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音楽話

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投稿のメインです。自分の好きな音楽を勝手気ままに取り上げ、紹介していきます。
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#音楽話

(音楽話)101: Sly & the Family Stone “I Want To Take You Higher” (1968)

(音楽話)101: Sly & the Family Stone “I Want To Take You Higher” (1968)

【有言実行】
Sly & the Family Stone “I Want To Take You Higher” (1968)その時々の社会が色濃く反映され、形を変えてきた音楽。その一方で、いまだに「音楽は政治と無関係だ」「たかがミュージシャン風情が社会問題に首を突っ込むな」などと平然と口にする方をお見掛けします。

森羅万象すべての物事は、社会と無関係では存在し得ません。そして、社会を形づくる

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(音楽話)100: Nina Simone “Feeling Good” (1965)

(音楽話)100: Nina Simone “Feeling Good” (1965)

【最高】
Nina Simone “Feeling Good” (1965)失礼、とっくに取り上げていたと思っていました。ちょうどいい、「音楽話」キリの良い100回目はNina Simoneにしましょう。

彼女抜きでは私の音楽経歴は成立しません。出会いは高校時代。姉が買ってきたジャズのコンピレーション・シリーズに入っていた”I Love You Porgy”、”Don’t Smoke In Be

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(音楽話)99: Depeche Mode “Walking In My Shoes” (2023)

(音楽話)99: Depeche Mode “Walking In My Shoes” (2023)

【道程】
Depeche Mode “Walking In My Shoes” (2023)世界的には非常に有名で大成功しているのに、なぜか日本では認知・人気が低いケースが、時々見られます。それは昔から続いている傾向で、デジタルに地平が開かれた昨今の音楽業界であっても、今だに続いています。

例えば、Tom Petty and the Heartbreakers。70年代から続いたアメリカン・ロッ

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(音楽話)98: 杏里 “Goodbye Boogie Dance” (1983)

(音楽話)98: 杏里 “Goodbye Boogie Dance” (1983)

【敬意】
杏里 “Goodbye Boogie Dance” (1983)「シティポップ・ブーム」というものを、その発祥の地・日本は今だに擦り続けています。「海外でブーム!」「日本が誇るべきサウンドが〜」とかいって。そのトレンドを焼き直して、現代のシンガーやミュージシャンがマネまでしている。

ハァ…海外での「シティポップ・ブーム」は、2,3年前にもう終わっているというのに。

確かに4,5年ほど

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(音楽話)97: Prince “Strange Relationship” (1987)

(音楽話)97: Prince “Strange Relationship” (1987)

【不思議】
Prince “Strange Relationship” (1987)

Prince。永遠の憧れ、ヒーロー、いつだってワクワクさせてくれて、いつだってドキドキさせてくれた人。屈折した「君を愛してる」と、屈折した「僕を愛してよ」を狂おしいくらい美しいメロディとリズムで奏でた人。

あれから7年。一報を聞いてその場で倒れ込んで泣いてしまった時から、私はまだあなたを追い続けている。

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(音楽話)95: James “Tomorrow” (original in 1997)

(音楽話)95: James “Tomorrow” (original in 1997)

【明日】James “Tomorrow” (original in 1997)

明日(tomorrow)という言葉があります。文字通り、明くる日。
とても強い言葉だと私は思います。なぜなら、日が明けることが前提だからです。

明日はやって来ることを、私たちはごく当然のように受け止めています。「今週の水曜は++して、金曜は◯◯があって、土曜日は〜」など。それって、明日以降が確実にやって来ることが大

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(音楽話)94: Jessie Ware “Free Yourself” (2022)

(音楽話)94: Jessie Ware “Free Yourself” (2022)

肯定でも満足でもない「自己礼賛」

自己肯定は誰にとっても生きていく上で必要なもので、意識・無意識にかかわらず、誰もが切望するもの。長年抱えてきた自己承認欲・他者からの賛同欲求が大解放されたSNS時代では、もはや当たり前。でもそれは諸刃で、自己肯定すればするほど、それを全否定して罵詈雑言浴びせる要素も存在する。また、自己肯定の意味を曲解し、傲慢で他者のそれすら踏み潰していく御仁もいる。

