流行りのジャンルは「お題」と捉えて「気軽」に挑むべし(ジャンル格差の時代をどう生きるか)
小説投稿サイトにはジャンルの「流行り(トレンド)」があります。
ランキングを見ていただければ分かるかと思いますが、特定の要素・特定の世界観に人気が集中していることが多いのです。
他のジャンルは「存在しているはずなのに見当たらない」くらいの有様です。
こうなってしまう背景には、コアユーザー(アクションを沢山する読者)のストライクゾーンの狭さの問題や、サイト機能の問題、読者の検索能力の問題etc、様々な要因が考えられますが…
分かっているのは、現状、小説投稿サイトでは作品のクオリティーうんぬん以前に、ジャンルによって最初の「選別」が為されてしまっているということです。
【作者にはジャンルの得意・不得意がある】
ここで問題になってくるのが「流行のジャンル」が不得意な作者は、その時点で道を閉ざされてしまうということです。
作者には「得意なジャンル」と「不得意なジャンル」があります。
「書けるジャンル」と「書けないジャンル」があります。
そのジャンルが「読める」からと言って「書ける」とは限りません。
実際「流行のジャンルが得意な人はいいけど…」というような不満も、ちらほらネット上で見かけます。
読者がランキングや数値に惑わされず、本当に自分の「好み」なジャンルを読むようになってくれれば、この問題は解決します。
(当たり前な話ですが、人の好みは十人十色。ランキングに埋め尽くされているジャンルが「全ての」読者の好みのはずがないのです。)
なので自分も、ちょこちょこ過去記事などで一生懸命「情報発信」しているのですが…↓
おそらく、改善されるとしても道のりは長く、時間がかかることでしょう。
なので、当面の妥協策として「得意じゃなくても、何とかそのジャンルで書けるようになれないか?」を考えていきます。
■「流行のジャンル」は「お題」と捉えよ
まず、流行のジャンルを「書かねばならない義務」のように捉えて「苦手意識」を持ってしまうのは、よくありません。
「自分には合わない」「好きになれない」…そんな風に、食わず嫌いならぬ「書かず嫌い」をするのも、よくありません。
流行のジャンルは「お題」と思えば良いのです。
ネット上にはよく「100のお題(※)」というものが載っていますよね?
そういった「お題」を元に作品を作ってみたことがあるクリエイターさんも多いのではないでしょうか?
流行のジャンルもその一環。「お題」の1つと思って気楽に挑めば良いのです。
ここで言う「気楽」はメンタル面でのことであって、「手を抜く」ということではありません。
「肩の力を抜いて」創作を楽しむことが重要なのです。
「これを書かなければ」「流行に乗らなくては」と殺伐とした気持ちで小説を書いても、楽しいものは書けないと思いませんか?
大切なのは、作者自身が心から作品作りを楽しめることです。
それに、必死にガツガツしながら「流行のジャンル」を書いたとして、それが報われるとは限りません。
トレンドは移り変わるものですし、そもそも流行のジャンルは競争率が激しいものです。
投稿戦略が結果を左右すると言われる小説投稿の世界…クオリティーをどんなに高めようと、戦略や運のせいで日の目を見られないことは多々あります。
だからこそ「気楽に挑む」ことが大切なのです。
「このジャンルを書けさえすれば人気が獲れる」「絶対に成功する」などと思いつめない方が良いのです。
「失敗しても、これで引き出しが1つ増えるぞ」くらいな気持ちでいた方が、後々のためなのです。
■「お題」は「解釈次第」で無限の可能性を持てる
流行のジャンルについて、勝手に「こういうものだろう」と「決めつけ」をしていませんか?
「このジャンルには○○がなければダメ」「このジャンルでは××ができない」など、勝手に制限を設けてしまってはいませんか?
思い込みによる「決めつけ」や「制限付け」は、ストーリーの幅を狭くしてしまいます。
それだと、元から苦手なジャンルはますます書けません。
「お題」をクリアするには「頭の柔らかさ」「柔軟な発想」が大切です。
たとえば自分は、pixiv小説さんへの投稿で「用意されていた12の表紙絵(※)からオムニバスのSSをアテガキする」という「お題」を勝手に設定してチャレンジしていたのですが…
最難関だったのが「SF」に使われそうな感じの「宇宙の絵」でした。
自分の引き出しにSFはまだありませんし、「宇宙の出て来るような話を、SSで…?」となると、相当な難易度です。
そこで自分が採った手段が「花火の広がりに、宇宙の広がりを重ねて、花火大会の夜のカップルの話にする」でした↓。
…だいぶナナメ上な解釈の仕方をしていますよね…😅
難しい「お題」をクリアするためには、時にこんな「発想の転換」が必要ということです。
「流行りのジャンル」についても同じこと。発想を転換して「これなら書けそう」という妥協点を見つけ出すのです。
「これなら自分でも書ける」という「形」をなんとか見出して、書ける物語を書いていくしかないのです。
■「お題」は自分の味で料理するもの
「お題の解釈」で1つ問題なのが「解釈がズレていった結果、王道から外れてしまう」ことです。
最近の小説投稿サイトは、同じ「恋愛ファンタジー」というカテゴリーであっても「ざまぁ系しか読まれない(アクションされない)」など、コアユーザーのストライクゾーンが異常に狭くなっている(※)ことがあります。
なので、せっかく流行のジャンルを書いても、「解釈」が違えば読まれない可能性はあるわけですが…
それでも結局のところ「作者には『自分が書ける物語』しか書けない」のです…。
無理に「書けない物語」を書いても、「途中で筆が止まってしまう」か、「おもしろいモノが書けない」かのどちらかです。
自分は、物語には作者の「個性」が宿るべきだと思っています。
同じ「お題」に挑んでも、作者次第で全く違う物語が出来上がる…それが人間の手による創作の醍醐味であり、「価値」だと思っています。
「誰が書いても同じもの」では、おもしろくありません。
たぶん、そんなパターン化された小説なら、そのうちAIにも書ける(※)ようになるのではないでしょうか?
それに「人気の他者の作品に寄せる」ということは、常に「盗作」「パクリ」の炎上リスクを伴います。
(実際、似たような設定が乱立する異世界モノの世界(マンガ含む)でも「コレはあの作品のパクリだ」「あの作品に似過ぎだ」でレビュー欄が荒れている例は見かけます。)
「同じ味付けの料理しか選ばれない(同じテイストの作品しか選ばれない)」のは、客が「別の味付けの可能性を知らない(思いつけない)から」です。
最初から「他の味付けの可能性」を否定し、「食わず嫌い」しているからです。
「別の味付けでも、こんなに美味しい(おもしろい)」というのに気づいてもらえたなら、状況は変わるはずです。
むしろ「読者のストライクゾーンが狭過ぎて、それ以外の小説に一切光が当たらない」ようでは、そのストライクゾーンにはまった「似たような小説」ばかりUPされることになり、作品のバリエーションも何も無くなってしまいます。
実際、「食わず嫌い(読まず嫌い)」のバイアス(思い込み)を打ち破るのは、そう簡単なことではないでしょうが…
何とか打開策を見つけられれば良いな…と思いながら、リサーチ&考察&情報発信を続けています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?