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村嵜千草
2023年2月28日 00:21
カーテンを閉めて鍵をかけて布団に潜ろう取り憑かれてしまう前にココアを飲んで目を閉じて万華鏡に溺れよう取り込まれてしまう前に今日を閉店にして明日のロックを流して暮らしを忘れようわたしを忘れよう目を瞑ったら今日が終わり目を瞑ったら明日を忘れるひとときの安息を手に入れようさよならを思おう
2023年1月31日 11:53
何もしなくていいそれは難題だなどうすればいいんだい?何にもしなくていいんだそれは困ったなバクバク煩いものが主張してくるよ気にしなくていいなるほど、むつかしいことを言う頭から指先、お尻までこんなに揺れているのに?とりあえず寝ようおや最初と違うことを言う何もしないというのは何もしないということで寝てもいいのかいグウタラすればいいんだグウタラとはなんだろう
2022年4月9日 19:43
おねえちゃん、おねえちゃん、だいすきだよおねえちゃん、おねえちゃん、大すきだよお姉ちゃん、わたし貴方の妹で幸せよどんな貴方もわたしの姉だって気づいてほしいのよ頼らせてね 生まれたその時から側にあった貴方頼ってね わたしの一から百までを見てきた貴方大好きよ それしか出てこないの
2022年4月6日 11:07
がんばりやさんだねたよりにしてるよふふ うれしいんだキンキュウジタイにおねえちゃんがいてくれると助かるよいもうとちゃんのことよろしくねうん もちろん、まかせてよだっておねえちゃんだから雨がざーざーふったってお母さんがシュッチョウのときだって地面がぐらぐらゆれたってもちろん、まかせてよいもうとをぎゅってしてあげるごはん、つくってあげるお片付け、みんなの分もがんばる
2022年3月9日 22:05
広がる視界は暗いけどときどき笑うみたいに眩しい伸ばした手は冷たいけどどこまででも届きそうな気がする歩いて何分 何時間まだまだ何年 何百年レンズが受け止めた今この瞬間にそこにはもういないのかもしれないけどあやふやな光を永遠みたいに頼って進んで何歩 何メートル途方もなく何万キロ 何億キロむつかしいことは分からないけど遠いおかげで近くなれるから同じ月を迎えて同じ星
2022年2月21日 22:55
もう何度目でしょういつもいつも音は無くあるものを無かったみたいに喜ばれたとて 疎まれたとてなんにも気にも留めない風であなたを羨む私を仲間に入れてはくれませんか塵として埃として冷たくなって重たくなって舞って流れてどこかへ飛んで私の元へも集まって私の形にかたまって境目のないように誰にも分からぬようにあなたを羨む私を共に溶かしてはくれませんか儚くなくても美しく
2022年2月4日 12:25
明日にも一昨日にも今日のわたしはいないし1秒前にも1秒後にも今のわたしは生きてない今、今だけここに立つ今の足跡が 筆先が 追想がいつか来るイマのわたしに寄り添うだろうたまに助けもするだろう忘れたり 思い出したりしながら今を塗り重ねていくあの頃のイマにいたわたしへ居てくれてありがとういつかのイマにいるわたしへ今のわたしのこと 忘れててもいいや ちゃんと居るから
2022年1月27日 19:22
どうしても 何にも見えないのだたとえが 浮かばないのだ人の姿にも 動物にも 似ずただ そこにある物も言わず 靄を振り払うこともなくただ ぽっかりと そこにいる間抜け でこぼこ 照れ屋さん聡明 凛然 頑張り屋さん何かに見えて 何にも見えないそれだけのことが こんなにも人間を狂わせるこんなにも私に押し寄せる
2022年1月24日 19:52
2022年1月24日 19:06
「父が他界しました。」いつもと変わらない音と光に揺られて業務連絡のように届いた。お遣いを済ませました、のような今晩はカレーにします、のような。「追って詳しい日程を連絡します。」流れ作業のように雲が流れるように大切なはずの人が死んだ。葬式にも通夜にも行かなかった。行けなかった。大切なはずの人はとうに燃えて灰になった。見送れもしなかった。子どもみたいに屈託のない笑顔
2021年10月18日 11:21
心がきゅうと泣くような大手を広げて清々しいような目の眩むような果てなく心細いようなひょろりと一本 化粧の虚しいような山道をスキップしたいような土の匂いにとろけるようなつめたく突き放されるようなこびとのおどるようなしとどに袖の濡れるような体の表面に秋の真ん中の地球を感じて高い空を眺めながら
2021年10月14日 12:34
さよなら世界 ありがとわたし短いなんて知らないよ 十分すぎる長さだよありがと世界 さよならわたし溶けて溶けて溶けゆくの 土になる 水になる 大地へ還るありがと世界 おはようわたしなんて なんて 広すぎて なんて なんて 狭いのかしらおはよう世界 ありがとわたし眩しいだとか 気持ちいいだとか いったん忘れていいんだよ「揺れるカーテン 温かいスープの匂いふわふわのタオル
2021年9月21日 17:43
ねえ 筒抜けだよ「当たり前だろう 万華鏡なんだから」万華鏡って、覗いたらどんな景色なの?「そりゃあ数えきれないほど満開の華やかな景色さ」へんなの こんなまっくらのこと 華やか、だなんて「ハハ、そりゃ覗き方が悪いんだ 天に向けて光を入れてご覧」テン「お空のことだよ お日さんののぼってるこの広ーい所さ」広ーくて、まっくらで、ヒカリがハイって、オヒサンのいる、テンね「