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システム開発経験がない人が、いきなりシステムの要件定義をすると、何が起きるか?

中小企業では社長がノリノリでシステム開発に着手、
システム会社と会話がかみ合わず、頓挫…

というのはよくある話

今日は、社長やシステム経験のない担当者が、まずやることを整理してみました。

(ここでは、業務支援システムの開発で、日々扱うデータ、情報を管理するシステムを想定しています)



そもそも、システム開発の目的は?

いきなりシステムを開発しようとする人は、
システム化すれば、すべての課題が魔法のように解決する!
と過剰な期待を持っていることが多いんです。

でも、魔法はありません!

初期のシステムは、わりと出来の悪い新入社員くらい
10言って、ようやく1できる、みたいな
その程度の出来と思った方がいい

新人に説明できないような難しい業務は、システム化のハードルがとっても高い!

何を目的として、どのレベルまで、
データや情報を管理したいのか?
自動化したい部分は?
これができれば、まずはOKという最低ラインを決めることが、最初の一歩です。

システムの前に、業務の整理

システム開発する前に、対象業務のルールや流れは明確でしょうか?
社内でも、わかっている人がごく一部とか、
社長しか知らない、社長も迷ってしまうような業務ルール、
臨機応変な判断が伴う業務は、
システム化がとても、困難です。

まずは、業務自体をシンプルに整理すること!

システム開発を機会として、
業務自体がシンプルになって、業務効率が上がれば、
そもそもシステム開発は不要になるかもしれません。

業務システムは、データの管理が基本

業務支援システムでは、日々扱っているデータ、情報を管理することになります。
データがないと、コンピューターは何もできません。

入力データ → 処理 → 出力データ

この流れが超基本

処理の部分に、記録、蓄積、比較、チェック・判断(条件分岐)、加工・変換、などがあります。

人が扱っている紙の書類は、デジタル化して、一旦、データにする必要がある
データ項目、つまり何を管理するのか、管理対象を決めます

このあたりで、頭が真っ白になる人がいます
・紙の書類と、データの関係が、イメージできない
・何が入力で、何が出力なのか、区別が曖昧
という状況だと、混乱の元なので、
流れ図などをつくり、関係者間で認識を合わせていきましょう。

何を管理するのか? そもそも、管理とは何か?

コンピューターが管理できるのは、データだけです。
そこに意味づけして、人間は情報と見なします。

コンピューターには、意味が理解できません。
AIも同じく、理解したフリをしているだけで、実体としては理解なんかしていない。

データ+意味づけ → 人間にとって有用な「情報」

という関係です。

だから、データ項目の意味定義が重要
このデータは、どういう意味を持っていて、どの場面で、どのように使われることを想定しているのか。ここは、人間がきちんと定義し、認識を合わせておく必要がある。

処理の内容、ルール、基準は明確か?

コンピューターは、指示通りの処理しかできません。
きちんと指示すれば、その通りに間違いなくやってくれるけど、
指示が間違っていると、間違ったまま、やってしまいます。

これ、本当に大丈夫ですか?

と気づけるのは、人間だけです。

システムの要件定義は、
新人に仕事を教えるより、大変!

そのくらいの覚悟が必要です。
常識がない新人に仕事を教えている場面と
イメージ的に近い、と思います。

システムを語らず、業務を語る

システム開発に初めて取り組む人は、
まず、業務について語ってください。

その業務の流れ、関係する人たち、
いつ、どこで、どんなことをするのか
どこに時間がかかったり、ミスが起きて、大変なのか

業務自体の大変さ、重要性は、現場の人にしか語れません

システム開発担当者は、新入社員と思って、丁寧に1から業務について教えてください。

新入社員が一人前になるくらいの期間で、
システムが完成すれば、上出来じゃないでしょうか。


そんな感じで、システム化のハードルは高いですが、
一旦、業務整理して、システム化できれば、
その先はパラダイスかもしれません!


業務システムの開発を検討されている方、苦労されている方に、
課題整理(壁を感じる部分の整理)になれば、と思い書いてみました。
参考になれば、嬉しいです。


この記事を書いたのは、
収益の柱を増やす「未来実現パートナー」 川原茂樹
https://mousoubiz.com/
https://twitter.com/mousoubiz


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