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矛盾に溢れた自分

お酒も飲めるようになった。タバコやギャンブルも解禁。私は1ヶ月前に20歳になったばかりである。

しかし哀れなことに、20歳にして未だに、自分ってなんなんだろうという思春期みたいな悩みを抱えている。この歳になってまだ尚アイデンティティーの確立がされていないらしい。自分自身について思いを馳せることは、時にしんどくなるし、終わりが見えないので、さっさと答えを見出したいものである。

大人の発達障害と診断されたのは数ヶ月前。今まで、自分の興味ある分野には熱意がすごいことや、片付けやスケジュール管理が苦手で怠惰かつルーズであること、皆が当たり前に出来ることがなかなか出来なかったり無意識にぼーっとしてしまうことが多いため周りから「天然」と言われることが多く、(これを天然というかはさておき)自覚しているほど不器用であること……等々、自分の「人格」だと思っていたものはどうやら大半が私の「特性」だったらしい。じゃあ私の本質は何処にあるのか。

自分探しなんていう言葉があるが、自分のことがよく分からないからと言って旅に出る気にもなれない。

昔ハマっていた君に届けという漫画で、確かこんなシーンがあった。高校の進路調査の紙の、大抵志望校等を書くはずの欄に「自分探しの旅に出る」と書いている登場人物がいた。彼女の担任教師はそれを見て、「自分探しの旅って?俺の前にいるのはじゃあ誰?○○○○(キャラ名)でしょ?」と言う、というシーンである。小学校の頃に読んだのでもううろ覚えだが、子どもながらに「確かに…!」と思ったのを覚えている。

私は、接する人によって人格が変わる気がしている。もちろん誰でも少しはそういう面があると思うが、果たしてどれが本当の自分なのか?と、思春期の頃はひどく思い悩んでいた。今考えるとどれも私である。

しかし例を出そう。
私は母親に「家ではいくらでも悪口を言っていいから、外では絶対に他人の悪口を言わないように」という教訓を持って育てられた。不思議な教訓だが、この教訓のおかげで私は、大抵陰口が発端である女の子同士のめんどくさい揉め事にはほとんど巻き込まれずに20年間生きてきた。しかし、実家で母親に友達の愚痴をこぼす私と、(本当は自分も嫌いな)友達の陰口をヘラヘラ笑って聞きながしている私は、違う人格ではないか。
言いたいことを言って日々の鬱憤を発散している私と、人間関係に波風を立てない様に立ち回る八方美人の私。どちらも嫌な人格である。

基本飽きっぽいのに対して、一旦本当に好きなものが出来るとのめり込む自分もいるし、「ドライだよね」と言われることもあれば「メンヘラだよね」と言われることもある。親には「もうちょっと愛想良くしたら」と言われることが昔から多いが、友人には「いつもニコニコしてるよね、怒ることとかあるの?」とも言われる。たくさんの矛盾を抱えているのが私である。

自分って何……。自分を表す言葉が見つからない。自分の長所など更に見当たらない。ブス、根暗、卑屈、怠惰、情緒不安定、効率が悪い、人見知り…などなど、短所はいくらでも出てくるのに。そもそも自分のことが大嫌いなのだから、短所ばかりに目が行くし、長所なんて思いつかなくても当然である。まあ、就活の時にそんなことを言っていたら詰みなのだが。

いつか自分のことを認められたり、好きになったり、「自分ってこういう人間ですよ!」と言えるようになる日が来るのだろうか。そんなの想像が出来ないけれど、きっとそうなった方が人生生きやすそう。辛くなったら自分から目を逸らしつつ、のんびり自分と向き合っていきたいなあ。


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