自分が生まれていないのだから、本当に凄いことですよね。

今から「20代前」は、時代にすると室町時代から安土桃山時代。当時の日本の人口は「600万人」(諸説あり)ぐらいと言われていますから、計算上はこの時代に生きていた「6人に1人」が自分のご先祖様ということになります。

話が大き過ぎてなかなか実感が湧きませんが、こうやってずっと時代を遡っていくと、最終的には「人類みな兄弟」になるのではないでしょうか?

そして僕らはある日突然「無」から人間として誕生したわけではなく、「宇宙の生命誕生の瞬間」から「果てしない命の連鎖」が繋がって、今の僕やあなた、同じ時代を生きる全ての人が存在しています。

それは本当に奇跡的なことに思えるのですが事実であり、個人的にはその事実を踏まえて「命を捉えること」が、人間としてとても大切なことだと思っています。


そして今生きている僕らにも寿命があり、今から100年後には、僕やあなた、今この時代を共に生きている人たちは、ほぼ全員この世にいません。切ない話ですがそれもまた事実です。

100年後には、全く新しい世代、全く新しい面々が世の中を創り、地球を生きています。

その事実を真摯に受け止めれば、今この生きている時間は「尊いみんなで、尊い時間を共有している」と思えるわけで、多くの人が心からそう思える様になったら、無駄な争いなどは起こらないのではないかと思います。


僕らはこれからこの世で何を成そうと何者にもなれないし、ならなくてもいいと思います。

ただ「生涯自分で在る」ということだけが普遍の事実であり、それ故に「どんな自分で在りたいか」を常に心の中に思い描き、自らを研ぎ澄ませていくことが大切なのだと思います。

そしてシンプルに、自分が「今この場所」からどんな役に立てるのか。

それを考えながら生きることが、自分にとっても周りの人にとっても、多くの喜びに繋がる道になるのではないかと思います。

僕は自分が書く文章なり絵を通して、一人でも多くの人に「生きていることの奇跡」に気付いてもらい、一人一人があらゆることに感謝して生きられる世の中を創っていきたい。

それは僕自身があらゆるものに感謝出来るようになったことで、いつも幸せだと感じられる様になった背景が在るからです。

僕は今自分の幸せを噛み締めながら、たくさんの人の幸せを願いながら絵を描いています。

近々完成した作品の販売を行い、お手元に届けられる様に準備をしていますので、引き続き活動をチェックして頂けたら嬉しいです。

よろしくお願い致します😊


トワ


素晴らしきこの世界 / yurai

時に力が出ない時には空を見上げて、ご先祖様たちに想いを馳せます。
どんなに苦しい時代も生き抜き、命を繋いできた「途方もない数のご先祖様たちの結晶」が今の自分です。それを想うだけで力が湧いて来ます。

そして自分の周りにいる人たちもみんな、そんな「尊い結晶の人たち」です。
完璧な人などこの世に一人もいません。みんなが人生の勉強中です。
出来うる限り親切に、大切に、全てものに愛のある眼差しを向けて行きたいです。

自分に改めて言い聞かせる為に、大切なことをここに記しておきます。


◆「日本の源流を訪ねて」第1話はこちらから

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