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小説投稿サイトの小説を探す7つの方法ー「不特定多数の好み」ではない「自分好み」の探し方ー

最初に断っておきますが、正直、小説投稿サイトというものは「小説は探しづらい」ものです。

「人気」のある小説を探すことなら簡単です。

が、自分の好みに合った「ド真ん中ストライク」の小説を探すのは、難しいものと思ってください。

(ただし、サイトのメインユーザー層と好みが一致していた場合は、比較的カンタンに探せるでしょう。)

この記事では「なぜ」探すのが難しいのか、その理由も書いておきます。

現状、本当に探しづらくて、読者の方々に「探して」とお願いするのも心苦しいくらいなのですが…

しかし、それでも探してくださる探求者がいなければ、才能や実力があっても見出されない作者、正しい努力をしているのに報われない作者が溢れてしまいます。

世の中が「報われない」ものになるか「報われる」ものになるのかは、結局のところ人間次第。

どうか「分かりやすい所にある」ものばかりを選ぶのではなく、自分の目で、本当に自分の求めているものを探し出して、読者も作者もWinWinな世の中にしていって頂きたいのです。


1.ランキングから探す

サイトの中で、一番分かりやすく簡単な「探し方」がこれです。

ランキングはだいたいの場合、TOPページの目立つ場所にありますので、初訪問のユーザーさんでも、すぐに気づけるのではないでしょうか。

ただし、このランキングにも「罠」があります。

サイトによっては「総合ランキング」ではなく「新着1ヶ月以内の小説のランキング」だったり、「カテゴリー別ランキング」だったり、「内部小説と外部小説はランキングが別」だったりすることもあるのです。

(そして総合ランキングは、なかなか分かりづらい場所にあったりするのです…。)

そして、TOPページでは大概の場合、上位のわずかな小説しか載っていません。

(もっと下位まで見るためには「もっと見る」などをクリックorタップして、ページを跳ばなければなりません。)

ここで、ぜひお願いしたいのが「上位の数作品だけであきらめてしまわないで欲しい」ということです。

サイトには、それぞれの「カラー」があります。

どうしてもメインユーザー層の「好み」が反映されるため、上位は似たようなジャンル・カテゴリーで固まりがちなのです。

上位作品が全く好みでなかったとしても、下位にはもっと違うジャンル、もっと違う作品がたくさんあります

また、1位の作品を「おもしろくない」と感じたとしても、それは単にメインユーザー層の好みが「それ」だというだけの話です。

なので「1位がコレなら、このサイトに面白い作品なんてあるわけない」とあきらめて去ってしまわないで欲しいのです。

そもそも小説投稿サイトには「新着ブースト」「完結ブースト」というものがあり、新規投稿したての作品、完結したての作品は人が集まりやすい傾向があります。

他にも「露出の高い作品」や「投稿ペースの頻繁な作品」には人が集まりやすい等、単純な「おもしろさ」だけがランキングに影響しているわけではないのです。

ランキングを見る際には、ぜひそのあたりを踏まえて「順位より、自分の好みに合いそうな作品」を選んでください。

2.フリーワード検索で探す(コツがあります)

だいたいの場合、サイトの上部に「虫メガネ」マークで小さな検索ウィンドウが付いています。

(あるいはマークや「小説を探す」をクリックorタップすると、検索ページへ跳びます。)

そこに好きなワードを打ち込むと、そのワードに関連した小説がズラッと一覧で出て来ます。

たとえば「ギリシャ神話」と打ち込むと、ギリシャ神話に関連した小説が出て来るわけです。

ここで1つポイントなのが「似たようなワードでも、ちょっと変えれば全然違う検索結果が出て来る」ということです。

たとえば「ギリシャ神話」でなく「ギリシア神話」だと、出て来る小説は変わってきます。

なので「検索結果0件」もしくは、「出て来た小説がどれもピンと来ない」場合には、ちょっとズラした「類義語」で検索を試してみてください

それともう1つのポイントが「短いワードは、なるべく使わない方が良い」ということです。

フリーワード検索では、小説の「内容」だけでなく、作品タイトルや作者名(サイトによっては「あらすじ」や「作品概要」)からもワードを拾ってしまいます。

たとえば「お姫様の出て来る小説が読みたい」という時、「姫」で検索をかけてしまうと、作者のペンネームに「姫」が付いているだけで「小説には姫が全く登場しない」場合でも、検索結果一覧に出て来てしまうのです。

