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過渡期にある日本企業の人事~昇進昇格の基準は、今のビジネスで成果を出せる人材なのか?

1.昇進昇格の基準とは

昇進昇格の基準は、企業や組織により異なりますが、一般的なものとして、社員の能力、職務の遂行能力、職務への意欲や協調性、自主性やコミュニケーション能力など、その社員が持つ資質や努力の程度を基準に決定されます。

また、会社の状況や実績、将来的な業績を考慮して、業務能力や経験などを重視した基準も設けられることもあります。さらに、社員への感謝の気持ちを込めて、会社内の評価や評判、先輩からの紹介なども考慮されることもあります。例えば、社員に対して特別な賞が贈られたり、社員が自主的に改善を行ったり、他社への派遣を行ったり、若手社員の育成などに積極的に取り組んだりした場合、その行為が昇進昇格の基準として評価されることがあります。

2.日本企業昇進昇格の現状

日本の企業の人事部というと、他部署の社員からは少し敷居が高いという印象を持たれがちです。会社によっては、官僚的であったり、管理的であったり、さらには、人事からの依頼には誰もノーとは言えない暗黙のパワーがある、という印象を、従業員が持っている場合もあります。

その理由の一つには、人事部が昇進昇格を決めていることがあるのではないかと思います。

ところが、最近、企業の現場から、組織の重要なポストについて、次のような声が上がっていることも否めません。

「現場か良いと思う人がいるのに、どんなに推薦しても人事部が昇進昇格させない。人事部が選抜して現場に送り込んでくる人の仕事ぶりには、問題がある。どうしてこの人が管理職になれたのか?

つまり、人事部は本当に現場で成果を出せる人材を引き上げてマネージャーのポストにつけているのか、現場の感覚と人事の認識にはギャップがあるのではないか、という批判です。

MSCの人事コンサルタントは、企業の管理職候補を対象に、昇進昇格の選抜を目的として行う能力診断(アセスメントセンター方式やインタビュー)に関して、これまで数多くの案件をコンサルタントとして手掛けています。その経験から、以前と比べて、人事部と現場とでは、求める人材要件の認識が異なる場合が多くなってきていることを実感しています。

企業の人事担当者でも、人事畑だけを歩いてきた人と、現場経験のある人では、優秀な人材に対する考え方に感覚の違いがあるようです。

3.人事部門担当者の声(一例)

あるクライアント企業の人事担当役員とディスカッションしたときのことです。

その方は、海外現地法人のマネジメントと国内のラインマネジメントの経験を経て、人事の責任者として現場から人事部に異動して約1年という方でした。「バランスの良い人材ではなく、もっと革新的なことができる人材を発掘したい。そういう人材が組織の中で埋もれていないか心配だ」という危惧をお持ちでした。

一般的な傾向として、人事は、頭が良くて、組織内の調整能力に長けている人材を選びます。日本の組織は、全体調和を重視する傾向がまだまだ強いようです。

しかし、先にも述べたとおり、今は、従来のままのやり方では、なかなか成果が出せない時代です。管理職に求められる能力もスキルも大きく変わってきています。

キャリア採用で、ある会社の人事本部長になった方が、次のようなことを弊社の人事コンサルタントに話してくださったことがあります。

「丸く収めてはいけないことを、丸く収めてしまう。決めなくてはいけないことを時間内に決められず、先送りにする。衝突を恐れて、言うべき自分の意見を述べない。こういった管理職が多いのですが、もしも海外でこういうことをすると、直属の部下はもちろん一般社員まで、そのマネージャーの能力を信頼しなくなってしまいます」。

4.今、企業に求められるリーダーとは

今、企業で求められる第一線のリーダーは、まず何よりも現実にビジネスプランをつくって、自分から動き、部下や周囲の人にリーダーシップを発揮しながら、そのプランを着実に実行できる力に抜きんでた人材であるはずです。

組織か求める人材は明らかに変わってきています。

能力ある社員は企業の大切な人的資本であり、適材適所の人材配置ができるかどうかは、今後の組織の成長のカギを握る重要な要素です。そこで求められるのは、「刻々と変化しているビシネスの現場で、今、どのような人材が本当に求められているのか」という発想の転換です。

「組織のリーダーにふさわしい人は誰なのか」という点において、人事部と現場の意識にズレが見受けられる現状には、人事コンサルタントとして問題意識を持たざるをえません。その問題解決に向けて、人材アセスメントソリューションの進化と改善をしていくプロセスは欠かせません。

5.おすすめソリューション

会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円 (令和 2年12月31日)
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント


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