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選挙結果振り返り(2024 7.21投票)


 9件の選挙が有った昨日。 濃い選挙が並びましたが、それらをまとめてひと言でまとめるならば、

「裏金問題は終わっていない!!!」

 コレに尽きます。 ボリュームたっぷりでお届けする今回の振り返り、是非御堪能下さい。




◎福島県・須賀川市長選挙

 4期務めた現職が引退を表明し、次の座を元市議会副議長と前市議会議長の新人2人で争う一騎打ちは、前市議会議長が初当選を果たしました。

 62歳の前市議会議長が53歳の元副議長を破る結果は意外でしたが、情勢報道も前議長がリードしていたようですし、立候補予定の現県議(自民)が出馬を取りやめ前議長支持に回ったコトも大きかったのでしょう。
 より党派性の強い選挙をしていてSNSを駆使していたのは敗れた元副議長側でしたが共に自民系で政策も大きな差が無く、それならば現役市議だった前議長を選んだというコトなのでしょうか。

 ただ、敗れた元副議長は「安藤」さんで、その名前から票が流れるかなぁ・・・とも思っていましたが、それは無かったようですね。 それについては次の選挙を見ていただけると。


◎福島県・須賀川市議会議員補欠選挙(定数1/2人)

 市長選に出るために辞職して空いた議席を埋める選挙で、元青果業の男性と会社役員の女性の一騎打ちで争い、男性候補が当選しました。

 市長選の候補が50代と60代前半に対し補選の候補が共に70代中盤というのが面白いトコロですが、男性候補の無投票当選だと見られる中、当日に女性候補が滑り込みで立候補。 ところが選挙公報を作り込んだのは女性候補の方で男性候補は思いっきり「手書き」の公報でポスターもA4サイズと小さめだったため、女性候補有利と見ていましたが、選挙期間中の木曜日、

 男性候補の自宅兼選挙事務所で火災が発生し、焼け跡から候補の御長男が遺体で発見されるという痛ましい事態が起き、それにより候補の名前がニュースで流れるコトになり、それにより “同情票” が入った側面は否めないかなぁ、と。 選挙結果に影響を及ぼすような報道は選挙の公平性に影響を与えたかもしれませんが、コレばっかりは仕方ないですよね・・・

 と、この件が有ったので男性候補と同じ名字な市長選元副議長に票が集まるかとも思いましたが(両候補に血縁関係は無い模様)、サスガにそのようなコトは無かったようですね。

 なお、福島といえば高橋翔プロ(通算成績:0勝14敗)ですが、彼が市長選と市議補選のポスター紹介動画を出しています。 その中で、とても文字として残せないようなヤバい情報を出しています。 知りたい方はこちらからリンクに飛んでいただいてご覧くださいませ。


◎栃木県・小山市長選挙

 2期目を目指す現職と6期務めた市議を辞して挑む新人の一騎打ちは、現職が2選を果たしました。

 栃木県第二の都市である小山市。 現職は前回現職を破り初当選し今回の選挙は盤石・・・ というワケにはいかず、6期も市議を務めた自民の市議が立候補してきました。
 新人は発表だと「無所属」になっていますが自民党所属ですし栃木の自民国会議員や近隣自治体の首長がガッツリ応援し、市議も27人中17人の自民系市議プラス公明市議3人の計20人が新人支持に回っていて組織も支援も万全。 告示前の時点で市長候補に20人の市議それぞれとの二連幟が建ち並び、市議は某匿名掲示板にも書き込んでいるというウワサが出るほどの熱の入れようです。
 そうなると現職は「非自民」となり立憲や共産が支援しているというコトですが、組織力総動員の新人とのコントラストでそう映るのか実際そうなのか分かりませんが先に立候補表明したにも関わらず「選挙運動が遅れた」という声が出ているようで、かなり厳しい戦いになると思われていましたが、現職は新人陣営の上記の選挙運動を批判し、投票率が6ポイント下がる中でも現職の実績が新人の組織力を破って当選を果たした形です。

 と、いうワケで、「保守王国」栃木で、投票率が下がる中で有利に働くハズの組織戦を展開したハズなのに、敗れてしまった自民系新人候補。

 先月行われた鹿沼市長選に続いての敗戦です。 準備期間が短かったとはいえ前述の通り組織力を生かし猛烈に追い上げ、明らかに本気で獲りに行っていたのに、敗れました。 栃木自民を代表する茂木幹事長、涙目です。 会合でアメリカ大統領選に触れ「トランプ氏が『ほぼトラ』から『確トラ』になった」と語ったようですが、地元の候補に『当確』を出すコトは出来なかったようです。

 思えば鹿沼市長選が行われた6月上旬は自民国会議員の裏金問題に対する風当たりが最も強かった時期でした。 そこから沖縄県議選や東京都知事選などを経て風当たりが弱まったと言われる中で迎える今回の選挙でしたが、このような結果が出て、裏金問題の影響はまだ続いている。 何も終わっていないと証明する結果となりました。 この結果は国政にも影響を与えると思われます。


