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「部下をできる人に演出する」と仕事は回り出す~成果が上がり、部下にも慕われる!~

部下を持つと思うようにいかないことが増えるもの。最初は戸惑うことも多いです。「なぜ思ったとおりに動かないんだ」と心の中で叫んだことのある人も少なくないのではないでしょうか。

しかし、部下には部下の世界があります。上司だからというだけで、部下を思いどおりに動かすことなんてできる訳がありません。

それでは、部下はどう考えているのでしょうか。それは、

・「できる人」と思われたい
・有能な上司になら従ってもいい
・やった仕事は自分のプラスになってほしい

どうでしょうか。あなたが部下だった頃を思い出してみてください。あなたは上司として、部下のニーズを満たすことができているでしょうか?

しかし、以下の3つを行えば、あなたは慕われる上司に生まれ変わります。その3つとは、

・部下が周囲から「できる人」思われるように演出する
・有能な上司であるかのように徹底して「演じる」
・その仕事が部下にとってどんなメリットがあるかを示す

部下が周囲から「できる人」と思われるように演出する

何か難しいことをする必要があるわけではありません。あなたが「この部下は『できる部下』だ」というメッセージを発信すればいいだけです。

では具体的にどう発信すればいいのでしょうか。

「××(部下)さんは本当に優秀でね。私もうれしい限りだ……」

実はこれでは十分と言えません。何も言わないよりはマシですが、表面的な言葉だけで伝えても大きな効果は望めません。

さらに、このように語る上司は必ずしも良い上司とは限らないものなのです。なぜならば、部下のためを装っていても、自分が良い上司であることを相手に印象付けたいためにやっている上司もいるからです。そして、それを部下も敏感に感じ取ってしまいます。

本当に部下からの信頼を得たいならば、このような口先だけの褒め方をしてはいけません。ではどうすればいいのでしょうか?

周囲から見たときに、「できる部下」と思われるように仕立て上げる必要があります。具体的には、周囲の目に見える部分を、徹底的に「できる」ように指導します。ただし、見せかけではいけません。その一部分に集中して、本当に「できる部下」にしてしまうのです。

たとえば、取引先で簡単なプレゼンをする、社内で短いスピーチをする、会議資料をA4用紙1枚で作成する……。このようなピンポイントの出番で構わないので、部下が特定の分野でゆるぎない自信を持てるように徹底的に指導します。一部分でも輝けば、全体も次第に輝きはじめます。筆者は、そうしたケースを過去にたくさん見てきました。そして、そのきっかけをつくるのが上司であるあなたなのです。

ここでのポイントは、簡単なことから手をつけること。難しいことを頑張るよりも、簡単なことで頑張るほうがより輝いて見えるからです。

そして、本番が終わったら、いよいよ演出も終盤です。

「さすが××(部下)さん! ここまでできるなんてすばらしいね!」
「想像以上で、本当に驚いたよ!」

周囲に向かって、あなたの想像をも超えていたという驚きの声をあげます。――間違っても私が手塩にかけて指導したからだ、などと口にしてはいけませんよ……。

すると、誰の目から見ても、「できる部下」だという印象が残ります。周囲からの見る目が変われば、部下も変わっていくものです。そして部下は自ら「できる」ようになろうと努力しはじめます。

有能な上司であるかのように徹底して「演じる」

あなたなら有能な上司とそうでない上司、どちらに従いたいでしょうか? ほとんどの部下は、有能な上司にならば従ってもいいと考えるものです。

ところが、本当に有能な上司はそれほど多くはいません。それでも、うまくやっている上司が多いのは、有能に見えるように演じているからなのなです。演じれば、本当の実力以上に「できる」と見せることができます。

それでは、どのような上司が有能に見えるのでしょうか。

・誰に対しても態度を変えず、部下の味方をする
・優しいだけではなく、厳しい意見を言う
・いつも幸せそうにする

誰に対しても態度を変えず、部下の味方をする

誰に対しても態度を変えないことは、周囲には「自信」として伝わります。自信があるから、堂々としていられるのだと見えるのです。そして、態度を変えないことで、周囲からの信頼も集まります。