なので「関係無さそうな小説がいっぱい出て来た」という場合には、もっと文字数の多い「類義語」で検索し直すことをオススメします。

フリーワード検索の鍵は「ワードのセンス」と「ボキャブラリーの豊富さ」です。

自分好みの小説を探すのに、どんなワードを使えば良いのか…そして、思うような結果が出なかった際に、次のワード(類義語)を何にするのか…そのセンスと知識が問われます。

ランキングよりは、よほど「自分好み」の小説に当たる可能性が高いですが、「検索者の能力による」というところがネックになってしまう検索方法です…。

3.タグ検索orキーワード検索で探す(おまけ付きです)

小説情報のところに、内容を表す短いワードがいくつかズラッと並んでいるのを見たことがありますか?

あれがタグ、もしくはキーワードです。

(タグなのかキーワードなのかはサイトによって違います。)

タグをクリックorタップすると、「同じタグを設定している小説」の一覧がズラッと出て来ます。これがタグ検索です。

フリーワード検索と違い、タイトルや作者名などからはワードを拾わず純粋に「同じタグの小説」だけを出してくれます。

なので、だいぶ「ワードとの関連度」が高く、望みの小説を探しやすいのですが…弱点もあります。

それは「そのタグと出会わなければ、タグ検索が使えない」ということです。

「こういうタグの小説を探したい」と思っても、実際に目の前にそのタグが現れなければ、クリックorタップすることはできません。

サイトによっては、アカウントユーザーがマイページで好きなタグを設定できる(そしてそのタグの小説をいつでも探せる)ものもあります。

が、アカウントを持っていなければ、あるいは持っていてもログインしていなければ使えません。

オススメなのは、まずフリーワードでざっくりした検索をしておいて、そこで欲しいタグを見つけたら、そこからタグ検索に移行する方法です。

あるいは、よく使う「お気に入り」のタグなら、ブラウザもしくはソーシャルブックマークでブクマしておくと良いです。

タグ検索もフリーワード検索と同様「少しでもワードが違えば、出て来る結果は全く別」です。

たとえば「ざまぁ」と「ざまあ」と「ざまぁ要素あり」は全く別のタグで、出て来る検索結果も違います。

タグ検索ではフリーワード検索とは真逆で、あまり長いワードで探すのは良くありません

長いワードだと、検索結果が少ない場合が多いのです。

特に、タグが長過ぎて「文章」になってしまっているものは、タップorクリックしても、元の1作品しか出て来ません。

タグ検索と似て非なる検索方法が、キーワード検索です。

何が違うのかと言うと、キーワードの場合は「同じキーワード」だけではなく、タイトルや作者名などからも検索結果を拾ってしまうということです。

つまりはフリーワード検索と一緒なのです。

有名どころのサイトですと「小説家になろう」さん、「野いちご」さん、「ベリーズカフェ」さんが、この「キーワード検索」です。

「アルファポリス」さん、「エブリスタ」さんはタグ検索です。

(「カクヨム」さんは検証中です。)

ちなみに上記「タグは出会わなければ使えない」の弱点を克服すべく、個人的にタグを収集し「ナンチャッテ検索システム」を制作しています↓。

(レイアウトやデザイン、分類などについては試行錯誤中です…。)

ちなみにエブリスタさんはタグの頭に「#」が付くため、フリーワード検索画面で「ハッシュタグ+タグ名」でもタグ検索ができます。
タグ名を知らなければ検索できないのはフリーワード検索と一緒ですが「そのタグに出逢えなければ使えない」という欠点が若干緩和されています。