◎千葉県・印西市長選挙

 4期目を目指す現職に新人5人が挑む全員無所属の選挙は、唯一議員首長経験が無い新人候補が初当選を果たしました。

 前回は現職と「アベノマスクブラ」のN国候補(現無所属の港区議)による一騎打ちで盛り下がりに下がりましたが、今回は新人5人も出てくる大混戦になり投票率も前回から12ポイント上昇しマトモな選挙戦になったコトが、まずは何よりでした。

 現職は77歳。 発展著しい印西市を見れば実績は抜群ですが当選して任期満了すれば81歳なのが懸念材料に対し、市議3人と元県議(※船橋市選出)という顔ぶれの中、印西市出身ながら唯一議員首長経験が無い新人が当選。
 新人同士で票が喰い合う可能性が高く、何なら誰も法定得票率(25%)に達せず再選挙になる可能性も有る中で抜け出して一発当選。 Googleの日本センターが有る印西市に相応しい「顔」だと選ばれたのは「政府系金融機関」「外資系戦略コンサル」「政策シンクタンク」という真新しい職歴と、“ペライチ” ではなく複数ページを綴ったマニュフェストを全戸に配ったという強い選挙運動。 そして近隣自治体の議員が為書きを出しており、ある程度周囲の応援を受けていたコトが当選に繋がったものだと思われます。

 しかし、選挙中は現職に為書きを出していたのに、新人が当選した途端「祝 御当選」と書かれた為書きをいけしゃあしゃあと贈った猪口・豊田の両参院議員の厚顔無恥っぷりっは、もう、もぅ・・・・

※7/23 追記

 書き忘れたコトが有ります。 当選した藤代氏、前述の通り刷新感の有る真新しい職歴ですが、調べていくと彼は「林英臣政経塾」出身だと分かりました。
 林英臣氏。 あまり知られていない人物ですが、松下政経塾の一期生であり、より「和」よりのビジュアルや思想で未来の政治家を育てており、林氏が講師を務める「国会綜學勉強会」の世話人として名を連ねる国会議員に、

・宮下一郎氏 ・國場幸之助氏 ・足立康史氏
・井出庸生氏 ・源馬謙太郎氏 ・杉田水脈氏

がおり、卒塾生には神谷宗幣参政党代表や南出賢一泉大津市長(※反ワク)などがいて、神谷氏はここで学んだコトを礎として「龍馬プロジェクト」を立ち上げています。 卒塾生全員「アレ」だと断じるつもりは有りませんが、少し、いや、かなり気になる経歴で、今後の印西市の「方向性」が変わりかねないかと心配しています。 杞憂に終わればイイのですが・・・


◎千葉県・印西市議会議員補欠選挙(定数3/6人)

 市長選に出馬した3候補の議席を埋める選挙で、立憲公認候補1人と無所属の5人で争った選挙は、立憲公認候補と女性新人2人が当選しました。

 唯一の政党公認候補である立憲公認候補は昨年の市議選本選に無所属で出馬してブービー落選している人で本人は弱く、今回は立憲の金看板を背負って再挑戦となりましたが、立憲とか共産は「補選」に弱いのでイロイロ大丈夫かと思いましたが多くの候補が出ている中で「政党公認」という分かりやすい設定のおかげでトップ当選となりました。

 残りの5人は元職2人と新人3人で女性新人2人が当選したのですが、そのうちの1人が市長選に出ている元県議のパートナーさんで、常に二人一緒に活動している様子が “カップル系YouTuber” のようでしたが、恐らく元県議は市議補選にパートナーさんを当選させるために “ニコイチ” で選挙運動を展開するのが目的の「かかし候補」だと思われ、そのおかげか当選。

 そしてもう1人の「空手日本一」をアピールする30代女性ですが、先週の段階では気づいてなかったのですが市長選に出ていた女性候補の妹さんだったようで、明らかに情勢不利な中で市長選に出ていた女性候補も、もしかしたら妹さんを当選させるための「かかし」だったのかもしれませんね(※2人一緒に選挙活動していた様子はナシ)。

