5分間の沈黙~カウンセリングマインド~

月曜日にかなり暖かくなるという天気予報を見て、北国にもようやく春の訪れを感じ始めました。グラウンドにはまだ雪が残っていますが・・・
こんにちは。特別支援学級教員13年目のMr.チキンです。
今日はカウンセリングマインドについてお話をします。

”カウンセリングマインド”とは

”カウンセリングマインド”とは、カール・ロジャースという方が考えた「来談者中心療法」から作られた和製英語です。
カウンセリングの際の姿勢や考え方がまとめられています。
その中でも、ロジャースの3原則という考え方は有名です。

【ロジャースの3原則】
1.共感的理解 (empathy, empathic understanding)

相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。

2.無条件の肯定的関心 (unconditional positive regard)
相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。そのことによって、話し手は安心して話ができる。

3.自己一致 (congruence)
聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する。分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反する

厚生労働省「こころの耳」より

これらの考え方を大切にし、クライエントの言葉・心に寄り添うという手法の総称です。
私は、これらを大学の心理学で学びました。
そして、子どもからの聞き取りや保護者面談で、その人が話しやすい雰囲気を作るのに役立ててきました。

心理学の先生が言っていた”5分間の沈黙”

その心理学の授業の中で、カールロジャースが実際にカウンセリングを行っている動画を見ました。
日本語で解説がついていたのですが、

カール・ロジャースはこのあと、クライエントとの間に5分間の沈黙をつくったのだ。

という解説が入りました。
そして、心理学の教授は、

沈黙を与えること。それによってクライエントは心の中を整理し、言語化する。カウンセリングは、その時間を保証しなくてはいけない

と補足しました。

教育現場で”沈黙”を考える

教育現場で”沈黙”を考えるとどうでしょう。
例えば一対一の指導。
私たち教員は子どもに対して思考を整理する時間を与えているでしょうか
例えば授業中。
手を挙げて発言することばかりをねらい、沈黙する時間を嫌ってはいないでしょうか
例えば保護者面談。たくさんの情報を保護者と共有しなくてはいけないことから、矢継ぎ早に話していないでしょうか

カールロジャースから教わることはとても多いです。
私も沈黙は苦手なタイプですが、子どもと接するときはできるだけ意識して沈黙を作るようにしています
一度沈黙を作ってみると分かります。
子どもたちはその間にたくさんのことを考えるようです。

もしよかったら、試してみてくださいね。
では、またね~!

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