見出し画像

【短歌日記】冬になりきれない日々

最期には黄色のブーケ抱きしめて旅立ちたいと冷たく願う

居場所なら「いいね!」が要らぬ場所にある四角の中で輝けずとも

君のため自分のために言い聞かす「大丈夫だよ、大きくなあれ」

口つけず家にて眠る短編集読み干す日まで続く熟成

子が育つ母の役目が減ってゆくピンクと青のオイルが混ざる

香り立つピアノの音に目を閉じて明けない夜を啜り続ける

垂れ下がるおもりを切ったショートボブ手鞠になって世界を巡る

窮屈が傷が汚れが憂鬱が点滅してる朝が始まる

目の前に実る「失敗」もぎ取って私に埋める水を与える

フリースで小春日和を受け止める私を笑う着膨れサンタ

体ごと想像力に支配され軋み弾む壊れた時計

君の名はお守りでした今はもう空っぽだけど時々そっと

この記事が参加している募集

眠れない夜に

今日の短歌

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?