 コチラの記事でも指摘されていますが、「首長」と「議員」という二元代表制の双方が近親者ってのは良い関係性ではないですよね。


◎福井県・小浜市長選挙

 5期目を目指す現職に2期務めた市議を辞した新人が挑む20年ぶりの市長選は元市議が初当選を果たしました。

 現職は初当選から一度も選挙を戦ったコトが無く、県議時代の2007年以来の選挙です。 そんな状況がまかり通ってきたのは福井2区選出のパンツ高木毅衆院議員の影響力が絶大だったからでしょう。 ただし、高木氏は自民党の裏金問題で現在党員資格停止中(~今年10月まで)。 表立って支援できる状況になく、代わりに福井県知事や稲田朋美衆院議員や山崎正昭参院議員から為書きが贈られ、支援していました。
 一方、新人は地域政党「ふくいの党」の立ち上げメンバー。 ふくいの党は2023年の統一地方選後に県内の県議・市議で結党した出来立ての政党。 僅か2年で首長獲りを達成しました。 もうこの地域政党の存在を軽んじるコトなんて出来なくなるでしょう。
 確かに同党は維新っぽい雰囲気が有ったり今回の市長選も京都の村山祥栄氏(※今年2月の京都市長選出馬前に架空の政治資金パーティーが発覚し当選濃厚な市長選で没落した人)が支援していたりと怪しい部分も有りますが、だからといってパンツ高木氏を始めとする自民党の独占や驕りが続いてイイわけもなく、今後どうなるにせよ変化は必須なので良い結果といえるでしょう。


◎福井県・小浜市議会議員補欠選挙(定数1/2人)

 市長選に出た議員の席を埋める選挙で、会社役員の50代男性とカギ修理業を営む50代女性の一騎打ちは女性候補が当選しました。

 現在小浜市議会は定数17に対し女性議員は僅か2人。 選挙公報を見ると男性候補が強そうに見えましたが女性候補が当選し、3人目の女性市議誕生です。 これも良い結果だと私は思います。


◎鳥取県・江府町長選挙

 3期目を目指す現職に会社員の新人が挑む一騎打ちは現職が3選を果たしました。

 コチラの現職も初当選から全て無投票当選で、しかも他の政治キャリアが無いので初の選挙戦となります。 人口が最も少ない鳥取県で最も人口が少ない自治体が江府町(約2,500人)。 行政の停滞は町の停滞に繋がるのでここらで刷新を・・・ と行きたいトコですが、相手候補は現職より10歳年上。 どうやら「無投票阻止」のために立候補したようで、それは心からリスペクトなのですが、どうやら大勢は決まっているように見えました。
 結果こそ現職が当選しましたが新人は43%の得票率を獲得。 確実に現職批判票の受け皿として役割を果たしました。 出馬してくれてありがとうございます、です。

 ところで、この選挙で「全国初」という試みが行われました。

 投票所の「オンライン立ち会い」。 全国で見られる投票所削減の原因のひとつに投票所に必要な「立会人」が確保できないという理由も有るようで、その対策としてこのシステムを(今回は期日前のみですが)導入されました。
 立会人は「2人以上5人以下(期日前投票は2人)」と決まっていて、投票所には1人いてもう1人を会議室からモニターで監視するという形で実施されましたが、途中でモニターに映像が映らなくなり急遽投票所にもう1人の立会人を用意して投票を継続。 25分後に復旧しオンライン立ち会いも継続されたようです。 投票所削減は有権者の投票行動を阻害しかねない愚策なので、こういった試みで何とか投票所を維持していただきたいものです。


◎沖縄県・那覇市議会議員補欠選挙(定数3/7人)

 先月行われた県議選に多数の候補が出馬したために空いた議席を埋める選挙で、元職4人、新人6人が7議席を争い、元職4人新人3人が当選しました。

 内訳は県議選に出馬するために辞職して落選し、この補選で自分で空けた議席を取り戻しに来た自民、立憲の元職。 2021年の市議選で落選し3年ぶりに返り咲いた共産元職と維新の元職。 そして市議選、県議選と落選し三度目の正直で当選した社民新人と自民系の女性新人2人で、オール沖縄系3人、自民系3人、中立(維新)1人となっています。

 注目はオール沖縄系の3人で、社民が2位、共産が3位、立憲が5位となっており、立憲が最も下位となっている点。 先月の県議選でオール沖縄系が議席を減らしたのは立憲がしゃしゃり出て候補を余計に擁立したからだと言われており、評判を落とした影響がココに表れている可能性が有ります。 県議選でもう1人の立憲公認候補が4位で上位当選をしているコトと比べても、この順位は異様です。 沖縄における立憲の立ち位置はドンドン微妙になってくるかもしれません。

 最下位ながら市議返り咲きを果たした維新候補は、かつて自民公認で当選していましたが2021年の市議選に無所属で出馬し落選。 2022年の県議補選にはナント参政党公認で出馬し落選し、今回は維新公認と、議員になるためなら何でもやる人のようで、参政党時代の公報と今回の公報を比べても言ってるコトが全く違うような人なので、そんな渡り鳥を議員にすべきではないと思っていますが、次点の人が自民推薦で「Share News Japan」をリポストするレベルの「アレ」なので、それならばまだマシかなぁ、と・・・
 来年市議選本選が有るので、そこで真の審判が下るでしょう。



以上です
当選された皆様の御活躍をお祈り申し上げます


※勝手ながら「今週の選挙」「選挙結果振り返り」記事のエンディングテーマを載せるコトにしました。 是非聴いて下さい♬



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