リーダーシップ能力開発を個人に委ねる危険性
リーダーの能力開発を加速させるためには、リーダー自身の自己学習だけでなく、メンターシップやピアラーニングなどの教育要素を自社のリーダーシップ研修プログラムに組み込む必要があります。
あなたの会社では、リーダー育成の一環として自己管理型のリーダーシップ研修を実施したことがありますか?多くの場合、答えは「はい」でしょう。それは、自己管理型学習がリーダーシップ開発手法の一部であるべきだからです。
しかし、それはすべてのリーダーシップ研修が自己管理型であるべきだというわけではありません。すべてを自己管理型にすると、リーダーシップ研修の結果が不均一になり、組織全体のリーダーシップの質が低下する可能性があります。
1.リーダーシップ開発を単独で行うことのリスク
能力開発プログラムを会社が準備し、自身で好きな時に学んで良いというような自己管理型の方法だけでは必ずしも効果が出るとは限らないです。例えば、対象者の35%程度しか受講しなかったとしたらどうでしょうか。また、ほとんどの人が学習を実施しないとしたらどうなるでしょうか。普段から多忙なリーダーたちは、研修を優先することが難しいのが現状です。
また、学習コースの選択という観点で見てみると、個人ごとに好きなものを選択する傾向にあります。生じる問題としては、異なるコースを選択した複数のリーダー間で、リーダーシップに対する一貫した理解が身に付くことは難しいです。これらの学習プログラムは会社が準備しているにも関わらず、各個人の能力にばらつきが生じ、その結果、能力の把握や育成目標の進捗管理が困難になります。
もし、あなたのリーダーが成功するための知識やスキルを持たなければ、仕事は失敗に終わります。チームは苦境に立たされます。そして、業績も悪化します。では、リーダーの行動を変え、より良くするためには、どのような育成が必要なのでしょうか。
複数の形式を組み合わせて実施することを推奨します。学習者は、自己学習と目的別の正式な能力開発とのバランスを保ちつつ、自身に合わせて設計されたブレンデッド・ラーニング・ジャーニーを好むのです。グローバル・リーダーシップ・フォーキャストの調査によると、リーダーが好む学習スタイルは、「パーソナライズされた能力開発体験」です。
リーダーが成長するためには、他に何が必要でしょうか。リーダーには、新しいスキルを実践する多くの機会が必要です。また、新しいスキルが自分やチーム、そして会社の成功にどのように役立つのかを知る必要もあります。
2.リーダーに目的別能力開発が必要な3つの理由
リーダーシップ開発において、全てを自己管理型学習とし、個人に100%の責任を委ねるべきではありません。ここでは、リーダーが最大の効果を得るために、自己学習以上の要素を自社のリーダーシップ研修プログラムに組み込むべき3つの理由について解説します。
①リーダーシップは自然に身につくものではない
リーダーシップスキルは誰でも身につけることが可能です。確かに、生まれつきリーダーシップに適した傾向を持つ人もいます。しかし、それでも、誰もが生まれながらにリーダーシップの手法を熟知しているわけではありません。私たちは皆、リーダーシップスキルを集中的かつ意図的に開発し、日常生活でそのスキルを実践する機会を必要としています。
②新しい行動や習慣は、時間をかけて身に付く
新しい行動を学ぶためや古い習慣を改善するためには時間が必要です。そのため、一度きりの講座だけではリーダーシップの能力を身につけることは難しいです。効果的なリーダーシップ開発プログラムには、一定期間にわたる連続した体験と、それを強化するための活動が含まれるべきです。
③「コア・スキル(基礎となるスキル)の活用
リーダーが直面する全ての状況や課題に対応できるように完全に準備することは不可能です。しかし、リーダーがあらゆる状況や課題に対応し、自身の影響力を高めるためのコア・スキル(基礎スキル)を身につけることは可能です。これら普遍的なスキルは、リーダーのキャリア全般で役立ち、パートナーシップの推進、環境の変化、組織の変動等、様々な変化を管理するための基盤を提供します。
3.リーダーが成功するために必要なスキル領域
リーダーには、コミュニケーション能力、ビジネス判断力、自己管理能力など、いくつかのカテゴリーにまたがるスキルが必要です。
①インタアクション・スキル
インタアクション・スキルは、他者、特に自分と異なる立場にある人と有意義で生産的な会話をするための強力なスキルです。これらのスキルは、リーダーが他者の個人的なニーズと現実的なニーズの両方を満たすのに役立ち、傾聴、共感をもって対応する、助けを求める、参加を促すといった原則を含んでいます。
インタアクション・スキルを使用することで、リーダーは、人間関係を構築し、コミュニケーションを図り、仕事を成し遂げるためのポジティブな環境を作り出すことができます。一貫して使用することで、職場の文化を向上させ、収益にプラスの影響を与えることも証明されています。
②ビジネスにおける判断力
ビジネスにおける判断力とは、企業文化や戦略の優先順位に沿った意思決定を行う能力です。そして、優れた意思決定は、トップだけでなく、リーダーになりたての方々にとっても同様に重要です。
ビジネス上の判断に関連するスキルには、以下のようなものがあります。
③自己管理能力
自己管理能力とは、自身の特性を理解し、他者との協働を適切に行う能力を指します。これには、自身のスキル、個性、モチベーションを理解し、それらを活用して最大限のパフォーマンスを引き出す力が含まれます。
EQ(Emotional Quotient: 感情知能指数)と成長思考を磨くことは、個人的な成熟を達成するための2つの重要なスキルです。同様に、フィードバックに対するオープンな受け入れ態度とメンタルタフネスも、自己管理能力を高めるために注力すべきスキルの一部と言えます。
4.経営課題を解決する方法~優れたリーダーシップ
成長を求めていない企業はあるでしょうか?いや、ありませんよね。今日の競争の激しいグローバル市場で成功するためには、企業は一つひとつの機会を最大限に生かし、必要に応じて素早くピボットする必要があります。そのためには、優れたリーダーシップが不可欠です。
そして、あらゆるレベルのリーダーが最高のパフォーマンスを発揮するために必要なのが、この3つのコアスキルです。では、どのようにすれば、リーダーがビジネスの成長に必要なものを備えていることを確認できるのでしょうか。 あらゆるレベルのリーダーを対象とした基礎的なリーダーシップトレーニングを提供する、リーダーシップ開発戦略の策定から始めましょう。
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■執筆者:ヴェリティ・クリーディ
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6.会社概要
会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
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事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント
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