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半年で読んだ本をふりかえる 『夜明けのすべて』ほか

読んだ本のことを覚えているのがあんまり得意ではないので、記録をつけるようにしています。三ヶ月に一度が目標だったのに、気づいたら前回からは半年以上が経ってしまっていました。引越しや仕事の変更など大きなライフスタイルの変化で、正直ほとんど内容を覚えていないものもあり、なんなら読んだことすら忘れて取り上げられないものもあるかもしれないのですが、記憶の整理のために書き残しておきます。最近のものの方がコメント多めです。


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『ざらざらをさわる』三好愛

ぽわんとした優しく、どこか儚いイラストが添えられている本書は、短いエッセイ集。タイトルのとおり、不器用だったりままならなかったり、自分が完璧じゃないときにもやさしく寄り添ってくれる一冊でした。リラックスしなきゃと必要以上に露天風呂で考えてしまうのは、私もわかるな〜と共感。

『My Life』Peco

ぺこちゃんの発信は度々目にしてきましたが、りゅうちぇるが亡くなってからぺこちゃんの生き方や動向が気になっていました。書店で見つけて思わず買ってしまいました。外にいたのにリアルに泣きながら読み、歳の近いぺこちゃんの意思の強さと愛情に勇気づけられました。

『生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由がある』岡檀

田舎の土地は同調圧力があり、住みにくいとばかり思っていました。その偏見が覆されたのがこの本です。徳島県の海部町は日本でも特に自殺率の低い町。そこで自殺率の低さの理由を解き明かしていきます。

『ぼくモグラキツネ馬』チャーリー・マッケジー

誰にでもおすすめできる本です。説教くさくなる可能性すらある「名言」たちが、やさしく紡がれている絵本。いつでも手に取れる場所において、自分にも誰かにもやさしくなれないときには読み返したいと思います。

『クリームイエローの海と春キャベツのある家』せやま南天

note創作大賞で受賞された本作。日常を温かい眼差しで振り返ることのできる一冊です。

『さびしさについて』植本一子、滝口悠生

二人の手紙のやり取りを本にしたもの。印象的だったのは、お二人が私はあまり経験のない「ご近所さん」同士であることでした。人と人との関係と日常について、静かに読み進められる一冊です。

『夜明けのすべて』瀬尾まいこ

生きることの苦しさや、頑張りたいということと理解されたいという願望。そしてそういった本心への諦め。主人公と同じ状況ではなくても、なぜか自分が体験をしているかのような切なさがあり、でも読了後には自分にも他者にもやさしくなれる本です。おすすめ。

『望まれて生まれてきたあなたへ』やまもとりえ

こちらは漫画。子供の間での格差、そこから生まれる犯罪。扱っているテーマは重いですが、やまもとさんの優しいイラストでするすると読み進められました。私は恵まれていると自覚があって、だからこそ苦しくなりました。簡単に人に勧められる本ではないけど、自分が恵まれた環境で生きてきたんだと気づいた大人には自分から読んで欲しいと感じました。

『あかるい花束』岡本真帆

恋の歌を久しぶりに詠みたくなりました。あと、大きな犬と戯れたくなる。

『荻窪メリーゴーランド』木下龍也、鈴木晴香

二人の歌に追われて、気づいたら小説の中にいるかのような読み応えでした。歌だからお話にスピード感がある感じも、好き。

『3ヶ月でマスターする世界史』NHKテキスト

これは読書って感じではないのですが、買った書籍なので上げておきます。ヨーロッパへの旅行を再開したことで、また興味を持ち始めた歴史。寝る前などの細切れな時間でゆっくり読み進めています。

『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』古屋星斗

Z世代がゆるい世代というわけじゃなく、社会の構造的な変化なんだという始まりが興味深く、ギリギリZ世代に食い込んでいるらしい私にも頷ける部分がありました。私も、後輩のことをワ〜〜Z世代ダ〜〜とか思ってちょっと驚いてしまうことも多いので、いろんな視点から学ぶ意味でも面白いです。

『灰の劇場』恩田陸

恩田さんの、ものすごく恐ろしい描写があるわけではないのに、いつの間にか物語に背後に迫られていてざわっとする感じ、が味わえた本でした。

『探しものは北欧で』森百合子

北欧に行く前に読んだ一冊。今回の短い北欧巡りでは到底まわりきれなかったですが、旅の前の高揚感を一層盛り上げてくれた一冊でした。

『やがて満ちてくる光の』梨木香歩

梨木さんのエッセイは、宗教や住まいなどさまざまな知識を土台として展開していく。旅行記をとっても、そこにあるのは今のように映えではなく、文化だった。自分は表面的なものだけを描いて満足していないだろうか。それを問い直し、そして面白がれる生き方がしたいと思うのだった。

『LOVE』Yuki

自分で出版されている本。個展に行ってあまりに素敵だったので思わず買ってしまいました。

『子どもの文化人類学』原ひろ子

ああ、人間の当たり前って、文化によって作られている価値観に過ぎないのか。そんなことを原さんのフィールドワークの経験からまざまざと教えられる本。2023年、一番面白かった本といっても過言ではありません。超おすすめです。

『47都道府県女ひとりで行ってみよう』益田ミリ

旅行中に旅行記を読むのが結構好きで、一緒に旅をしている気分になるってわけではないんだけれど、他の人の旅の仕方に興味が湧くんです。益田さんのマイペースな旅行とその書きっぷりにホッとする一冊です。

『クランボルツに学ぶ夢のあきらめ方』海老原嗣生

「夢は叶わない」そんな前提で話されると、「え?」となりますが、キャリアを考える上で夢として追いかけるよりも役立つことを教えてくれる一冊です。芸能人の言葉もあって、読みやすい。

『物語思考』けんすう

ワークにもきっちり取り組んだら、生活ごと変わりそうなそんな本でした。類書も多いですが、こちらは手を動かしてじっくり考えたい人におすすめ。

『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』林伸次

独特の香りと空気のある短編集です。お気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。

『週末、森で』益田ミリ

なんて自由で面白い生活なんだろうと、益田ミリさんの虜になってしまった一冊。とても読みやすく、そして息がしやすくなるような本です。

『はじめてのキャンプ』林明子

妹の思い出の本だったらしく、児童書ですが読みました。描かれている子供たちみんなのキャンプがなんとも言えない可愛らしさで、あたたかい気持ちに。

『愛する言葉』岡本太郎、岡本敏子

好き嫌いが分かれるかもしれませんが(そして時代的な背景から私の価値観に合わない部分も大いにありましたが)、それでも愛情のぶつかり合いというか、激しさというか、それらに刺激を受ける本でした。

『自閉症の画家が世界に羽ばたくまで』石村和徳、石村有希子

暴れる、泣くなど自閉症でときに手がつけられなかった石村嘉成氏の、ガンで亡くなった母有希子さんとその後シングルファザーとして育ててくれた父和徳さんのお話。その切実さと、アートの中の動物たちの瞳は、何か胸に迫るものがあります。


ここに書ききれていない本もあると思うので、この記事の更新を溜めすぎたことをちょっと反省しました。やっぱり三ヶ月に一度くらいは書けるといいな、、と思いながら、これからも読書ライフを楽しんでいきます!おすすめがあれば教えてください。ではまた。


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