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2020年8月の記事一覧

書評 天空の蜂  東野圭吾 犯人の一人の動機が弱く少しすっきりしないがエンタメとし…

久しぶりの東野作品。やはり充実の安定感だ。この人の作品は大きなハズレがないのがいい。 …

武藤吐夢
3年前
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書評 青春ノ帝国 石川宏千花  こういうの大好きだ。中学生の繊細な少女の感覚が見事…

主人公は中学生の少女。 彼女は学校も自分も何もかも大嫌いだ。 その上、目に問題のある弟の…

武藤吐夢
3年前
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書評 池上彰の世界の見方中国・香港・台湾  池上彰  中国の近代史と今がわかりやす…

池上さんの本が売れている。その理由は明快だ。わかりやすい、面白い。知識が正確だからだ。…

武藤吐夢
3年前
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書評 カロリーが足りません 終末食べあるきガイドブック 魔物グルメ編in池袋 大…

本の表紙が良くて、読みたくなった。 世紀末、気がつくと人は自分しかいなかった。 そこは…

武藤吐夢
3年前
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書評 デビクロくんの恋と魔法 中村 航  デビルとサンタクロースでデビクロ。彼の書…

中村さんというと「リレキショ」で文藝新人賞を取っており その後も純文学で活躍していたの…

武藤吐夢
3年前
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書評 御用船帰還せず  相場英雄    貨幣改悪の悪レッテルを貼られた荻原重秀の物…

荻原重秀って、貨幣を改悪してハイパーインフレ起こした悪人という印象が強い。 本書による…

武藤吐夢
3年前
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書評 臆病な都市  砂川文次   人は信じたい事実しか信じない。ミスリードされた真実は、人々の権利を侵害していく。

鳥を媒介とする病「鳧/けり」 これは新型ウイルスである。 まるでコロナのようだがニセ病だ。 公務員である主人公は、これは存在しないと思っていた。 研究者もそう言う。 延々と役所の中の対応の記述が・・・続く。 ある市長が国民の民意にそって 自分の人気とりのため・・・なのか 条例を制定し、そのまま国も巻き込まれていく いつだってそうじゃないですか。調査中た゛とか確認中だとか、そうでなければただちに重大な影響を及ぼすおそれはないと思われるなんてあいまいなことを言って、結局

書評 法廷遊戯 五十嵐律人 メフィスト賞受賞のリーガルミステリー。そのラストに驚…

メフィスト賞受賞作品です。 リーガルミステリーの傑作。 そのラストが凄い。 普通の文学賞…

武藤吐夢
3年前
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書評 漫画バビロン大富豪の教え   黄金の法則とやらに期待してはいけない。物語が…

本書は1926年に出版された バビロンいちの大金持ち を翻訳し漫画化したものです。 「The R…

武藤吐夢
3年前
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書評 野火 大岡 昇平   戦争小説の代表的なものです。すごかった。追いつめられ…

映画「野火」の人肉を食うシーン。 野火は、最近、塚本信也監督が映画化しています。 この…

武藤吐夢
3年前
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書評 捨て猫のプリンアラモード  麻宮ゆり子    料理ものの小説は、食べ物が美味…

ずっと思っていたんだけど、料理ものに出てくる登場人物って、どうしていい人が多いのだろう…

武藤吐夢
3年前
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書評 サクッとわかるビジネス教養地政学   地政学を学べば世の中の疑問が解決する…

本書を読むと、もあもあしていたものが すっきり してくる。 何故、北方領土は返還されな…

武藤吐夢
3年前
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書評 お父さんはユーチューバー  浜口倫太郎  おバカキャラのペンションの親父が…

感動の・・・という作品がある。 本書は、その手の作品であり 意図的に泣かしにかかってくる…

武藤吐夢
3年前
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書評 羊と鋼の森  宮下奈都 ピアノ調律師の世界を丁寧に描くことで、物語の深みを出している。とても心地よい作品。

本書は、ピアノの調律師の話しなのだが・・・ タイトルが妙だ。 羊と鋼の森 羊と鋼は、ピアノの構成要素(部品の材料)である。 森は、ピアノが醸し出す音をあらわしていることが読み進めていくとわかってくる。 本書の魅力は、ピアノ調律という世界をとても深く描いた その深度にあると思われる。 それを補強する形で、キャラの魅力 先輩たちのピアノへの愛情が見てとれるところだ。 形式としては、お仕事小説であり、青年の成長ストーリーという分類になると思う。 さらに、ここに美文。言葉の