4.「この小説を読んでいる人は他にこんな小説を読んでいます」から探す

サイトによっては小説ページの下部に「この小説を読んでいる人は他にこんな小説を読んでいます」といったコーナーがあり、別の小説へ跳ぶことができます。

コーナー名だけ見ると「趣味の同じ人が選んだ小説」が出て来そうな感じですが…

実際は、ジャンルから雰囲気から全然違う、バラバラなものが出ることも多々あります。

他の検索方法では出会えないような「偶然の出会い」があり、本屋さんでブラブラしながらピンと来る本を探しているような、そんな感覚を味わえます。

なかなかピンと来る小説が無くても、適当に小説を1つ選び、その先でまた「この小説を読んでいる人は他にこんな小説を読んでいます」を探す…という風に、芋づる式に進んでいくと、そのうち、それまで見たこともなかったタイプの小説に出会えます。

個人的に、実はこれが1番好きな探し方です。

休み時間などのちょっとしたスキマ時間に、ササッと巡って、気になったものがあるとブクマする…ということも多いです。

(ログアウト状態でブラウザでのブクマのため、作品に数値として反映されてはいません。家に帰ってログインした時に改めてブクマ(お気に入り)しようとは思っているのですが、忘れてしまうことも多いです。←なので自分がブクマを付ける時は、作品の連載状況とは関係ない(最新話に対するリアクションというわけではない)、変な(?)タイミングで付けることが多いです…。)

見る時間帯によってラインナップが変わってくることもあるため、時間の無い時などは「読むのは後回しで、とりあえず気になる小説をキープしまくっておく」のが基本スタイルです。

(ラインナップの変わるタイミングは、サイトにもよりますし、同じサイトでも間隔が変わることがあります。←その小説を訪れる読者数によって変わるなど、アルゴリズムがあるのでしょうか?)

作者でもある身としては「自分の小説を読んでくれている人が他にどんな小説を読んでいるのか」気になるところですので、自分の小説をスタートラインにして、ラインナップにある小説をローラー作戦で回ることが多いのですが…

「ウチの小説、BL要素は全く無いはずなのに、どうしてラインナップが全部BL作品なんだろう…?」と、謎の現象が起こることもあります。

第3部で第二王子がお姫様抱っこで攫われたりする件が原因でしょうか…?※あくまでコメディ作品です。)

5.ジャンル(カテゴリー)別に探す

ランキング上位には、だいたい人気ジャンルカテゴリー)の作品しか載りません。

(読者が多様化して「偏り」が解消されれば、もっと多種の作品が上位に混ざり込んでくるのでしょうが…現状はそうなっていません。)

たとえば読みたいのが「SF」や「歴史小説」の場合は、サッサとそのジャンル(カテゴリー)のページに移動するべきです。

サイトによっては場所が見つけづらい場合もありますが…

小説サイトには「ジャンル(カテゴリー)ごとの小説一覧」に繋がる「入口」が、必ずあります。
(「小説家になろう」さんの場合は「なろう」の方ではなく「小説を読もう」の方へ、「アルファポリス」さんの場合は総合TOPではなく「小説TOP」へ行けばあります。)

また、フリーワード検索やタグ検索などでも、「そのジャンル(カテゴリー)の小説だけを結果に出す」という「絞り込み」ができます。

たとえば「王子」というワード1つ取っても、「王子に婚約破棄される小説」もあれば「転生したら王子だった小説」もあり「学園の王子様」や「歌舞伎界の王子」など、探しているものとは全く違うものが検索結果に出てしまう可能性は高いです。

そんな時、読みたいものが「婚約破棄…」なら「恋愛ジャンル(カテゴリー)」、「転生したら王子…」なら「ファンタジー」、「学園の王子様」なら「青春」、「歌舞伎界…」なら「キャラ文芸」(?)といった風に、絞り込みをすれば探しやすくなります

(ただし「婚約破棄…」は「ファンタジー」の中にも混ざり込む可能性があります。「異世界恋愛」系は、昨今様々なジャンル(カテゴリー)にまたがっていますので、除外するのは難しいです。)