万が一、あなたの上司と部下の間で誤解が生じたとしたら……。そんなときは、必ず部下の味方をしましょう。間違っても上司の味方をしてはいけません。そのようなことをすれば、間違いなく部下からの信頼を失ってしまいます。逆に、上司の味方をしても、上司の目からは「小者」と映るだけ。部下を守ることで、部下からの信頼も得られ、上司からの信頼も獲得できることを肝に銘じておきましょう。

優しいだけでなく、厳しい意見を言う

部下に優しく寄り添い、丁寧に指導することは大切です。でも、ただ優しいだけではいけません。ときには、厳しい意見を言うことで、さらに信頼が高まります。

もちろん部下を褒めることは大切です。でも、仮に5つ褒めたら、1つは厳しい意見を言いましょう。

「確かに××はすばらしい。でも△△することも大切じゃないかな」
「××は確かに十分だと思う。さらに上を目指して△△をするべきじゃないかな」

部下を褒めるだけで、よい上司になったつもりになってはいけません。褒めるだけで終われば、それは単なる「いい人」です。でも厳しい一言を添えれば、「できる上司」に変わります。それは部下をさらに伸ばすための言葉となります。

いつも幸せそうにする

幸せそうにしている上司と深刻そうにしている上司とでは、あなたならどちらの部下になりたいですか? ほとんどの人にとっては、幸せそうにしている上司の方がいいはずです。だからこそ、まず今のあなたを幸せに見せるようにしましょう。

そのためには、自分で自分にOKを出さなければなりません。あなたのすべてをOKとします。すべてはここから始まります。あなたのすべてが世界に受け入れられているとイメージしてください。あなたは幸せな上司です。

それでは、この「幸せ」という感覚を部下に向かって表現してください――。

あなたならどう表現しますか? 「私は幸せだ!」と叫びますか? それはそれで効果的かもしれませんが、それだけでは十分とはいえません。

あなたの幸せの表現は、仕事の中で行うのが最善です。幸せだからこそ、仕事に情熱を向けることができます。幸せだからこそ、自分の成長を望むことができます。あなたが幸せであれば、もう他人と比べる必要もありません。

あなたが乗り越えるべきものは、他人ではなく、今のあなた自身なのです。あなたが成長する姿を見せれば、感銘を受けない部下はいないでしょう。成長していく上司は、部下にとっても大変に魅力的に映ります。

その仕事が部下にとってどんなメリットがあるかを示す

あなたには部下に任せている仕事がありますね。その仕事がなぜ必要なのかをしっかりと部下に伝えていますか? 部下に仕事を任せるならば、必ず仕事の全体像も一緒に伝えなければなりません。

そして、ここからが一番大切なポイントです。それは、この仕事をすることで、その部下にどんなメリットがあるのかをしっかり伝えること。

「この仕事をすることで、××の能力が伸びます」
「この仕事を達成すれば、社内で××と評価されます」

部下のどの能力が伸びるのか、部下の将来にどのように役立つのかをしっかりと伝えます。すると、部下は本気で動き始めるものです。

そして、さらに一歩踏み込んで、やるべきことを部下の口から言わせるようにします。人は他人に言われたことはなかなか実行しませんが、自分で口にしたことは、実行しやすいからです。

「それでは、やるべきことを繰り返してみて?」

もし言えなかったとしても、「これとこれだよね。もう一度言ってみて?」と、必ず部下の口から言わせるように仕向けます。

コーチングやカウンセリングがビジネスの場で効果的なのは、相手の口から言わせるからです。相手の話を「聞く」からではありません。相手に「言わせる」ことにこそ、本当の効果があるのです。だから、必ず部下の口から言わせるようにしましょう。


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