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日系企業現地法人向け海外ローカルスタッフの育成・選抜ための人材アセスメント

1.海外現地(ローカル)スタッフとは

海外ローカルスタッフとは、海外の事業所やプロジェクトにおいて、その国や地域の現地で採用された従業員のことを指します。海外事業の展開に際し、現地に根差した洞察力と適応能力を兼ね備えたローカルスタッフの役割は、本社から派遣された駐在員やエクスパット(海外赴任者)と協力しながら、企業の現地でのビジネスや事業などの展開をサポートします。現代におけるグローバル化の進展は、企業にとって、異文化間の橋渡しとして機能する人材の確保を一層重要な課題へと押し上げています。この点で、ローカルスタッフはその土地特有の言語、文化、ビジネス習慣に精通していることから、企業にとって計り知れない価値を持つと言えるでしょう。

ローカルスタッフが持つ豊富な地域知識と経験は、業務の効率化を図るだけに留まらず、グローバル企業が地域コミュニティとの信頼関係を築き上げる上で中心的な役割を果たします。彼らは、企業の理念を現地の文化的背景に適合させて伝達し、地域の要望に応えうるサービスを展開することにより、企業の持続可能な発展を支える重要な存在となるのです。

これらの考察から明らかなように、ローカルスタッフの能力開発とキャリアパスの提供への投資は、人材育成の視点からも極めて重要です。彼らの潜在能力を最大限に活用し、地域コミュニティと企業との間の架け橋としての役割を果たせるよう援助することが、グローバル企業が求める多元的な組織を構築する上で必要な戦略です。

概括的に、ローカルスタッフは海外事業における単なる一要素にとどまらず、地域における企業の成長及びブランドイメージの確立において中心的な役割を果たす存在であります。彼らへの適切なサポートと育成が、企業のグローバル競争力向上の鍵を握ることに他なりません。

2.日系グローバル企業における現地ローカルスタッフの人材育成・選抜の現状について

日系グローバル企業における現地ローカルスタッフの人材育成と選抜は、組織の国際化戦略の中核を形成します。グローバルな視野を持ち、多様な文化的背景を理解し、活用する能力を有する人材は、海外市場での事業展開にとって非常に重要です。日本在外企業協会による「第12回 日系企業における経営のグローバル化に関するアンケート」調査結果からも、多くの日系企業がグローバル経営体制の構築に努めており、ローカルスタッフの重要性が再認識されています。

グローバル経営体制において、多様な運営モデルが採用されています。これは、柔軟性と効率性を追求する日系企業の姿勢を反映しています。特に、サプライチェーンのグローバル化においては、効率性の追求とローカル適合のバランスが重要とされ、これには現地ローカルスタッフの専門知識と技能が欠かせません。

ローカルスタッフの選抜には、グローバル人材の確保と育成が最大の課題です。現地管理職の育成は特に重視されており、グローバル化を推進する上で中心的な役割を果たしています。ローカルスタッフの育成方法は多岐にわたり、OJTやメンターシッププログラム、日本本社での研修などを通じて、ローカルスタッフは日系企業のビジネス慣習を学び、自己の技能とキャリアを成長させる機会を得ています。これらの取り組みは、ローカルスタッフを企業の持続可能な成長を支える重要な資源として位置づけています。

また、ローカルスタッフの選抜と育成においては、日本本社における外国籍人材の状況も注目されています。外国籍役員の存在や外国籍社員の採用は、企業の国際的な視野と多様性を強化するための要件です。

総じて、現地ローカルスタッフの人材育成と選抜は、グローバル市場で成功を目指す日系企業の戦略の核心に位置しています。これらの取り組みを通じて、企業は現地市場での成功を目指すと同時に、グローバルなビジネス環境の中での持続可能な成長を実現していきます。したがって、日系企業は人材育成という長期的な視点を持ち、組織全体でこの課題に取り組むことが求められます。

3.現地ローカルスタッフにおける人材育成・選抜の課題・お悩みについて

海外拠点におけるローカルスタッフの人材育成と選抜において、日本本社からのサポートとコミュニケーションの不足が大きな課題となっています。具体的には、以下のような問題点が挙げられます。

