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moyami
2024年4月24日 01:16
「こういうの自分で撮っててさぁ、」この後に、続く言葉を私は知っている。私のSNSを目の前でスクロールしながら、冷たい視線を注ぐ彼が、次に口にする言葉を。「恥ずかしくね?」ほら、そういうと思ったよ、と私は頬が緩んだ。「どうでしょう?」そうやって笑いながら、真っ白なマグカップを口元へ運ぶ。私は彼を嫌いながら、同時に隅々まで彼の心理が手に取るように分かる。一生懸命になることで
2021年4月14日 17:12
街中で聞こえてくる「かわいい」と、「楽しかった」という感情はどちらの方がより軽率なものなのだろうか。もしかするとどちらもそうではないのかもしれない。無意識のうちに、素直に口から溢れでた、温かいままの感情なのかもしれない。「楽しかったらそれでいい」なんて言葉はとても便利であって、肯定文にだって言い訳にだって使えてしまうのだ。「楽しい」という感情は割と手の届きやすいところにある
2021年4月4日 15:10
お花見だなんて気分でもない時に、桜を見ながら歩こうなんて誘いを受けた。桜がどこに咲いているのかすら知らない私と、このルートが綺麗なんだと率先して歩く目の前の人。桜の景色よりも、公園で食べたサンドイッチをよく覚えている。知らない人が犬の散歩をしながら話しかけてきて、きっと話しかけてきた人は日本人じゃないねなんて話をした。それ以外は何も思い出せない。その日本人ではないで
2020年2月22日 19:03
彼女は、事務もできて、他の仕事もなんなくこなすけど「俺なんかさ…」君も、パソコンできるし、此処に居なくても生きていけるだろうけど「俺なんかさ…」彼はさ、普通の仕事が本当はできるはずなんだよ。だから、どこに行っても困らないけど「俺なんかさ…」彼は、いつもこうやって卑下し、自分のことを話してきていた。暖かい癖に、孤独な人だと思った。一度彼に尋ねてみたことがある。「寂しくないです