6.完結作品だけ探す

小説投稿サイトには、完結しない作品もあるもので「それが嫌だ」という読者も多いことでしょう。

しかし「既に完結した作品だけを探す」方法もあります。

サイトによっては「完結作品ランキング」が普通のランキングとは別に存在しますし…

フリーワード検索やタグ検索の「絞り込み」で「完結」状態の作品だけを探すこともできます。

さらにはフリーワード検索で「完結」と打ち込んで探すこともできます。

ただ、この場合には「完結予定」「完結できるようがんばります」といったワードも出て来てしまいます。

オススメなのは、もう少し長く「完結済」などで探す方法…

それと、自分もやっている方法なのですが、ただの「完結」ではなく「【完結】」と「すみつきカッコ」で囲んだワードで検索する方法です。

(タイトルにコレを付けている方が多いので、探しやすいのです。カッコはパッと見「すみつきカッコ」が最多ですが「まるカッコ( )」なども見たことがあります。)

また、タグで「完結」「完結済」「完結済み」「完結済作品」などもありますので、見つけたらタグ検索してみるのも良いかと↓。

(ただ、中には完結していないにも関わらず完結タグをつけて問題になっている作者もいます。←読者に感想欄でツッコまれているのを見ました。)

ちなみに自分の場合、分かりやすいように、完結作品の最終話は「Epilogue」にしたり、章タイトルの後に「(終)」を付けたりして、完結していることが章タイトルからも分かりやすいようにしています。

7.サイト外から探す

小説を探す方法は、サイト内部の検索だけではありません

たとえばツイッターなどのSNSを使い「#サイト名」で検索すると、作者のUPした作品に関する情報がズラッと出て来ます。

ここも「ワードを少し変えると結果が変わる」ので、たとえば「小説家になろう」さんですと、他に「なろう小説」などでも検索結果が出て来ます。

(たまに誤字脱字で「小説化になろう」や「小説になろう」などもあったりするので、お暇な方は探してみると楽しいかも知れません。)

ただ、ツイッターの場合、検索結果のデフォルトが「話題のツイート」になっているため、「本当は検索結果がある」のに「何も出て来ない」ことがあります

その場合には上部にある「最新のツイート」という部分をクリックorタップして頂くと、結果が切り替わって一覧が現れることがあります。

最近はログアウト状態でスクロールしていると、別画面に切り替わってしまい、それ以上ツイートが見られなくなるのですが…

ちょっとした一手間で、ログインしなくても続きが見られますので、アカウントを持っていない方も試してみてください↓。

(InstagramやFacebookについては、アカウントを持っていませんので、分かりません。)

おそらくは、Googleやヤフー検索でも小説を探すことはできるのでしょうが…

(試しに自分の小説のタイトルで検索してみたら、ちゃんと出て来ました。)

そちらについてはまだ研究途中ですので、役立ちそうな探し方が見つけられたら、また別記事にまとめます。

ちなみに現時点で自分が持っているデータですと、他の方は「アルファポリス 恋愛」など、サイト名+ジャンル(カテゴリー)で探していることが多いようです。

さいごに、とても大切なポイント

読者の方々に、ぜひお願いしたいのが「目についた数値だけで小説を判断しないで欲しい」ということです。

新規の作品は、必ず全てが0ポイントからのスタートです。

また、読者層のかたよったサイトでは人気ジャンル(カテゴリー)以外の小説には、なかなかポイントが付かないという事情があります。

ポイントが一定期間で消滅するサイトなどでは、たとえ一時は人気のあった作品でも、完結してから時間が経つと0ポイントというものもあります。

実際に小説を複数読んでいっていただければ、自然と気づくはずです。

「こっちの小説の方がずっと面白いのに、どうしてポイントが低いんだ?」「どうしてあの小説があんなに高ポイントなんだ?」――そういうことが、必ずあるはずです。

おもしろさ…特に「自分にとって大切な作品になるかどうか」は、ポイントや順位では分からないものなのです。

そして、それこそが(その人にとっての)おもしろい小説を探すことを難しくしているのです。

「他人」のつけた評価よりも、「自分」の感覚を頼りにしてください。

そこには「あたり」もあれば「はずれ」もあり、非効率的だと思うこともあるでしょう。

ですが、効率ばかりを求めていると、ベターなものはつかめても、ベストなものは掴めないのではないでしょうか。

「急がば回れ」で、「あたり・はずれを見極める」自分の感覚を磨くことも、きっと人生の財産になるはずです。

(第一印象の良かったものが「はずれ」で、第一印象がパッとしなかったものが「あたり」というのも、よくある話かと思いますので…。)



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