🔶OJT監督者・担当者として日本人駐在員のスキル・経験不足

日本企業が国際舞台での存在感を拡大し、世界各地に足跡を刻む中、駐在員の役割は一層重要な意味を持ち始めています。駐在員として選ばれる者は、単に業務を遂行するだけでなく、新たな土地で文化の架け橋となり、ローカルスタッフを導き、育成し、その地での企業の自立と成長を実現する使命を担っています。このミッションを果たすためには、即戦力となり得る経験豊富でスキルを持った人材が必要不可欠です。現状、理想に即した人材が必ずしも派遣されているわけではなく、これが地域スタッフの成長、そして結果としての企業のグローバル展開を妨げています。

🔶日本本社と海外拠点のコミュニケーション不足による帰属意識の低下

本社と海外拠点との間での重要な業務ノウハウや情報の共有における大きな障壁です。多くの場合、この重要な業務知識・ノウハウは本社に集約されており、海外拠点への移管が十分に行われていないのが現状です。これにより、現地企業が業務を遂行する上で、本社への相談や指示はうまく連携を取れず、自立して判断や行動をするケースが増え、本社に対する帰属意識の低下がしています。

さらに深刻な問題は、このようなコミュニケーションが主に日本人駐在員を介して行われることで、ローカルスタッフと本社との直接的な対話の機会が著しく欠如している点にあります。これは、真にグローバルな視点を持ち、ダイバーシティ文化やアイデアを取り入れることができるグローバル組織を目指す日系企業にとって、大きな課題の一つです。

🔶日本人拠点長の頻繁な交代によるローカルスタッフ評価のばらつき

海外拠点では、駐在員が数年ごとに拠点長として新たな挑戦を始めることは一般的な風景です。しかしながら、この拠点長の定期的な交代は、当社の貴重なローカル人材の評価に影響を及ぼし、彼らのキャリアパスに不確実性を生じさせることがあります。特に、前任の拠点長によって高く評価されたローカルスタッフが、新しいリーダーシップの下でその評価を改めて証明しなければならない場合、この変化は彼らのモチベーションや企業への忠誠心に影響を及ぼし、時には優秀な才能の流出につながることもあります。人材の育成と評価は、短期的な成果ではなく、長期的な視点に立った持続可能なアプローチを必要とします。この観点から、私たちは人材管理のプロセスを再評価し、各個人の能力と成長を支え、認める文化をさらに強化する必要があります。人材育成は中長期的な視野で取り組むべきであるにもかかわらず、それを担保する体制が日本企業において十分に構築されていない現状があります。

🔶人材育成施策・キャリアパスの不足によるローカルスタッフの離職

海外拠点における人材育成施策とキャリアパス不足の背景は、多くの海外拠点では人事機能を担うスタッフの数が限られており、従業員数に比例して人事機能に割り当てられるリソースも制限されます。これにより、ローカルスタッフの成長ニーズに応えるための人材育成施策やキャリアパスを構築することが困難になります。

また、海外拠点においては、業務内容が下流のものに限られ、上流の業務は日本本社や地域統括拠点に集中していることが多く、ローカル人材が成長を感じにくい環境になっています。そのため、一定のスキルを身につけた後にキャリアパスに限界を感じ、成長を求めて転職するローカル人材が後を絶ちません。

これらの問題を解決するためには、海外拠点単独での解決に限界があり、日本本社からのサポートが不可欠です。人事機能の強化、ローカル人材の成長ニーズに応えるための教育プログラムの提供、本社や他拠点へのローテーションプログラムの導入など、組織全体での取り組みが求められます。

4.現地ローカルスタッフにおける人材育成・選抜の解決策について

グローバル市場での競争が激化する中、日本企業は世界各地でビジネスを展開し、グローバル事業の発展・定着の鍵となるのが現地ローカルスタッフの人材育成と選抜です。この重要性に鑑み、日系企業が直面する課題に対する実効性ある解決策は以下のように考えております。

🔶グローバルコンピテンシーモデルの構築

世界市場における活躍の土台として、「グローバルコンピテンシー」の構築が挙げられます。これは、異文化間の理解深化、多言語能力、国際ビジネス戦略への洞察など、国際舞台での活躍に欠かせないスキル群を包含します。

