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【連載詩集】No.29 酒の追憶

「酒の追憶とは言っても、酒が追憶するという意味ではない。酒についての追憶、もしくは、酒についての追憶ならびに、その追憶を中心にしたもろもろの過去の私の生活形態についての追憶、とでもいったような意味なのであるが、それでは、題名として長すぎるし、また、ことさらに奇をてらったキザなもののような感じの題名になることをおそれて、かりに「酒の追憶」として置いたまでの事である。」太宰治「酒の追憶」より引用


 高校生の頃、無頼派を気取りたかったので、

「無頼派」という名前のポケットウィスキーをズボンに忍ばせていた。





















 閑話休題。


 ここまで、十二個くらい、酒の追憶を書き出していたのだが、

 なんだか、わけのわからない話ばかりなので、全部消してしまった。


 さきほどまで、上記のスペースに存在していたはずのエピソードたち。

 ジョン・ケージみたく、余白だけをお届けして、今日はもう筆をおく。



 酒の追憶など、

 ろくでもない、くだらない、間の抜けた、

 どこか、愛おしい、想い出ばかりである。



 乾杯。





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