私は若い

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(音楽話)93: 吉田拓郎 “人生を語らず” (1974)

(音楽話)93: 吉田拓郎 “人生を語らず” (1974)

叱咤(私のただの書き殴りですすみません)

10代の頃、吉田拓郎はあまり好きになれませんでした。がなり声、粗い歌詞、フォークソングというジャンル…すっと心に入るものではなかったし、メロディが美しいとか、歌詞がカッコいいとかすら思いませんでした。

よく考えるとそれは当時、私になにかを背負っている・担おうとしている気概というか、意識が無かったがゆえ、彼の歌詞が一向に耳から奥へ届かなかったのかもしれま

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(音楽話)92: Mad Dogs and Englishmen “Honky Tonk Woman” (1970)

(音楽話)92: Mad Dogs and Englishmen “Honky Tonk Woman” (1970)

【ズルい】

Mad Dogs and Englishmen “Honky Tonk Woman” (1970)
(Joe Cocker)

英国は、定期的にソウルフルなシンガーってのが世に出てきます。古くはTom JonesやSteve Marriott、Steve Winwood、Rod Stewart…比較的最近ではLeona Lewis、Amy Winehouse…Adeleもソウルフルと

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(音楽話)91: Swing Out Sister “You on My Mind” (2013?)

(音楽話)91: Swing Out Sister “You on My Mind” (2013?)

【毒と薬】

Swing Out Sister “You on My Mind” (2013?)日本でも非常にファンの多いグループ、Swing Out Sister。80−90年代のCMやドラマ、そこかしこで流れてましたよね。ヴォーカルCorinne Dreweryの低くて深くて温かい歌声と、ポップでノスタルジックで美しいメロディ・サウンドで数々のヒット曲を生み出しました。

当初はもっとシティポ

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(音楽話)90: The Beatles “Here Comes the Sun” (1969)

(音楽話)90: The Beatles “Here Comes the Sun” (1969)

【始まり】

The Beatles “Here Comes the Sun” (1969)新たな日々。新たな1週間。
胸を張って。楽しんで。

+++++++++

[+]
太陽がやって来た
太陽が昇ってきた、言った通りだろ?
もう大丈夫さ

リトル・ダーリン、ずっと寒くて寂しい冬だったよね
リトル・ダーリン、ここにいて随分長い時間経ったみたいだ

[+repeat]

リトル・ダーリン、笑顔が

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(音楽話)89: Peggy Lee “Black Coffee” (1953)

(音楽話)89: Peggy Lee “Black Coffee” (1953)

【前向きなヤサグレ】

Peggy Lee “Black Coffee” (1953)Peggy Lee、本名Norma Deloris Egstrom。70年ものキャリアを誇った大御所シンガー。

1920年米国ノース・ダコタ州ジェームズタウンで、北欧系両親の下に誕生。カリフォルニアで働きながらデビューのチャンスを狙っていた際、当時バンド専属の新しいシンガーを探していたBenny Goodman

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(音楽話)88: Raul Midón “Spain” (2021)

(音楽話)88: Raul Midón “Spain” (2021)

【情熱】

Raul Midón “Spain” (2021)2021年2月9日、79歳で亡くなったChick Corea。彼については最近ご紹介したことがあるので、よろしければ以下を。

Chickのキャリアにおいて、クロスオーヴァーの名プロジェクトReturn To Foreverは、彼の名声を確固たるものにしたばかりか、その音楽性の汎用性、野心、追究心が無尽蔵であることを世界に知らしめた、非

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(音楽話)87: Paula Cole “I Don’t Want to Wait” (1997)

(音楽話)87: Paula Cole “I Don’t Want to Wait” (1997)

【あんまりだ】

Paula Cole “I Don’t Want to Wait” (1997)Paula Cole。1968年米国マサチューセッツ州ロックポート生まれ。ボストンのバークリー音大でジャズ声楽とインプロヴィゼーションを学び、卒業と共にプロ契約。すぐにPeter Gabrielのライヴ前座を担い、94年のアルバム・デビュー後もPeterのライヴをサポートし、”Don’t Give U

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