企業は、本社従業員とローカルスタッフにこれらのコンピテンシー・スキルを習得させるため、グローバルコンピテンシーを強化する教育プログラムや現場実習を実施する義務があります。これにより、スタッフはグローバルなビジネス環境での挑戦に対応するための実践的な能力を獲得することができます。

また、「ダイバーシティ」の尊重により、異なる文化的背景を持つ人材の採用を積極的に進めることで、多様な視点からの革新的なアイデアや解決策を引き出すことが可能となります。

さらに、グローバル人材の選抜においては、グローバルコンピテンシーを持つ人材を見極めるための人材アセスメントの導入が有効です。アセスメントを通じて、候補者の異文化理解度、コミュニケーションスキル、協働能力などを評価し、組織のグローバルな目標達成に貢献できる人材を選出します。

🔶日本本社におけるグローバル人材の育成の促進

日本本社での「グローバル人材」の育成もまた、極めて重要です。本社の人材に対し、国際市場への理解を深める研修や、海外勤務の機会を提供することにより、国際的な視野を持つ人材を養成することが可能です。これにより、日本本社と海外拠点間の円滑なコミュニケーションが実現し、グローバル戦略の策定及び実行において、組織全体が一丸となって取り組むことが可能となります。

🔶グローバルタレントマネジメントと人材アセスメント活用の両立

グローバルタレントマネジメントは、世界各地に散らばる優秀な人材を効果的に管理し、組織のグローバルな戦略を支えるための重要なプロセスです。これには、人材の発掘、育成、選抜、そして適切な位置づけが含まれます。

グローバル人材育成では、個々の能力やキャリア目標に応じたカスタマイズされたプログラムを提供することが重要です。これにより、ローカルスタッフは自身の能力を最大限に発揮し、組織のグローバル目標達成に貢献することができます。

人材の選抜においては、グローバルな業務に適した能力と姿勢を持つ人材を正確に評価し、選出することが求められます。これには、適切なな人材アセスメントや適性評価が不可欠です。

最後に、適切な位置づけにより、優秀な人材がその能力を最大限に発揮できるようにすることが重要です。これには、適切な役割の割り当て、キャリアパスの提供、そして適切な報酬体系の構築が含まれます。これらの取り組みにより、組織はグローバルな競争力を高め、持続可能な成長を実現することができます。

5.グローバル多言語階層別人材アセスメントソリューションズほか

🔵経営幹部向けアセスメントセンター方式~エグゼクティブ・アクセラレーション・センター

・分類​:シミュレーション型診断およびパーソナリティ診断テスト​
・対象階層:​上級管理職(執行役員・部長)
・対応可能言語​:日本語、英語

🔵上級管理職(部長職以上)向け能力診断オンライン・シミュレーション・人材アセスメント~Leader3 Ready®

・分類​:シミュレーション型診断およびパーソナリティ診断テスト​
・対象階層:​上級管理職部門長、部長などの管理職
・対応可能言語​:3言語日本語、英語、中国語(簡体字:中国本土、
       シンガポール、マレーシア、繁体字:台湾、香港、マカオ)​

🔵初級・中級管理職向けオンライン・アセスメント~Manager Ready®

・分類​:シミュレーション型診断
・対象階層:​初級・中級管理職​
・対応可能言語​:10言語日本語、インドネシア語、ポルトガル語、
       中国語(簡体字&繁体字)、英語(アメリカ、イギリス、
       インド)、フランス語、​ドイツ語、スペイン語、ロシア語、   
       トルコ語​

🔵リーダーシップ・ポテンシャルを早期に特定するオンライン・アセスメント~Early Identifier®

・分類​:パーソナリティ診断(選択回答のみ)
・対象階層:​入社10年未満の一般社員、
      入社3年目以降の次期管理職候補者、管理職志望者​
・対応可能言語​:10言語日本語、インドネシア語、ポルトガル語、
       中国語(簡体字&繁体字)、英語(アメリカ、イギリス、
       インド)、フランス語、​ドイツ語、スペイン語、ロシア語、   
       トルコ語​、タイ語

🔵初級管理職・次期管理職候補向けオンライン・アセスメント
~Leadership Snapshot

・分類​:パーソナリティ診断(選択回答のみ)
・対象階層:​初級・中級管理職
・対応可能言語​:4言語:日本語、英語、フランス語、スペイン語​

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7.会社概要

会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント

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