薬物中毒が蔓延しているアメリカ🇺🇸
先日のブログでコロラド州を紹介しました。
美しい山、観光鉄道に温泉、先住民の遺跡など風光明媚で食べ物のおいしいところです。
しかも「地球の歩き方」によれば1年のうち約300日は晴天で湿度も低く快適。
代表的な見所もすべて徒歩圏で歩いて観光できる街となっています。
ところが、街デンバーに行ってみると、街のメインストリートの角毎に、明らかに薬物中毒と思われる人たちが立っていたり、路上に座っていたり、寝ていたりするのです。
正直言うととても安心して観光できる雰囲気ではありませんでした。
観光用の無料のシャトルバスがあるのですが、乗っている人が怪しすぎて怖くて乗れませんでした🙇
アメリカではヘロインやコカインだけではなく、誰でも手に入れることのできる鎮痛剤によるオピオイド中毒が深刻です。
年間の死者は8万人。
2016年トランプ大統領がオピオイド・クライシスとよびました。
人類は古代から鎮痛剤としてアヘンを使っていました。
しかし、アヘンには中毒になるという欠陥がありました。
そこでアヘンの鎮痛効果だけを取り出すことができないかと研究した結果新たな鎮痛薬が生み出されます。
しかし、1804年生まれたモルヒネは南北戦争で40万人の中毒患者を生みました。
また、1898年に生まれたヘロインはベトナム戦争で50万人の中毒患者を生みます。
そして1984年、製薬会社パーディ・ファーマは鎮痛剤オキシコンチンを生み出します。
本来オキシコンチンは末期のがん患者の激しい痛みに対応するものでした。
ところが製薬会社は売り上げを伸ばすため薬の適用範囲をスポーツのけがや腰痛、歯の痛みにも広げました。
そして薬物依存症が広がっていったのです。
飲みやすい錠剤にし、効果が12時間続くとして1日2回の服用でよく、中毒のリスクは1%未満、乱用や慢性化の危険性もないとしたのです。
個人病院に働きかけ、処方箋で簡単に手に入るようにし、高齢者や低所得者の保険も使えるようにしたのです。
その結果、処方箋の数は1996年の31万6000から2001年には718万にも増加しました。
製薬会社は大儲けです。
他の製薬会社も市場に参入するようになります。
オキシコンチンが、過激な鎮痛剤が手に入りやすくなり、依存へ。服用者は更にどんどん過激な薬を求めてしまうのです。
薬物依存になるきっかけは事故やけがで鎮痛剤を処方されたことが多いようです。
誰でもなる可能性があるのです。
日本ではアメリカのような強力な鎮痛剤は使われていないようです。
しかし最近若者の間で市販薬のオーバードーズが問題になっています。
日本も簡単に薬が手に入る国です。
市販薬は依存性も強いのです。
また、ネットでも最近は簡単に外国の薬を買えたりします。
日々のつらい気持ちをやわらげるためについ薬に手をだしてしまうことがあるかもしれません。
アメリカでは依存症を治療するためのカウンセリングなども充実しているようです。
日本でも薬物中毒の危険性についてもっと警告していくべきではないでしょうか?
薬物中毒になるきっかけは身近にあり、誰もまさか依存症になるとは思わないのです。
執筆者、ゆこりん
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